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 ――曽呂勇士学園・校長室

「まぁ、そんなわけで校長。
 セロ、オトネ、百道の三名の入学を許可してくれ」

 清空が、そういって胸を張る。

「ええ、構いませんよ?」

 校長がそういって優しく微笑む。

「……待て」

 それを百道が渋い顔で止める。

「どうした?百道」

「俺はまだ中学生だぞ?」

「飛び級おめでとう」

 清空が平然とした顔でそういった。

「まてまて学力的問題も……」

「大丈夫おまえならできる!」

 清空はケラケラと笑う。

「セロさん!セロさんからも何かいってくださいよ」

「諦めろ。清空さんには誰も逆らえない」

「マジかよ」

「ああ、覚悟を決めるんだな」

「オトネさん!アンタからもなんかいってくれよ!」

「オトネセーラー服着たいですます」

「え?」

「メイド服に飽きましたのですます」

「……まてよ学力的にも俺は」

「大丈夫ですますよ。
 オトネが教えてさしあげますから!」

「……はぁ、わかった。
 俺はもう逆らわない」

「では、早速明日から来てもらえますか?」

「へ?」

 校長の唐突な提案に百道は戸惑う。

「ま、早いほうがいいな」

 清空はその意見に賛同した。

「……ああ、もう逆らわない。
 明日どころかもう今日から入学してもいいぞ!」

 百道は、もう笑うしかなかった。

「まぁ、転入生は実はもうひとりいるんだ」

 校長がそういうと指先を軽くソファーの方に向けた。
 そこにはメガネを掛けた幼い容姿の少年がいた。

「ん?あいつは……」

 清空が目を細める。

「美神十三くんだよ。
 君たちと明日から学校に通うことになる男の子さ」

「そうか」

 清空は、何かを考えたが考えるのをやめた。

「ふぅ」

 セロは思わずため息をつく。

「どうした?セロ?」

 清空が首を傾げる。

「修行の旅に出かけるはずが、思いっきり地域に密着してしまっているなと……」

「まぁ、修行の旅なんてのは勇者に任せればいい。
 お前がなりたいものはなんだんだ?」

「わかりません」

「だったら、学校で学べ。
 この学校にはお前より強いやつがうじゃうじゃいるぞ?」

「そうなのですか?」

 セロが驚く。

「ああ、お前はそうだな中の下くらいだ」

「マジかよ!」

 百道がセロよりも先に驚く。

「なんたってこの学校には神さまもいるし魔王さまもいるからな!」

 清空が豪快に笑う。

「でも、セロさんのネジにかかれば酸素を消してどんなやつもイチコロだろ?」

「神さまも魔王さまも酸素がなくてもなんとかなる。
 それに酸素を奪える範囲も狭い。そこを疲れたらセロは不利になる。
 それにセロの野力は攻撃タイプじゃなく補助タイプだ。
 ゲームで言うとパフ要因じゃ。
 今までは工夫でどうにかなったが、これから先の敵はどうなるかわからん」

「そうですね」

「ああ。だからお前には指導者がいる。
 きちんと導いてくれる指導者がな。
 この学校はソロでも戦えるモノの養成校じゃ。
 セロ、オトネ、百道。
 お前らはもっと強くなれる。
 だから強くなれ!」

「あの僕は?」

 清空に少年が尋ねる。

「主は強いだろう?
 多分、この3人の中で一番強い。
 この学園でいうと中の上だな。
 だが、主もサポートタイプ。
 アタッカーじゃない」

 すると恐る恐る百道が尋ねる。

「ちなみに俺は……?」

「壁」

 清空が一言で表した。

「そうか……」

「下の中だな」

 百道は、少しだけ落ち込む。

「そうか……」

「強くなれ!百道!」

 清空がケラケラと笑った。

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