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 ――コード893枚方市部

 意識を取り戻した健太が赤いスーツの男たちを睨みつける。

「お前ら……俺を助けてくれたのか?」

 状況を把握していない健太が、赤いスーツの男たちに尋ねた。
 すると先程、健太を連れてきた男が答える。

「助けた……ねぇ。
 そりゃちょっと違うかも知んないな」

「どういうことだ?」

「誘拐ってやつっすねぇ」

 男がそう言うと健太がさらに尋ねる。

「誘拐?お前らアインか?それともツヴァインか?」

 男が、ため息をついた。

「はぁ、悪の組織ってやつは、アインやツヴァインだけじゃないんだぜ?
 お前さんの親父さんのことがな、気に食わないヤツがいるんでな。
 俺たちは、お前を殺しに来たんだ」

 男の言葉が冷たく重くのしかかる。
 健太の目には見えていた。
 その男が嘘をついていないことを感じていた。

「な、なんで俺が殺されなきゃならないんだ!
 悪いのは親父なんだろう?」

「親父さんを苦しめるのなら溺愛している子どもを殺したほうが精神的ダメージが大きいだろう?」

「なんなんだよ!」

 健太が、腕を回転させスクリューのパンチをする準備をした。

「へぇー
 この人数相手に戦うってかい?」

 男が嬉しそうに笑う。

「俺はヒーロー志望の壺健太!
 スクリュー健太だ!」

 健太が大きな声で言った。
 笑われることなど覚悟で言った。
 しかし誰も笑わない。

「へぇー。
 立派な名前じゃないか」

 男が、そう言って真剣な目で健太の方を見る。

「わらわないのか?」

「漢の名前を笑うやつは漢じゃねぇ……
 さぁ、スクリュー健太!
 一発おまけしてやるよ!
 殴りに来いよ!」

 男がニヤリと笑う。

「遠慮しないぞ!」

「ああ。
 ガツンとこい!」

 男が、両手を広げて無抵抗の意思を示した。

「スクリューパンチだ!」

 健太が、腕のスクリューを回転させて両足もスクリューに変えそのまま突進した。
 健太の拳が男の顔に当たる瞬間。
 男の姿は消え、健太の背後にまわった。

「なんてね。
 一発も殴らせるわけないじゃないか。
 俺は短気でわるもんなんだぜ?」

 男は、そう言って健太の背後から回し蹴りを浴びせた。

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