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 健太の体はそのまま横に倒れた。

「卑怯なだぞ!
 テメェ!」

 健太は、男にそう言い放った。

「卑怯?
 お前さんは誰にものを言っているんだい?」

 男の目に殺気が宿る。

「ああん?」

 健太も負けまいと体を起こしたあと男を睨み返す。

「何度も言わせなさんな。
 俺は短気なわるもんなんだ。
 有言実行だなんて正義の味方みたいなことするわけないだろう?」

 男は、その言葉とともに健太の体を蹴り飛ばす。
 そして、倒れている健太の背中を踏んだ。
 健太は悲鳴をあげる。
 そんなことなどお構いなしに健太は男に踏まれ蹴られ続けた。

「そこまでだ!」

 そう言って現れたのは、百道だった。

「ああん?
 正義の味方登場ってか?」

 男が、そう言うと百道はためらいもなく男の腹部に一撃浴びせた。

「まずは一発」

 百道は、殺気に満ちためで男を睨み。
「続いて二発」百道は、そう言って二撃目を浴びせた。
 男は、百道を睨む。

「ためらいもなく俺に二撃も入れるなんてやるじゃないか」

「三撃目!」

 百道は男の言葉も無視して拳を再び当てる。

「さっきより重いねぇ……」

 男は、そのまま後ろに下がった。

「四撃目!」

 百道の拳は男の頬をかすめただけだった。
 しかし、男にダメージを確実に与えている。

「一撃目より威力が高いねぇ」

 男は、そう言って小さく笑う。

「俺はステゴロの百道。
 殴れば殴るほど威力が上がる
 次の一撃でお前を倒す!」

「そうか……
 なら簡単だね」

 男は、そう言って百道の背後に移動した。

「早っ――」

 百道の体が男により無数の男がいる場所へと蹴り飛ばされる。

「お前ら、そいつをなぶり殺しにしろ」

 男がそう言うとその他大勢の男たちは百道の体を蹴る。
 ひとりふたりと百道の体が蹴られダメージを受ける。
 そんな百道を見た男は言った。

「くくく。
 俺を倒すんじゃなかったのかい?
 お前さんの攻撃。
 当たらなければ意味が無いんじゃないのかい?」

 百道はその他大勢の男には手を出さない。
 その他大勢の男よりも自分のほうが強いと思っているから……
 だから、百道は手を出さない。
 それが信念だから。

「ふぅ……
 もう、こんなにやられているのに手を出さないなんてちょっとがっかりなんですますよ?」

 オトネが現れる。

「今度はお嬢ちゃんが、俺の相手をしてくれるのかい?」

 男がそう言ってオトネの背後に回る。
 そして、オトネの胸を揉もうとしたがオトネはそれを許さなかった。

「遅いですますよ?」

 オトネが、男の背後の回ると背中をそっと触った。
 その瞬間、男の体が地面に叩きつけられる。

「ああん?
 俺のスピードについてこれるのか?」

 男のその言葉にオトネは笑う。

「オトネ、音速ですから」

「いいねぇ……
 おじさんたぎってきたよ」

 男が笑いオトネの方を見る。

「オトネ……に負けた……?」

 セロが現れる。

「ち……今日は邪魔者が多いね」

 男が、舌打ちをした。


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