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「コード893?
 なんだよ?それ……」

 百道が、そう言ってセロを睨む。

「コード893。
 政府と関係を持っている闇の組織です。
 赤いスーツがトレードマークなのですます」

 オトネが小さく答える。

「闇の組織なのに目立つんだな」

 百道の素朴な疑問だった。

「……ああ。
 別にあいつらは自らの存在を隠そうとしない。
 仇討ちだろうが闇討ちだろうが簡単に返り討ちにしてしまう。
 あいつは強いよ」

 セロが答える。

「そうか……
 なんか燃えてきたぜ!」

 百道の目に闘志が湧く。

「燃えていること申し訳ないけど……
 多分、もう会わないから気にしなくてもいいよ?」

 セロの言葉に百道が小さく笑う。

「あいつ悪者なんだろう?
 だったら俺はあいつを超える。
 そうじゃなきゃヒーローにはなれない!」

 百道がそう言うとセロが尋ねる。

「君はヒーロー志望なの?」

「ああ。
 ふたつなも決めているんだ。
 ステゴロの百道!」

「ふーん」

 セロが覚めた目で言う。

「なぁ、アンタはヒーローなんだろう?
 なんかこう……
 オーラのようなものを感じるんだ!
 強いんだろう?」

「僕は、ヒーローじゃないよ」

「そうなのか?
 じゃ、俺と一緒にヒーロー目指そうぜ?」

 百道の提案にセロが首を横に振る。

「僕は、ヒーローが嫌いなんだ」

「え?」

 百道が驚く。

「まぁ、僕はあの人を助けに行くよ」

「あの人って壺のことを言っているのか?」

「うん」

 百道にはセロの言葉に賛同した。

「そっか、俺も行くところだったんだ!
 俺とお前、どっちが先に助けれるか勝負だ!」

 百道は、そう言って地面を数回蹴った。

「え?なにを言って……」

 セロの言葉を待つことなく。
 百道はその場から走って姿を消した。

「あー、早いですますね」

 オトネが、そう言って小さく笑った。

「うん……って、そうじゃない。
 早く行かないと百道くん死んじゃう」

 セロは、そう言って足をバネに変えその場から素早く移動した。

「どこに行くですますの?」

 オトネもそのスピードについていく。

「とりあえず、コード893の枚方市部かな」

「そうですますか。
 では、ご主人さまと私、どっちが先にコード893の枚方市部につくか競争ですますね。
 勝ったほうがキスできるっていうのはどうでますか?」

「……それって僕にメリットないよね?」

 セロの言葉虚しく。
 オトネはすでにそこには、いなかった。

「はぁ……
 仕方がない、僕が先に見つけないと……だね」

 セロは、まっすぐとコード893枚方市部へと向かった。

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