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3 ライラックの花

 そういえば…蓮くんの部屋にライラックのアロマオイルがあったっけ、せっかくだし調べてみようかな。明日になって忘れないようにしないと。
 ライラック、木犀科で、とてもよい香りがする花。花びらは普通四枚だけど、たまに五枚のものがあり、それを見つけると幸せになれるという言い伝えがある。その他にも、別名はリラという。五月十七日、六月十二日の誕生花。花言葉は…若者の無邪気さ、初恋、謙遜。
 これって、この誕生日って…私と蓮くんの誕生日!?すごい運命的…。
 その後、ライラックの花が好きになり、アロマオイルを買いに行った。私って、単純…なのかな。
 そういえば、ライラックには花びらが五枚あるものがあって、それを見つけると幸せになれるっていう…まぁ言い伝えだけど。それでも、見つけてみたい。今は十月下旬だから…うん、咲いてる。
確かうちの庭もたったはず…あ、これだ!紫と白のライラック。もう少しで暗くなっちゃうから早く探そう!その後、三十分探してみたけど、見つからなかった。どうして…
「白、石…!はぁ…はぁ…」
玄関の前で息を切らして立っていたのは、蓮くんだった。
「し、篠宮くん!?」
「忘れ物があったか、急いで私に来たんだけど」
「でも、なんで私の家を…?」
「たまに、ここら辺散歩しに来るんだけど、綺麗なライラック咲いてるな〜って思って看板見たら白石って書いてあったからもしかしたらって思って」
そうだったんだ…ライラックが私たちを結んでくれたんだ…!
「それで…忘れ物なんだけど、これ」
渡されたのは、私の予定表…とは言い難いメモ帳だった。というか…中身見られてないよね!?
「篠宮くん…中身とかって…」
「見てないから安心して。前に白石さん、こんなの持ってたな〜って思ったから」
「そっか〜!ありがとう!」
 よかった…見られてないんだ!あれには蓮くんにアピールするぞ!とか書いちゃったから見られなくてよかった!…あれ?でもなんでお礼言ったら顔赤くしてたんだろう?まぁバレてないしいっか!一安心一安心。
 翌日の朝…私はいつものように登校し、いつものように席に着いた。その時だった、私の心が安心から不安になったのは。
「ねぇ蓮〜今週の土日遊ぼうよ〜♪」
「別いいけど…てかひっつきすぎ」
…!?誰なの!?同じクラスの人じゃないし…まさか…彼女!?
「あ、白石さんおはよう」
「篠宮くん…おはよう…」
「へぇ〜…この子が佐倉ちゃんなんだ〜」
この子が…というと前に蓮くんがこの人に私のことを話したのかな?
「えっと…紹介するよ、俺の幼馴染の百瀬香織」
「よろしくね〜!佐倉ちゃん!」
「うん…よろしく」
「なんか冷たいな〜もっと仲良くしよ!…同じ者同士、ね」
 そのまま百瀬さんは自分の教室へ戻ってしまった…同じ者同士ってどういうことだろう?…それにしても、幼馴染だからってなんであんなにくっついてるの!?羨ましい…じゃなくて!蓮くんは幼馴染って言ってたけど…本当に付き合ってないのかな?まぁ、今考えてもしょうがないから、また放課後話してみよう。

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