バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第3章の第86話 どうしようもない問題13



★彡
【復讐の動機、殺す気満々でも、すぐに足が付く】
『バカ、すぐに捕まるだけだろうが!!』
『構うもんか!!! あんな奴!!! ここ2、3年間就職できてないんだろうがッッ!!! 誰も、困りはしねーよ!!
むしろ喜ぶやつが多いかもな!!
あいつは何も働いていないんだし、ただあそこで食っちゃ寝していただけだ!! それかマウスで書いてたか……!
まぁ、凄いんは凄いんだが……後で表立って有名になるのに、どうしたって後2年以上先は掛かるんだろうしな!!
だから、いいんだよ!?
俺たちは、あんな奴と違って働いてたんだぜ!?
言ってみれば、周りの奴等と同じで、社会貢献してて、働いていたんだからな!! 正当性はこっちにあるんだよ!!?』
『……』
『……』『……』
ナレーションで語るは、アヤネさん。
【正当性ねぇ……】
次いで、サファイアリーさん。
【そう、そのどうしようもない問題のせいでね。その容疑が掛かっていたからこそ、定職には就けなかったのよ?】
【アルバイトには、応募ができるんだけどね……】
【あの人の希望は、設備管理科、ビルメンテナンス科だったんだから……】
【でも、全滅してたんだから……】
【……】
【だから、この年の前、去年の10月ぐらいに、飛行機の、空港(エアポート)があるでしょ!?】
【その求人に応募した際に、その面接中にも、そうした人達の噂が立ち初め、落選したそうよ……】
次いで、アヤネさんが。
【そーゆう周りからの取り次ぎの噂、上からの圧力もかかっていたって事ね】
【ええ……――』
『――は、働いていない……働いていなかったんですか!? あの人!? もう何年も前から、ここに着てましたよ!?』
『……』
『……あなたは、それを知ってたんですかァ!?』
コクッ……。
と小さく頷き得る怪しい男性の人。
『……』
『じゃあ、何でそれを報せないんですか!?』
『……』
『何でですか!?』
『う~ん……こっちもそうした事をあっちの会社の人を通して聞いてはいたんだが……。……いざ問われると、なかなか難しいよなミシマ!?』
『ああ、これはちょっとな……』
『う~ん……』
『は? 簡単な事じゃないんですか――ッ!?』
『そんな簡単な問題じゃないんだよ!』
『あぁ!』
『うん!』
【その店番の人が簡単な事に思っても、その内情を知り、関与していた人達に取っては、それは違う見解よねー!】
【なかなかそれは難しい案件よ!?】
【だってそうよね!? さんざんそっちは負けてて、お金が湯水のごとく底が抜けて行ったんだからさ――ッ!】
【怪しい男性の人も、ミシマさんも、その息子君も、相当難儀してたそうよ?】
【まぁ、その落としどころとしては、当人に金を払え、もしくは免許を取り上げる、もしくは小説を取り上げる、この3点しかない訳よ!】
【だから、ミシマさんは、そうした裏の事情を汲んで言えないから、表面上の面(ツラ)、体裁を保(も)って言うしかなかった訳よ――】
『――こっちはな! そうしたチャンスの話を、何度もやったんだぞ!! だけどな、あいつは一度もそれを謝りに言ってないんだよ!!』
『謝りに行っていない!? ど、どーゆう事なんですか!?』
『……』
ミシマさんに代わり、怪しい男性の人はこう言ったそうよ。
『その領収書(原因)は、もう判明しているんだが……もうここまでやり過ぎててな……こっちもそうした対応に、中々戸惑っているんだよ!?』
『はぁ……!?』
『だな!』
【そしてね。こうした無理難題の案件も飛び込んでたの――】
『――う~ん……それになぜか向こうの人からも……こーゆう声があってでな……!
『あの子を今こっちに呼び戻さないでください』――っていう、願いだったんだよ!
でも、こっちの連中とか! 周りの会社の人事の奴等が、それをどうしても許せなくてな……!
言い出した手前、『一度はそうして、謝りに行け』――って話と!
あっちの会社の立場もあって、『謝りに来させないでください』――っていう話がゴチャになって……!
こっちでもどうしていいのかわかんねえんだよ!? 今その対応に追われてる……!!』
『……えっ!? マジィですか!?』
『大真面目な話だ』
『何だってそんな事に……!?』
『まぁ、俺のせいだな……』
『やっぱり、あなたのせいなんですね……?』
『ああ。
『で、誰の責任か!?』――って話になり、俺に白羽の矢が立ったわけだ。
だからこっちもそうした対応を取るためにも、スゴイ困ってるんだよ……ハァ……』
『……』
チラッ
【怪しい男性の人ね。ミシマさん達の気を利かせる為にも、こうした面倒事を共に請け負ってくれていたのよ!?】
【会社の内情だけど……ちょっといい?】
【なに?】
【あのね? 箱洗いはモーターの騒音区分でとてもうるさくて、その為に、ヨーシキワーカさんの耳がちょっと悪くなったのよ】
【だから、その会社の体裁を取り繕うためにも、こうした問題の取り組みがあったのよ!】
【曰く、サービス問題だったらしいわ! 職業安定所の女性職員さんの言葉を借りるならね!】
【でもね、ちょっと・いや・かなり・無理強いが強過ぎて……てッッ】
【かなりの距離を置いて、ヒソヒソ話や、小型の機械の音声を通して、ヨーシキワーカさんが見向きもすれば、まだ良かったのよ】
【あっちはね……無理だから……】
【着さえすれば、まだそうした会社側の体裁も保てたんだろうけどね……】
【だから来ないから、スゴイその対応に困り果てて、ハッキングも仕掛けていて、小説を通して公開された折には、すごい困惑してたそうよ!?】
【また、周りからの訝し気な視線と噂が殺到してて、ものすごい恐怖感を煽られたそうよ――】



★彡
【散々就職難で堕とせば、人はその過程で耐えきれず、心が摩耗し、自信喪失につながり、自殺者さえ出兼ねない】
【さすれば問題行為では済まなくなる。……ただの人殺し】
『――あんなに勝ってはいるんだがな……』
『ったくもうあいつは……!! 『こっちにきてくれりゃえすれば』!? まだそうした対応の仕方も……!?』
『……それでかミシマ!?』
『!』
『で、今回のようにまた! あいつは就職の話を墜とされたわけだ……!! お前等、これでいったい何回目だ!?』
『……そんなにか!? まさか、こんな事が!? ここまで長引くとは……ッ!?』
『バカかお前等はッ!! そうやって『何度』も『落とす』から、そうやって人は耐えきれず、
自分を追い詰めて、『死ぬ』かもしれない奴が出てくるかもしれないだろうがッ!!
お前等、この騒ぎ、どがんすっとや!?』
『知るか――ッ!!! こっちはその2人を結ばせようと何度もやったんだぞ!! いったいどうなってとやあいつは!! とても信じられないぐらい鈍感ぞ!?』
『お前等2人のせいで、あの先生達2人が何かとんでもないぐらいになったんだろうがッ!!! 聞いたぞミシマ!! 元はと言えば、お前が持ち込んだ責任だろうが!?』
『あぁっもう!! 何でこんなに俺が、怒らればいけんとやッ!!? フツーは逆だろうが!!』
『見苦しいぞミシマ!!』
『そうですよ!! 僕だって許しませんよ!!』
『それにお前な!! 今回きた中で、1番いい求人を逃したとぞ!! まだそれに気づかんとや!?』
『ハァッ!?』
『お前があんな事をしなければ、今もあの子はそうやってお前の会社にいたのかもしれんとぞ!?
そして、その中であれを書き続けて、有名になった頃には、お前の会社に『箔』が付いていたのかもしれん!!
周りの奴等があの子に言い寄って、お前の会社の名前を持ち出してな!!?』
『あっ……!?』
『そーゆう事か……!?』
『あの時はあのまま、お前があの子は護ってさえいれば……ッ!!
今回こうした事があったんだから、何か酷いぐらいの目に合うのは、向こうの会社だったんぞ!!
その頃には、俺たちもお前に協力してるだろうしなッ!! 周りのみんなで追い詰めてさえいたんだぞ!!
それをお前が……ッ!!』
『……ッ』
『……まっ! どうせあの子が、お前のところを辞めていく流れになるのは、自然の流れだだけどな!』
『そうしたものなんですね?』
『ああ、そうしたものだ!』
『……』
【そこには納得加減の店番の人がいたそうよ?】
【ヨーシキワーカさんが、新しい会社に勤めても、小説は書き続けるだろうし】
【いずれは、辞めていく事には、違いはないわ……】
【だって、会社には不必要なものだからね……】
【だって、それを手掛けるような会社は設立もしていないし、また、そうした部署もない……】
【特殊な法令事案案件なのよ……】
【手続きやら、諸々の諸事情だってあるしね……】
【だから、その時点ではどうあっても不可能!!】
【だから、一度はそうした形で、ヨーシキワーカさんを定職に就かせる形が必要なの】
【ヨーシキワーカさんの希望は、あくまで設備管理科関係のお仕事。希望求人もそうしたものなんだから】
【それは、小説のストーリーを進める中でも、必要な事柄が大いに含まられるからよ!】
【ミシマさんのところにいても、そうした望みは、まるで皆無だったって理由(わけ)――】
『――今回お前は、そうした1番いい奴を逃したんだよ!! ……残念だったなミシマ!!』
『カァ~~あの時か!! でも、2年はかかったんぞ!?』
『たった2年じゃないか……?』
【違うわ!! 昔の会社を辞めてから、実に3年以上はかかったのよ!!】
【あくまで、ミシマさんの所へ行ってから、事件解決年まで数えて、おおよそ2年間の歳月を要したんだから――】
『――冗談じゃない!!! そこまで待てるかッ!!!
じゃあお前、逆に聞くが、あの時の騒ぎ、どのぐらいだったのか知ってんのか!? 実際とんでもなかったんだぞ!!?』
『! ……』『……』
『あいつをそのまま、うちで匿っていれば、先に潰れたのはこっちなんだぞ!!
そんな危ないマネ、誰ができるかッッ!!! せっかく(会社を)建てたのによ!!
だから、こっから追い出してやらないと、逆にこっちが危なかったんだぞッ!!! お前それわかってんのかッ!!?』
『……それを煽ったのは、お前なんだろ? ミシマ!?』
『あっ、やっぱそうなんですね……!?』
『グッ……!?』
【そう、ヨーシキワーカさんが容疑者かもしれないと周りの人達に吹聴し、煽ったのは、その内の1人に数えられるのが、ミシマさんなのよ】
【その時の風向きは、誰でもそうした事があって、体裁の流れとして落ち着かせるためには】
【どうしてもヨーシキワーカさんが、犯人じゃないと、気が進まなかったのよ――】
『――で、実際、今回そうした事があったから、今あそこにいるあの子から、逆に盗り立ててやろうとしてたんだろ?
あの弟君もいいようにお前等が騙してな!?
確か猜疑心、疑心暗鬼……? ……おかしいだか?』
『ダァアアアアア!! まだこっちにそうしたお金を逆に払ってくれるんなら、許してやらんでもなかったとぞ!?』
((完全に開き直りやがった……))
『それをあいつがァ……ッ何であんなに鈍感なんだ……!? とんでもなさ過ぎっぞ!? 実際!!』
『……』『!?』
『何でこんなにこっちが、こんなにもとんでもなく悪い事やってるとに、ちっとも出てこんとや!?
何であんな小説を書いて、(モニター画面の赤い印)今ここにいるあいつが助かったとや!?
何でこっちが、今こんな大変な目に合わんばいけんとや!?
……なんで……こんなにも、とんでもないぐらいこっちから(お金が)抜けていくしィ……!?
普通、逆やなかやッ!?』
『……』『……』
『……ッ、まだだ、それを持って、まだ俺のところへ謝りに戻ってくるなら、こっちもまだ許してやらんでもなかッ!!
だがな、辞めていくんなら、絶対に許さんッ!!
それをこっちに置いてからいけッ』
『完全に逆上だな……?』
『ええ……』
(完全に逆恨みだな……道理がメチャクチャだぁ……こいつ……ハァ……)
【怪しい男性の人も、さすがに心痛の想いで、心の中で重い溜息をついたそうよ】
【それは普段のミシマさんを知っている人ならば、誰もがそう思ったでしょうね】
【止め処(ど)ない感情の濁流の様相を呈していたんだから――】
『――今、お前、支離滅裂だぞミシマ!? 頭大丈夫か!? そんな無理な道理、周りのみんなには伝わらんぞ!?』
『こっから追い出してからは!! こっちも何がなんだか訳がわかんないんぐらいだかんなッ!!? 何でこんな事になっとや!!?』
『ハァ……実際、そうしたもんだ……!』
『こうなったらもう!! 全部あいつのせいだ!!』
『ンッ!?』
『やってやる……ッ!! その息の根を止めてやる……今からそっちへ行って、あいつを殺してやんよッ!!!』
『えっ!?』
『待ってミシマ!! それはマズい!!』
『あーわかってる!!
それかバレないようにして、夜の人ゴミに紛れてあいつを後ろから刺し殺した後!!
どさくさに紛れて、こうした腕時計型携帯端末で、周りのみんなを呼び込んで、準備しててやる!!
参加した奴には、いいねの金を充ててな!!
で、あいつの死体をどこかに運んで、バラバラにして、その胃や腸や内臓をどこかに売りつけてやる!!
そうした資産家を知ってるんだからな!?
それにあんな特殊な眼があるんなら、俺の目ん玉と入れて代えて、そうした世界を見てやる!!
ちょうど、そうした祭りがあるんだからな、都合がいいしな!!』
『バカかミシマ!? こっちはもう知ってんだぞ!!? お前達があの子を就職できないように、根回ししてたってことをよ!! もう全員知ってとぞ!!?』
『知った事か!! こうでもしないと、こっちの気が納まらん!!』
『俺もだ!!』
『早まるなミシマ!!』
『そうですよ!! でも、どうやるんですか!? 言っちゃなんですが、すぐに身元と顔が割れますよ!!?』
『考えがある!! あと1、2ヶ月したら、そういったお祭りが開かられるだろうがッ!!』
(((8月の夏祭り……!!?)))
『そうはならなくても、あいつを殺した後、バラバラにして、どこかに売りさばいてやる!!』
『おい、すぐに足元が付くぞ!?』
『自分もそう思います!! 横で聞いてたんですから!! しかも、この流れですから、誰がやったのか……って話になって、一番に疑わられるのは、あなたですよ!?』
『……ッ……ッッ、クソッ、やっぱそうなるかぁ……』
『当たり前だぁ!!! なに寝ぼけた事をいっているとや!!! ミシマァ!!!』
『……』
『まだ目に入れても痛くない、まだ可愛い子供が2人もいるんだろうが!! 横にいるそんな奴とは違ってな!!』
ガビ~~ン
(そんな奴~ゥ……!?)
【と大変ショックを受ける長男君がいたそうよ?】
【大変な親を持って、君も大変ね……痛く同情するわ――】
『――そいつ等の今後の将来の事でも考えておけ!! それが親の務めだろうがミシマ!! ……わかったか!?』
『……ッ』
【そこにはね。同じ子を持つ親がいて、そうミシマさんに諭したらしいわ】
【ここで、手を引くべきだと……! それが親の務めだからね!】
【い、今、特殊な目って……!?】
【あぁ、大気中に浮かぶ光る粒子の事ね?】
【!? えっ……!?】
【でもそれは自発性のものじゃなく、偶発的なものだから、任意じゃないわ!】
【眼球だけ取り出しても無駄よ!】
【その世界に入るためには、高い集中力とそうした長時間の持続力、彼女さんの力とそうした手助けが必要なんだからね!】
【ご本人様限定のものよ!!】
【それに、覇気を習得しようとしたら、妙に体が発汗していて、蒸気が見えたらしいからね!】
【まぁ、一過性のもので、それ以降は、見えなくなったらしいけどね! ほんの30秒かそこらの出来事、それ以降は見た事もないわ!】
【しかも、瞳の色は変わらないから、判別は不可能よ――】
『――しっかし! よく今まで……ここまでよく我慢できたもんだ……!
しかも、こんな小説まで残して……。
他の奴じゃ、こうまでできなかっただろうなぁ!?』
『自分もそう思います!』
『クソッ!! 後、数年ぐらい粘れよ……!?
こっちは今、色々なところと掛け合ってて、そうした契約を結んでるだいじな時期なんだぞ!?』
『……』『……』
【ミシマさんはね……。そうした被害者側・遺族達の気持ちも知らないのよ?】
【逆の立場を味わった事がないからね……】
【逆の立場の人の気持ちになって、モノが言えないから、そうした人達の気持ちがわからないのよ……?】
【だから、わかんないのよ……?】
【フゥ……。いつも勝っていたからね……盗り立てていたからね……集団で取り次いでまわり、肯定的に多数決の意を勝っていたからね】
【周りの人達はそうして、自分を正しいと認めていたから、優秀な能力があったから……】
【ここで、失うのはもったいないから、次で最後の1回とばかりに許されていた……】
【そんな折、幸か不幸か、ヨーシキワーカさんと会ってしまう】
【目上の立場に当たるから、自分は偉い】
【だから、あんなひどい言葉を平然と投げかけられたんでしょう?】
【だから、途中であんな嫌がらせができた、仕返しもできた】
【自分は偉くて特別だから、そうした優れた優秀な能力があって、何をやっても許されるから】
【だから、そうじゃないあなた達はいけないとする】
【後でヘマをしても、『ヨシュディアエ(あたし)達のように許されないからね!? それ、わかって言ってんの』!?――】
『――2年が限界……だったんだろうな……ミシマ……。よく保った方じゃないか……?』
『あと、3年ぐらいは粘れよ……!?』
『無理なんだろうな……』
『無理か……、……やっぱり……』
『あぁ……』
と嘆く長男君の声がした。
『じゃあ逆に聞くが、ミシマ……!? お前はどうだったんだ……!?』
『う~ん……1年が限界だったかな……?』
『『早ッ!?』』
【これには、怪しい男性の人も、店番の人も、同時に驚いてて、そうした声を零していたわ……】
【って、たった1年間かよ……!?】
そう、驚きの声を上げていたのは、ミノルさんだったわ。
【あぁ、ミシマさんなら、たった1年でできるかもねぇ……?】
【自分の無実を主張して、勝ち取るのに……ミシマさんなら、たった1年で達成できたのかもね? あんなとんだ盲点に? しかも真犯人付きとセリフの言い回しで?】
【……無理です】
【あたしだって無理よ! フツーは10年以上よ! それか一生かかっても不可能! これはそうした問題への結びつきだったのだからね!?】
【バカとハサミは、要は使いようだから……!!】
【……】
【だからミシマさんたちは、ヨーシキワーカさんが何も知らないとわかっているからこそ、99.9%以上勝つとわかってる、あちら側に付いたのでしょう?】
【でも、こっちはね。無実を勝ち取るのに、最短でも2,3年はかかったのよ? ヨーシキワーカさんだからこそ、『0.001%未満の希望』で、ここまでできたのよ――】
『――……それと比べれば、よく保った方じゃないのか? フツーはこうは保(も)たないぞ!? 大した精神力じゃないか……?』
『……あんなところに、あんなものがあったんなら、すぐに誤り言って、その原因を取り除けよ……!?
簡単な事だったんだろうが!?
実際、あんなところから簡単に見つかったって言うし……。
そしたら、こっちもなんか悪い気がして……。
お前を高い金で雇いなおしてやっても良かったんだぜ!? ……なぁ!?』
『そしたら、彼女さんとも結ばれたし……なんかこう悲しい話だ……』
『言うなってッッ……!!』
『……』『……』
【ミシマさんが、直接箱洗いにいって、泣きながらその主犯格2人を殴り飛ばしたってのは、まっかなデマカセよ!!】
【部外者さんなんだからね!!】
【その2人の顔を顔写真にとって、周りのラインの人達を呼び寄せて、突き出したって言うのもあながち嘘の噂ねッ!!】
【それは自分達側の都合の言い回しだったそうだからね!?】
【あんた達はそうやって、何度も、弟さんや、ヨシュディアエさんを使い回したんでしょう!?】
【……】
【それにね……。どうしようもない問題が始まった契機……!】
【誰がミシマ(犯人)なのか!?】
【言いふらした奴は誰なのか!?】
【問題を仕掛けたイリヤマ・ライセン(先生達2人)はわかってるから!】
【あそこからお金を取っていって、自分たちの不都合を隠すためにも、問題事で済ませようとしたんでしょ!?】
【だから、弟君も騙して、闇子に仕立てた!】
【身の内のものを盾にして、反撃に転じにくいように画策していた】
【特許の話やお金の話で、飴を与え、共犯者類として関与させてたんだからね!】
【……】
【まぁ、数年前から、あの弟君は、あなた達側に与していたんだけども……】
【えええっ!? そうなの!?】
そう、驚きの声を上げたのは、スバル君だったわ。
【ええ、そうよ。
【『障害者雇用上の説明会の話』でも、持ち出しましょうか!?】
【その説明会でね】
【ある1人の年配の男性が、その会社面接会のブースで、大騒ぎを起こした事があるのよ!】
【以前は健常者の方で、周りの人達にハメられて、障害者身分まで堕ちて行ったの……】
【それ以降は、まったくと言っていいほど、定職に就けず、アルバイト・パート生活を送っているらしいわ】
【怨みがあるのはあの2人』。ここにはそうした協力関係の女も着てた】
【……】
【周りの人から、そそのかされたから、あーした場でワザとらしく騒ぎを起こしたらしいわ】
【学校でも、イリヤマ先生が、そうした漢気のある動きをしたと、かっての武勇伝を誇らしげに語っていたわ】
【確かのどこかの職業安定所の方で、そうした変な噂の騒ぎが起こっていて、その職員さんから電話を取り上げ、怒鳴り返したそうね】
【こーゆう動きがあったと、関連付け、そーゆう風に暗示と擦り込みをかけていたの】
【その事は、その人の担任の先生と、壁の裏で立ち聞きしていたヨーシキワーカさんも確認している】
【ちょっど、長通路のところで、そうした話を立ち聞きしていたそうよ?】
『そして、騒ぎの原因の一端を担っていたらしいわ……あの弟君も……】
【だから、あの時は、気づけなかったそうよ……】
【あの日、御兄さんにさりげなく話を持ち掛け、『何か騒ぎが起こってなかった?』と快活の笑顔で親しく話し】
【『ちょっとお金が入ったから』といって、何かそうした『オードブル盛り合わせ』を持ってきてたんだからね】
【あれは美味しかったわ。でも同時に、申し訳なくなってしまう……ッッ】
【だから、こうした話を通して、小説の中に記し、そうした場を借りて、謝りたかったそうよ?】
【うちの弟がごめんなさいってね……謝ったの】
【こうでもしないと、現実と向き合わないと、中々表立って、歩けないからね……。人生を再更生できないからね……。フゥ……】
【……だから、いつかはバレるものなのよ? それは、そうした身内関係からね?】
【当日中に、自分の部屋にこもり、フューチャーウォッチを誰かに掛けていたんだからね? それが誰なのかはわからないんだけども……】
【……どちらにしろ、再雇用の話は――皆無よ!!!】


目を瞑り、その瞳を開ける怪しい男性の人。
呟いた一言は。
『……それは無理だミシマ』
『やっぱり無理かぁ……』
『あぁ……』
『俺のそうした連中が、今、あの子の親父さん伝いに聞いてまわったりして、……そんな女とは、『結ばせる気がない』らしい……』
『……』
『それに……今、あの子のマウスからハッキングをかけてわかったんだが……。
そもそもあいつは、何も知らなかったらしい……。
そもそもそんなところに置いている事事態が、不自然だったんだ……。
これはあれだな? ほとんど全部、掃除で済む話だ』
『やっぱり掃除かよ……コレェ……!?』
『今回はえらく、モノのデカい掃除になったまったな!?』
『ゴミって俺等かよ!? 掃除ィーーッ!?』
【嘆く長男君がいたそうよ?】
【そう、そうしたゴミの悪人を一挙に4人も検挙した事になるんだからね?】
【まぁ、無実の証明と一緒に付いてきてしまった、副次的な要因だけども……――】
『こんな事になっちまったのは、ぜーんぶ、あの親父さんのせいだ!!』
【それはね。長男君の嘆きから、始まったものよ――】
『『『――!』』』
『こっちからそうした事を、何度も電話で取り次いだんだろ!?』
『あぁ』
『なのにあの親父さんときたら! 一度も、あの人を出してないじゃないか!!! こんなの卑怯だッッ!!!』
『……』
『……』
『……』
『ズリィよ……さすがに……ッッ!! こっちはこうして、何度も掛け合ってまわって、お金をあんなに出してるのに……こんなのって……ッッッ』
『……あいつ、あんな奥まったところにいただなんてな……。こんな事になるなら、一度ぐらいは、こっちでそうした事を試しておくんだったぜ』
『……ホントにあの親父さん。自分の息子を出そうとしないな……』
『その話、ホント何ですか!?』
『あぁ、ホントだ!!』
【事実、偽電話詐欺中にヨーシキワーカが、一度も、その顔を現わした事がない】
【本人は寝ていたか、外出中か、うちの仕事を手伝っていたか、マウスを置き忘れていたか、集中して執筆中だったかとするものだ】
【ずいぶん、奥まったところにいて、出て事もない】
【一般家庭にしてもそうだが……。仮にもしも、2階にいた場合は、取り次ぎ上の、そうした行為は、話しかけてくれないと不可能である】
【また、そうした証拠が残らないような、そうした事がそもそもなかったとするものなので、返信すらない】
【ご家族も、弟も、ヨシュディアエも、ファウンフォレストさんすら、返信した事がないのだ】
【一から全部そうした事を説明できないからだ――】
『……何だってまた? こんなに勝ってるのに……?』
『こんなに勝ってるだろうからな!』
『へ……!?』
『向こうの親父さんの言い分はこうだ!』

――『そんな事態になるならミシマ! あの時、お前がこいつを連れて行かずに勝手に1人で行ったから、こんな事になってるんだろうが!?』

『それはミシマさんが……!? やっぱり……そうなんですね……』
『……』
【店番の奴は、そう、ミシマの野郎に投げかけたもんだ】
【怪しい男性の人B(俺)は、宙に浮かぶエアディスプレイ画面の向こう側を食い入るように、見詰めるばかりだ】
【そこから、奴の返答がこう帰ってきたぜ――】
『あぁ……そうだ……間違いない……ッ』
『他には?』
『あぁ、最初等辺に、妙におかしな事態が続いたんだが……!? その時にも弟君の様子がおかしくて、兄貴の方に取り次がなかった……』
『そうしないと、問題にならないからな』
『何だってまた?』
『『偶然に見せかける』ためだ! 『それが問題』なんだ!』
『偶然?』
『あぁ……『偶然のチャンス』ってやつを、『安易に掴ませる』……ってやつだ。そうやって周りがハメるんだ』
『なるほど……だから今まで……』
【そこにはね。納得加減の店番の人がいたそうよ?】
【そして、こう言い放つの――】
『――……って!? そんな事をやっているせいで、『こんな事態になってる』んでしょうがバカなんですかあんた達ィ!?』
『『『!?』』』
『まだ、ああして、書いているあの人の方が、まだマトモですよ!!』
【そう、そうやって討論を投げかける店番の人がいたからね】
【君も、まぁマトモよ? 言っている事は、概ね正しいからね――】
『……』『……』
『……』
『……他には?』
『ああ、他には、あいつに関わった年の11月ぐらいに、あいつん家に電話を掛けた事があるんだが……。
あいつの弟さんに頼んで、その『1回目は外す』ようにしたんだ!
そうやって、『チャンスを逃したのかもしれない』……と『向こうに思わせる』んだ……!』
だから次からは、『そうしたチャンス』があったら、『掴もう』とするだろ!?』
『……』
【『心理的トラップ』!? そう、店番の人は思ったでしょうね】
【実は、ミシマさんに関わった年の11月前、ヨーシキワーカはある夢の内容を見たの】
【どんな?】
【だいたいこんな感じよ?】
【最初は、薄暗い洞穴のなかにいて、金色に発光する牛さんが見えたそうよ?】
【その金色の牛さんからは、そうしたチャンスの光る綱がいくつも見えたそうよ?】
【でもね、ヨーシキワーカさんは、そうした紐を取ろうとしても取れなかった】
【焦った牛さんは、これでもかと言わんばかりに、そうしたチャンスの光る紐を、たくさん伸ばしたの】
【で、段々と薄暗かった洞穴も、赤くなってきて、洞窟の奥から、光が見えたの】
【金色に光る雄牛さんは、がけっぷしで慌てて、転がり落ちて行ったわ……】
【ヨーシキワーカさんも、洞窟の抜け出して、ホールが見えたの】
【崖伝いに滑るようにして降りて行って――】
【いくつもの、肌を焼き焦がすような、焔(ほむら)が上がっていたわ。口元を塞いで、その場へ足を運んだの】
【金色の雄牛さんも、息も絶え絶えで、絶命間際だったわ……】
【ふと、後ろに気配を感じ見やると】
【お父さんと弟君がいて、手に持っていたのは、お金だったわ】
【まさかとおもい、牛さんの目を見ると……涙を流していた】
【片に手をかけてきたのは、青白い彼女の手だった】
【どうするの? そう、語りかけられたらしいわ】
【……考える事、数秒の出来事、眼を開いたヨーシキワーカさんは、自分のものになるはずだった金を、その雄牛に返したの】
【そこからは一変して、青白い光の柱が立つの】
【夢の中で、彼女が歌声を謳っていて、それは願いのようにも見えた】
【それが自由の解放】
【ふと目を見やると……、父と弟を象っていた偶像は、まるで燃える灰、崩れ落ちる砂のように、その形を失っていったわ……】
【守護霊の彼女は、微笑みを浮かべ、その手を差し出すの】
【ヨーシキワーカさんも、その手を取り合って】
【そこからは……】
【? どうしたのクリスティさん?】
【そこからは未解明よ】
【え?】
【夢が、途中で覚めちゃってね……。その後、どうなったかは、わからないわ】
【だから、ヨーシキワーカさんは、そのすべての総合判断は、周りの人達に委ねるそうよ?】
【まるで、謎、問答ですね……】
そう呟きを零したのは、シャルロットさんだったわ。
(当時のヨーシキワーカさんの心境は、あたし達にも推し量れないほどの境地にあったのかもしれないわね……)
(それとも守護霊(彼女)の意思かしら……)
(それとも――)


『――何バカやってんですか――ッ!!? その弟さんも!! あんた達も!!』
『我ながらそう思う……』
『あぁ……』
『そうしたチャンスの話を見せびらかせるから、あの人は今まで就職できていないんでしょうが!!! ゼーンブあんた達の責任ですよ!!!』
『そんな事あんたに言われんでもわかってる!!』
『ハァ、どうだか……。どうせ逃げるに決まってる!!』
『逃げるのは無理だ……ッッ!』
『何だってまた……!?』
『向こうの恐い親父さんに、『握られてる』……!』
『へっ……!?』
【それは謎の案件だったらしいわ】
【でもね、大ぴらにするわけにもいかないのよ? そうした人達の動きがあって、困る人達も中にはいるからね?】
【それにこの事を掘り下げていけば、ヨーシキワーカさんは、何もその事を知らないんだからね――】
『――ハァ、ミシマ……』
『あ?』
『もう、お前、この電気(業界)に帰ってこんでいいぞ!?』
『……グッ』
『俺から、向こうの会社に取り次いでやる! ……良かったな! いい引き取り手がいて!』
【ミシマさんは、そうした事があって、イリヤマ、ライセン達と一緒に、ヨーシキワーカさんが、昔務めていた会社へ送られる事になったそうよ――】
『――俺は会社を興したんだぞォ!? 言うなれば会社の代表だぞッ!?』
『そんな事知った事か!! 畳んで向こうへ行けッ!!』
『クソッ……』
『あぁ……何でこんな事になるんだよォ……もうッ!!』
【苦く、困惑した面持ちで、悔しむ顔のミシマさんにその長男君がいたそうよ?】
【怪しい男性の人は、こうも怒鳴り声を上げたんだとか――】
『そこを動くなよミシマ!!! 今からそっちへ行っていって、どういった機材を使っていたのか取押えてやるんだからな!!
だから、そこを一歩も動くなよ!! わかったな!?』
P……
『ま、また同じことを……?』
【不意に思う店番の人がいたそうよ?】
【でもね、話の流れとそーゆう心理的要因も働いていて、なかなか人は、前言った言葉とは違う言葉を言えないものよ? そうしたものなんだから……】
【そして、その怪しい男性の人は、そのミシマさんと繋がっていた電話回線を切ったの】
【でもね。まだ、宙に浮かぶエアディスプレイ画面は、生きていたそうよ?】
【次に電話をかける相手が、いたってことなのかしらね――】
『――……なんだ意外と簡単な事じゃないか!? ……何であいつは、こんな簡単な事もできないんだ!?』
『……それはあの人が、ここまで書いてて』
『!』
『それをあなた達が見たからじゃないですか!?』
『……』
『あの人の手柄のようなものですよ?』
『……そんな事、お前に言われんでもこっちもわかってる!』
『ハァ……ホントにわかってんのかなぁ~!? ……次はどちらへ!?』
『あいつが昔いた、向こうの大きい会社だ!』
『あぁ、あの……!?』



【昔の会社 総務部】
PPP……PPP……
とその怪しい男性の人は、エアディスプレイ画面をタッチして、向こうの会社の人へ繋げるのだった。
『……はい、こちらはパン会社です! ……あの誰ですか!?』
『そんな事はどうだっていいだろ!? あんたに答える必要もない!!』
『ハァ……!?』
『今ミシマとの話がついたばかりだ!!』
『えっ!? み……ミシマさん……!? ってあの……!?』
『あぁ、そうだ! この一連の騒動の原因になっている奴だ!! そっちの方の箱洗いに問題になっている2人がいるだろ!?』
『え……ええ……』
『その2人は能力がないんだろ!? だからそこまで、あんた等の所の売り上げ利益が落ち込んだんじゃないのか!?
ここまでの原因になったのは、そいつ等じゃあないのか!?
そんな2人、もうそこから追い出したらどうなんだ!?』
『いっいえ!! そうは言いますけどね!!
そのうちの1人は、長らくうちの会社で働いてくれている人で!
フツーの人は、ここまでやってくれてなくて、もう辞めている人の数が多いぐらいんですよォ!?
それ、わかって言っているんですかあなたァ!?』
『そんな事、こっちが知った事かァ!!!』
『ッ!?』
『代わりに……今から『例の2人』を謝りに行かせる!! そちらでいい値の高い金で雇い直せ!! 能力はそいつ等と違ってある方だからな……! 後は言わなくてもわかるな!?』
『ちょっと待ってください!? その2人ってまさか……ッ!? あの人ミシマさんじゃ……!?』
『あぁそうだ!! ……『今ここから見える位置にいる』あいつは、俺たちの方で考えて、高い金で引き込んで置く!! ……良かったなぁあんた……!』
『もう何でこんな簡単な事なのにィ……あの子が手に入らないのよォ……!?』
『そんなの知った事か……ッ!!』
『あっ、待っ……ブッツ――』
P……
とその怪しい男性の人は、パン会社に繋がっていた電話回線を切るのだった。
だが、そのエアディスプレイ画面は宙に浮いたままだ。
次の操作を待っていた。


『……手早いですね……』
『フッ、まぁな……』
『でもいいんですか……? 向こうの女の人、まだ何か言いたそうな感じでしたよ!?』
『フンッ、知った事か……!! ここに着ていない、そもそも電話伝いなのが悪いんだ!!』
『そうしたものなんですね……』
『あぁ』
(そうしたものだ……! 誠実性の欠片もない……!)
『……次は誰に!?』
『この問題の渦中になっている、ボイラーマンだ!!』


★彡
PPP……PPP……
とその怪しい男性の人は、エアディスプレイ画面をタッチして、向こうのボイラーマンの方へ繋げるのだった。
『……何だ!?』
『お前だなボイラーマン!? ちょっと失礼するぞ』
『……は?』
『お前のせいでこんな事になってるんだろうが!!
ちょっと前に、俺たちの知り合いがそうした現場に言ったら何だ!? 簡単な事じゃなかったんじゃないのか!? 
何であんな簡単なものを見逃すとや!!? ホンに信じられんぞ!!』
『は!?』
『は!? じゃねえだろ!?
何だってあんな簡単な事ができないんだアンタはッッ!!?
そのせいで、あの先生達2人がお前等のところに行ったんだぞ!? こんなの周りでも許してくれん!! どうしてくれる!?
そんな事はなぁ、あいつが辞める前にそうした声を事前に上げていたんなら、お前がちゃんと聴き取って、それを掃除しておけよ!!
わかったかバカ!!』
『ちょっ!? お前ホント誰なんだ!? こんな電話番号知らんぞ!? ブッツ――』
P……
とその怪しい男性の人は、パン会社に繋がっていた電話回線を切るのだった。
だが、そのエアディスプレイ画面は宙に浮いたままだ。
次の操作を待っていた。


『――ったく!!』
『うわぁ……こんなにも一方的なんだ……』
『フンッ!! あんなとこなんだ構う事ぁねえよ!!
それに、あんだけ出してくれるってことは、そうした蓄えがあって、まだ大丈夫なんだろ!?
……まぁ、そうした被害に被るのは、決まって、何も知らずに今も下で働いている連中なんだがな……、……どこも決まってそうしたもんだ。
……まぁ、周りの会社(ところ)は、そーゆう訳にもいかねーがな……』
『そーゆうものなんですね……?』
『そーゆうものだ』
『……次はどちらへ?』
『あぁ、もう1人の女だ!』
『あぁ、あの人……んっ……!?』
『どうした!?』
『言えなんでも……気のせいかな――!?』
『……あいつのそうした動きの変化は!?』
『まったくと言っていいほど、見られませんね』
『そうか……』


PPP……
とその怪しい男性の人は、エアディスプレイ画面をタッチして、ヨシュディアエへ、電話を繋げるのだった。
『――……どうした?』
『車がもう1台……』
シュイーン
それは、外から聞こえたものだった。
『――あぁそれは多分、電話で気を使わせてくれたもう1人の仲間だ』
『えっ!? まだいたんですか!?』
『あぁ、そいつは後で、確認用に遣わせる!』
『……抜け目がないですね……』
【その時だったそうよ?】
【向こうから、本性丸出しのヨシュディアエが声をかけてきたのはね――】
『――誰よアンタ!? こんな時間に、あたしに掛けてくるなんていい度胸してるわね!?』
『この人が……?』
シッ
『……』
【シッ、と口元に人差し指を当ててね、注意をかける怪しい男性の人Bがいたそうよ?】
【それは黙ったまま聞いておけ……という暗黙の了解だったそうだからね?】
【そして、その電話回線を通じて、エアディスプレイ画面から、あの女の声が聞こえてきたそうよ――】
『――……誰かって聞いてんのよッッ!!? こっちは今(お風呂から)上がったばっかりなんだからねッッ!!』
(恐っ……!?)
『それが本性か……』
『ああんッ!?』
『……ミシマの奴が全部吐いたぞ!! 今さっきな!!』
『………………え……ミシマさんが……!? ……あんたに何でよ……!?』
『フッ……』
【急転直下の思い……】
【事前にヨーシキワーカさんの手掛けていたまだ未公開の状態のメモ帳を、ハッキングしていた面子は】
【どうあっても言い逃れのできない立場にあったの】
【窮地に立たされたヨシュディアエがいて、ヨーシキワーカさんのマイハウスと様々なところで騒ぎを起こしていたもんだからか……】
【その立場は、酷くマズい……】
【それは例えるなれば、容疑が掛かった加害者の首元に、御用の縄が掛けられている状態だったの――】
(ここ意外にタイミングはないな……!)
小さく頷き得た怪しい男性の人Bは、そうしたチャンスのカードを切った。
俺は、エアディスプレイ画面をタッチして、それを横にいる店番の人に回す。
『! ……その話は、自分も横で聞いてましたよ!』
『ちょっ!? あんた誰よ!?』
エアディスプレイ画面が、また移動する。
『そんな事ァ、あんたにはどうだっていいじゃねえか!?』
『どうだって良くはないでしょ!? どうかってこっちは聞いてんのよ!!?』
『聞いたぞお前……』
『……』
『お前等2人で、『昔散々盗り立てていた』みたいだな……『隣の奴が証人』だ!!』
『自分も、その話を横から聞いてました!!】
『ちょっ誰なのよ――ッ!? そいつはァ!? そんな奴の声知らないわよ!?』
『フッ……さあな……!? そんな事わざわざお前等に教えてやるもんか!? ない頭でせいぜい考えてみるんだな!?』
『ちょっ……クゥ~……ッ』
『……お前等も、もう終わりだな……』
『終わり……、……ですって……?』
『あぁ、そうだ……もう終わりなんだよ……。散々周りから盗り立てて、もう充分私腹を肥やしてきたんだろ……年貢の納め時ってやつだ……』
『……』
『……どうした? ずいぶんしおらしくなっちまったんじゃねえのかー!? あんたにしては珍しいな?』
【そこからはね。まるで空気が一変したそうよ?】
【本性を暴かれたヨシュディアエは、女の最大の武器……!】
【そう、自分の肢体(からだ)をトレードに、引き合いの場に出してきたの……!】
【どんな男も、所詮は狼男同然だからね?】
【魅惑的で、煽情的で、肉欲的にそそるこの体なら、どんな男もイチコロよ? そんな風に思っていたみたいだわ――】
『――フフン~♪ いい男発見~♪』
『ンッ!?』
(何だァ!?)
妙な様変わりっぷりだった。
『ねぇ、そこにヨーシキワーカ君いる~ぅ!?』
『……』
『いるにはいますが……あの人ずいぶん、ここから見て奥まったところにいますよ!?』
『あっやっぱりー! そうなんだぁ!? フ~ン……だと思ったわ!』
『……』
『ねえ、あなた!』
『あっ?』
『……あたしと付き合わない?』
『……』『……』
はっ……!?
【店舗内にそんな声が反響した気がしたそうよ?】
【そこからはね、電話口から、女の色華を使って『懐柔を試みる』ヨシュディアエさんの姿があったわ――】
『こう言っちゃなんだけど、あたし結構胸が大きいわよぉ~!?
自慢じゃないけど、あなたもあたしのような女を掴んだ方が、『ステータスが上がる』んじゃないかしら~!?』
『『ステータス』と来たか……! それは魅力的なお誘いだな……!?』
(真の狙いは、そっちか……!?)
『そうそう、こんなにいい話はないでしょ~!?
あたしを掴めば、『いい出世人生』をあなたも歩めるようになるわよぉ~!?
あたしの方からも、周りの方にそうしたいい話で取りつけでさぁ~! ねっ!?』
『『出世』かぁ~~……それは『男のロマン』だなぁ……』
『そうそう♪』
『……あんたみたいな女と連れ添って歩く人生かぁ……それもなんか悪くないなぁ?』
『でしょお~!? ヨーシキワーカ君みたいな『情けない男』の人よりも、『漢義のある』あなたに惚れ直しちゃったわ♪』
『……』
【鞍替えか……俺たちは馬か……何かか……!?】
【安く見られたものだ……仕事におけるプライドをッ!】
【それは仕事におけるプロフェッショナル精神を汚されたに過ぎないのよッ!】
【ヨシュディアエはね、職業安定所職員としての面子(めんつ)も誇りも体裁(ていさい)も履き違えたのよ――】
『――ねっ!? だから~~こんないい話はないでしょ~!?
言っちゃなんだけど、あたし脱いだらすごいのよぉ!?
もうこの肢体(からだ)を、あなたの好きにできるんだからぁ!? 2人で気持ちいい事やらな~い♪』
『……そうか、脱いだら凄いのか……』
『そうそう、脱いだら凄いんだから……♪
どんな男も、あたしの肢体(からだ)を一目見たら、もう夢中になって、鼻の下を伸ばすってものよ!?
どう!? あたしと付き合う気……してきたんじゃな~い!?
あなたなら、特別に気持ちいい事してあげるわよぉ!?
何回でもこっちは、抜いてあげるしぃ……♪
気持ちいぐらいにこの胸で、逝かせてあげる♪
ちょっとそこにある娘(こ)達のように恥ずかしいけど、あなたの大っきくなったあそこを挟んでも、やらせてもあげる♪
そこにいる情けない彼と違ってねぇ~……!?』
『……』
『……』
【――ハァ……。その怪しい男性の人も、店番の人も、その『魔性の女』『ヨシュディアエの本性』を聞き、その顔を冷徹に張りつめたそうよ……――】
『――……そうか――それは随分と気前のいいお誘いだな……!』
『でしょ~~♪ フフフ♪』
『……だが残念だったな』
『えっ……!?』
『今、俺の方に、今付き合っている彼女がいて……、まだ彼女の方が素直なくらいで、とんでもなく胸の大きいあんたなんかと比べて……信じられる!!』
『……え……!?』
『あんたは最後は騙すからな……今までそうやって騙されてきた奴等の身内は知ってる!!
あそこでそうした騒ぎがあっていた事も知ってるしな……小説で!
それにあんたなんかと比べて、まだ若くて可愛いしな!!』
『え、え、えっ……えっ……!?』
『随分と気前のいいお誘いだが……『キッパリ』とお断りさせてもらう!』
『ちょっちょっと!?』
『んっ!?』
『言っちゃなんだけど、その彼女さんの方が小さいんじゃな~い……!?』
『あぁ、それはあんたと比べれば、揉み心地加減は物足りないだろうなぁ……』
『で、でしょ~~!? その女なんかと付き合うより、あたしと付き合った方がいいわよぉ~!? う~んとサービスして上げるんだからぁ特別にぃ!?』
『特別ときたか……さぁ、どうしようかな……これは、迷うところだ……』
『フフッ、でしょぉ~~!? 物足りないんでしょぉ~!?
その可愛い彼女さんにはできない事でも、あたしなら好きにできるのよぉ!? プレイだって……そうした大きさがあった方が、
あ・な・た・の好きなように……うふっ♪
熱~い夜になるんじゃないかしらぁ~!?』
『……今、必至だなあんた……?』
『………………』
『ハァ……それでも俺は、彼女の方がいい……、……可愛いしな……!』
『……』
【その言葉を失ったそうよ? そして脳内では、ガ~~ン……!!】
【それは、女の意地とプライドをかけた、言葉賭けによる心理戦だったけど、色香はとうに散ってたの……】
【花びらの無い花、散った花、その様はまさしく、『落花(らっか)』……!
花は咲かせても、身を結ばない様、それはまさしく、『むだ花』】
『………………』
『フッ……』
【そこにはね……女という定義は、もうなく】
【特殊集団詐欺事件の詐欺女と連れ添って歩くか?】
【それとも一般人のまだそうした可愛い彼女と連れ添って歩いた方がいいという】
【そうした一般社会人としてのマトモの差が伺えたのよ!】
【そしてね。こうも付け加えたそうよ――】
『――それに今のあんたの言葉を聞いて1つ、確信した!』
『……えっ……!?』
『ずいぶん、歳取ったものだなぁ~~あんたでも……あからさまじゃねえのか!? さすがにぃ……!? 姉ちゃん? 今どんな顔してんだ!?』
『〇×△◇ピィーー』
『……プッ、失礼……!』
『クックックッ』
【ヨシュディアエが何て言ったのかまではわからなかったけど……皆様の想像にお任せするわ?】
【だって、その方があれこれ考えて、面白いでしょ? クスッ】
【クスッ、それはアヤさんの怪文書からの引用ね?】
【フフッ】
【クスクス――】
『――ずいぶん歳だけ喰っちまったものだなぁ……!? あんたでも、もう長くないんじゃないのかさすがに!?』
『……』
『もう、ただのおっぱいが大きいだけの歳取っただけのおばちゃんじゃねえのか!?
聞いたぜ! 無理なダイエットがたたって、縮んで! 垂れて! しかも、しぼんだって!』
『プッ、上手い!』
『……失敬なッ!!!』
『!』『!』
『あんた何様のつもりよ!! こうも電話口からこっちが下手になって出ていればいい気になって!! ちょっとこっちにきて、その顔を出しなさいよ!!』
『ああ、出してやろうとも!!』
『えっ……!?』
『今日は日曜か?!』
『うん』
『なら明日の朝から、俺の可愛い彼女さんを連れてお前のところに顔を出してやるよ!! だから、そこを動くんじゃないぞ!? 周りの職員にも繋いでやる!!』
『~~ッ!!? あぁ……ッもう何でこんな事になんのよォオオオオオ!!!』
P……
とその怪しい男性の人は、ヨシュディアエさんに繋がっていた電話回線を切るのだった。
そして、その宙に浮いていた顔の見えないエアディスプレイ画面も、
フッ……と消えるのだった。
【ヨシュディアエは知らなかったからね……】
【『過度な』ダイエットをすれば、まず最初に胸から、脂肪が燃焼して減っていく事を……!】
【そして、目安となる食事制限は、動物性たんぱく質などを適度にバランスよく食べて、身体に脂肪を付けないというものよ!】
【脂肪とは言ってみれば、過剰摂取量の余剰分に当たるものだからね……】
【一番最初にお尻からついて、最後に胸に脂肪が乗るようになるのよ!? 知ってた!?】
【……あの娘(こ)はね】
【20代の若かりし頃は、まだ素直だったからこそ、ぱっつんぱっつんの超爆乳のNカップだったの!】
【だから、脂肪を蓄えようとする『白色脂肪細胞』が、適度なバランスで多い娘(こ)だったのよ!】
【でもね……。年齢的なものやストレス的なものもあって、知らずのうちに『褐色脂肪細胞』が増え始めたちゃったからね……】
【心と体のバランスが大事なの! うん! 心理的な要因も加わるのよ!】
【白は蓄えて。茶は燃焼して脂肪を燃やすから、後は減っていくだけ……】
【この当時の見た目は、Iカップぐらいで! 脱いでもせいぜい、Jカップぐらいかしらね……!?】
次いでアユミちゃんが。
【Nカップの人が、そこまで落ち込むんだ……。年齢的なものと過度なダイエットで……ハァ、現実は欠くも儚いな……】
【言えね、ヨーシキワーカさんが語るには、ダイエット傾向は、実は複数回見られていたそうよ?】
【たまたま、ミシマさんの所へ行く前が、その成功例だっただけよ!】
その頃、アユミちゃんの斜め後ろで、スバル君は指折り数えていたのだった。
ABCDEFGHIJKLMN(約13)。
4カップサイズダウンの約10㎝である。見た目はそれ以上の被害だった……。
実際、グラビアアイドルにも、こーゆう方は実在している。
当時、Iカップのおっぱい番長という異名を取り、世の男性陣の心を鷲掴みにした方だ。すこし健康的でぽっちゃり体型の方だったりする。
その人は、ある事がキッカケで、TVメディアや新聞・雑誌・人噂などでバッシングを受け、干されたグラビアアイドルだ。
1年間の間に激やせし、そのおっぱいは見る影もない……。
IカップからEカップまで、4カップもサイズダウンしていたのだ。
非公式だが、Dだったりもする。本人の見栄か? 公式上の申し訳なさか?
本人はダイエットが楽しくて、やり過ぎましたと、語っていたが……落ち込み加減のその顔がどこか哀愁を漂よわせていて……。
自身のそうした自己同一性(アイデンティティ)とも存在証明ともいう。そうした唯一無二の自己主張(アピールポイント)を永遠に失ったわけだ……。
人の噂とは、かくも恐ろしいものだ……。
そうとは何も知らず、アユミちゃんは、こう活声する。
【あっ……なるほど……――】
と。
『――……勝っちゃった……それも3回も……』
『ハァ……見てただろ?』
『ええ……』
『よしっ! お前が証人だからな! この事を周りに報せるんだぞ!!』
『……わかりましたよ……』
『何だ浮かないな……?』
『あの人、結局……こっちの方に着ませんでしたね……』
『あれだけやっても出て来ないか……。……やっぱりこれは、どんなに騒いでも、こんだけ離れていれば、聴き取りにくいか……』
『自分でも、あんだけ離れていれば、聴こえないと思いますよ?』
『やっぱか……』


★彡
カララ~ン♪
【その時だったそうよ? 同じ仲間が入ってきたのはね――】
『――どうだった?』
『……』
フルフル
【そこにはね。首を左右に振るわせる怪しい男性の人Bがいたそうよ?】
【入れ替わりで入ってきた人を、Cとしましょうか――】
『――……そうか……』
『この人は?』
『あぁ、俺の知り合いの者だ! ……ちょっとは期待したんだがな……!』
【俺はあっちにいる、ヨーシキワーカ(あいつ)の後姿を伺う】
【そうした様子の違いの変化は、結局は見られなかった……】
【気になった商品を手に取って見るか、その場での移動程度だ……こっちに一度気になり、やってきた素振りは、一度だってない――】
『こんな事になるなら、そう思って、あっちで試験的に試しておけよ……?』
【そう、愚痴を零す思いの怪しい男性の人Bがいたそうよ?】
【そして、その人は酷く落胆する思いで、出入口のドアの取っ手に、手をかけたの】
【その時、店番の人が声をかけてね――】
『――どちらへ……?』
『あぁ、ミシマの所へ行くんだよ』
『……この人は?』
『見張り人』
『あぁ、そーゆう事!』
【簡単な質疑応答だったそうよ!】
【そして、こうも注意の言葉をかけておくの――】
『――この話があったって事、くれぐれもあいつには黙っておくんだぞ!?』
『……わかってますよ……』
『えらく素直だな!?』
『いえ、さすがにこんな事……。こっちとしても訳がわかんなくて、上手く回りの人達に説明できませんよ!?』
『それもそうか……。じゃあ、くれぐれも言っておくが……!』
『!?』
『今日あったこの日の出来事を、家族の中で話すことや、食事中の時に話すこと! また、この街のどこかの誰かに話すこともダメだぞ!
こっちはそうした動きがの流れの変化がわかるんだからな!? どこかで目を光らせているんだからな……!?』
『それはあなた方の仲間がですか?』
『そうだ!』
(良く言う……。身内間のそうした親子関係の闇子や、お母さんや姉妹辺りを取り次いでの女性網のクセして……)
『ハァ……』
『当然、今あそこにいるあいつに話すこともダメだ!! んっ!? どうしたんだ!?』
『いえ、何でもありませんよ……』
『……いいな!? 確かに注意したぞ!?』
『……それはもしかして、あの人が聞いてたかどうか、確かめるためにですか!?』
『……』
『……いいですよ、わかりましたから。こっちには後ろめたい事、何もありませんからね……!』
(自分が何も言わなければ、そうした話の実証性が取れるんでしょ!?
まぁ、逆に、あの人が偶然にも、この話を見聞きしていて、あの小説の中に記したならば……、……その時、自分は……!?)
『何だ、意外と素直だな……!? 何かあるんじゃないのか!?』
『ハァ……何もありませんよ……。自分だって、今のやり取りを事細かに、あの人に伝えられる自信はないんですから……』
『その話を、信じるに値する根拠は!?』
『ムッ……さっき言ったでしょう?』
『………………』
『………………』
『それもそうか……』
『……』
嘆息する店番の人がいたのだった。
『……あいつが、この事を、小説に書く可能性は?』
『ないでしょう? さすがに……? そもそも何も聞いていないんですから……』
『それもそっか……』
『……』
【とここで気になっていた怪しい男性の人Cは、こう言葉を投げかけたそうよ――】
『――……あいつが、一度はこうして、こっちに着た『形跡』は……?』
フルフル
【首を左右に振るわせる2人がいた】
【怪しい男性の人Bは、落胆の想いで】
【ちょっと目を瞑り加減で、ちょっと首を動かした程度だった】
【一方、顕著だったのは、店番の人だ。ほとんど何もやっていないからか】
【多少なりともそうした元気があって、それは左右に首を振るう動きにも、そうした変化の違いが見て取れた】
【その中の1人、怪しい男性Bは、入れ替わりで入ってきている以上】
【その形跡をすべて知っているのは、ここにずっといた店番の人だけだ】
【この人が、そう言うなら、まぁ間違いない事実だろう――】
『――……そうかそれならちょうどいい。このままあいつには黙っていろよ!?』
『……』『!?』
『ここにいる、俺たちだけのヒミツってわけだな?』
『自分もその方が、こっちとしても都合がいいと思います。何より助かりますし……』
(こんな話、周りの人達にどう説明していいのか、こっちとしてもわかりませんし……説明の仕方がわからない。上手く言えるかなぁ~!?)
『……よし、決まりだな!』


★彡
【ヨシュディアエからミシマさん宅へ、一報が入る】
『ちょっとミシマさん!! これ一体全体どーゆう事よ!!?』
『……ッ、こっちでもどうしていいかわからん……!!』
『ハアァ!? 何言ってんのよアンタは!!?』
『……』
『ハッキリしなさいよもうッ!!』
『……ッッ』
【簡潔に言うとね……。ヨシュディアエさんはその後、ミシマさんに事の次第を聞けば】
【どこの営業店舗だったのか判明するはずなのよ!?】
【……でも、心を隠れ忍んで、こーゆう狙いがあった……】
【もしかしたら、あの兄の方から、弟さんの方へメールを送り、何らかの変化があったのかもしれないと……!?】
【そーゆう期待の兆し、変化が、心の片隅のどこかにあった……】
【ミシマさんの心境の変化としてはそんな処かしら?】
【……続けて、ヨシュディアエ、その人の心境の変化でも語りましょうか?】
【このまま、おめおめと引き下がれないからね……!? こっちにはそうした意地とプライドがあったんだから……】
【最後の婚期を逃した、そうした女のプライドと自尊心の塊だったって所以(わけ)よ!?】
【だから、執拗に仕掛けたの……!】
【そうした感情が滲んでいて、散々と言っていいほど、イリヤマ先生達やミシマさん達と一緒に、ヨーシキワーカさんの希望求人を堕としていたんだからね……】
【ヨーシキワーカさんが、気づかないとでも思った?】
【お生憎様、実はね……ちょっとした人の噂話が上がっていたのよ!】
【それは、同僚の職員さん達を通してのものだった……。さりげない愚痴を聞いて、さしものヨーシキワーさんも、ついに堪忍袋の緒が切れたわけよ!】
【つまり、隠しても無駄だった……って理由(わけ)ね!?】
【……まぁやましい事があって、事実の確認のために行くかどうかだけど……その恥ずかしい書店に】
【職業安定所の職員だしね……。せいぜい、人を遣わせるってところかしら? ……クスッ】
と笑みを浮かべるクリスティさん。
続けて、サファイアリーさん、エメラルティさんが、こう続けるのだった。
【ホント、良くそこまで読んでたわよね……? ヨーシキワーカさんの考察……敵に回すと恐いわ……】
【一部では、『ヨーシキワーカの考察』はレアカード扱いだしね……』
とこれを聞いた恵アヤネさんが。
【カード化までなってんの……その人……!?】
【【【うん……】】】
【ハァ~……】
頷き得る美人三姉妹。
これには思わず、重い溜息をついちゃうアヤネさんがいたのだった……。
続く一言は。
【しかも、あの人に続き、ヨシュディアエ、ミシマ、ライセン、イリヤマもカード化よ】
【もちろん、AIナビもね……】
【なによりもキツイ制裁措置が下されたわ……!】
【マジか……!? ハァ……】
これには恵ミノルさんも、気が滅入るばかりだ……。


★彡
【自分が何も悪い事をやっていないから、何も気にする必要がない】
【――そして最後に、結局買うものがなかったヨーシキワーカは、カウンター近くまで足を運んできた】
『……』
【その時だった。店番の人から、こうした声が掛かってきたのは――】
『――……あっ! やっと、こっちにきたぁ!? 意外と長かったなァ!?』
『んっ……!?』
【ヨーシキワーカ(私)が何も知らずに、その店番の人の近くを通りかかると――】
『――ハァ……』
『?!』
【店番の人は、なんかスゴイ落胆した思いの気持ちで、手をばしてきたんだ】
スッ……
【それは、私の肩から肘にかけて触れようとしたものだったが……触れるか触れないかの位置だった。……接触は、何もしていない……――】
『――ようやく、勝ったんだこの問題に……ッッ! ……どうしてか……!?』
『!?』
【店番の人は、私にかかっていた容疑のすべてを知らない】
【そのどうしようもない問題に伴うすべての事柄・事象・経緯・いきさつ・騒ぎも何も知らない】
【あくまで、人に見聞きした程度の情報ソースだ――】
『――周りのみんなで、一部のそう言った人達から、この人を護んないと……!!
ようやく、このどうしようもない問題に初めて勝った、人なんだから……!
貴重も貴重な一勝だ……! ようやく……』
『???』
【そこには、訳がわからない私がいたのだった】
【後ろの方で、何かうるさいなぁ……と感じる、その程度のものだ】
【何かおかしいなぁと思いつつも、私はここで何も悪さをした覚えもないので、この人から視線を切り、遠ざかっていく】
【その時だった。また、私の後ろからそうした声が掛かったのは――】
『――はっ!? 『自分が何も悪い事をやっていないから、何も気にする必要がない』!!? 要はそーゆう事か!?』
『……!?』
【首を傾げる私。何のことだろう? と怪訝に思いつつも、出入り口に向かって、一瞬だけ止まっていた歩みを、再開させるのだった】
【そのまま遠ざかっていく――】
『――ホントに、あれ、聴こえてなかったみたいだぁ……』
【そんな呟きが聞こえた】
【まだ店内には、そうした怪しい男性の人Cがいて、何かを伝えようとしている店番の人がいたのだった】
【その怪しい人は、そうしたジト目を、私に送っていたのだった】
【怪しい男性の人は、アイコンタクトそうした顔つきの表現で、店番の人を見てきて、利き手を振って、そのサインを店番の人に伝える】
【それは、『お前は黙っていろよ』というものだった】
コクリ
【頷き得る店番の人】
【その動向をチェックした怪しい男性の人は、ヨーシキワーカの後姿を付ける】
『……』
【ヨーシキワーカは、出入口のドアに手をかけて、そのドアを開けて、外の世界に飛び出すのだった――】

カララ~ン♪

『――どうだった?』
『……てんでダメでした……あれ完全に聞こえてませんでしたから、無反応でしたよ? 自分がその証人なりましょうか?』
『やっぱダメかぁ……何でだ? ハァ……。この先、あいつ思いやられるぞ……!?』
『そんなにですか?』
『あぁ、そんなにだ……! とんでもない鈍感ぞ、あいつ……!?』
(あんた達まだ気づかないの? そのどうしようもない問題は特殊集団詐欺で、あんた達は単に騙されていただけよ!
まぁ、言ってもわかんないか……!
お兄ちゃんはね、気づいていようが、気づいていまいが、どうでも良くて、
ただ単に、周りがおかしな具合になるように、変な騒ぎを自発的に起こしていた人達がいるだけよ!
もうわかるでしょう? イリヤマ先生、ライセン先生、ミシマさん、ヨシュディアエさん。
そして、昔の会社の人たちが、お兄ちゃんの気を引こうとしていただけよ!
……関わるだけ、時間の無駄、ってやつよ!)


カララ~ン♪
『お大事に……』
【怪しい男性の人Cが、ヨーシキワーカさんに続き、外に出て行ったわ】
【中にいた店番の人の、そうした声が聞こえたんだから】
【その頃、ヨーシキワーカはね。停めてあったバイクに近づき、ヘルメットを頭にかぶっていたそうよ】
【そこで、2人がすれ違違ったの――】
『――ハァ……こんなの周りにどう説明すればいいとや……!?
このままじゃ、あの講師2人、あの会社から出てこれんぞ……!?
こんな問題、どうすればいいとや……!?』
【そこには酷く落胆し、肩を落とす思いの怪しい男性の人Cがいたそうよ】
【疲れ切って、意気消沈した顔で、仕事疲れが顔ににじんでいたわ】
『?』
トボトボ……
【帰路に向かう、その足取りは重く……】
【そのメインストリート沿いを歩いていけば、確認用に遣わせた後の仲間達が、後で自分を拾ってくれるからね】
【そして、こうも愚痴を零していたそうよ――】
『――何でだ……!? こっちは『知り合いの警察官』を通して、こんなに捜査してるって――のにィ……!?
このアヤってやつは、どうやっても見つけられないぞ!?
ホントにこの街にいるのか……!?
……。
どうにかしてこいつに会って、何とかしていい感じの話に見立てて、協力的に、俺たちに付き合ってもらわないと……!?
こいつに、金を後で盗り立てるって事は、後でできるんだ!! どうとでも……!!
今はこっちの問題を、先に解決しないと……!!
……周りの奴等は許さんって言ってるし……
……。
何で見つけられないんだ……!? こんな奴1人……簡単な事なのに……!?
こっちは実際の警察官、顔負けの捜査を、周りの奴等に取り次いでまわってやっているってーのに!?
結構前から、こいつを見つけ出してやろうと、躍起になってるんだぞ!? どうしてだぁ!?
……わからん……。
この先、いったいどうやっていけば……!?
『周りをどうにかして誤魔化さないと』……!? 『問題事で済ませられんぞ』……!?
あの講師2人だって、あそこから一生出られんぞッッ……もう……ッッ!?
……何でこんな事になっとや!?』
(……)
冷ややかで、蔑むような、ジト目を送る守護霊(彼女)がいた。
(良く言う……言うわね……。こっちはある程度読んでるのよ……!
あんた達が、学校や、会社や、職業安定所からの委託の話を受けて、取り次ぎ上の案件が着てたんでしょ!?
もう、容疑者候補に挙がっていたって事は、こっちは知ってるんだからね……!
まぁ、さしずめその手段は、電話局、基地局、電波塔などを介して、
うちの御兄さんの携帯に侵入して、位置情報システムを探ってたぐらいかしら……!?)

【まぁ、意外な盲点でね。『ウェーブグローバル』『位置情報』は、当然として。
他には、『Bluetooth(ブルートゥース)』『モバイルデータ』『アクセスポイント』『メールアカウントなどの追跡』などがそうね!】


★彡
【防犯カメラセンターの委託の請負をしている以上、必ず誰かがいて、横から覗き見る事は可能。それがハッキングだ】
そして、その頃店内では――
『――ハァ……今日は、ちょっと色々あったなぁ……。
あの人からは、周りには黙っているように、言われているし……。
こんな話、身内にも、他の誰にも、話すな!! って念を押されるしな……。
あの人、そーゆう事は、こっちでもわかるんだぞ!? 釘も差してきたし……』
ハァ……
【そこにはね……重い溜息をつく思いの店番の人がいたそうよ?】
【長時間にも及ぶやり取りのうち、こうした抜け落ちも、当然ながら比して起こりうるからね……】
【それが念を押して、釘を差しておくことよ?】
【この話を、親に話したり、知り合いの誰かに話したり、街中の誰かに話したりした場合でも】
【こっちはそうした事がわかるんだって、あの怪しい男性の人達の誰かが、それとなく言ってたそうよォ……!?】
【さしものヨーシキワーカさんにも、そう言った抜け落ちは、あったって事ね……】
クリスティさんは、そう告げ。
エメラルティさんが、サファイアリーさんが、こう続ける。
【……でも誰なんだろうね? そう言った事を補完してきてくれた人は?】
【まさか……――】


――その時、店舗の監視カメラが動いていた。
ジ――ッ
『――……そーゆう事か』
【アヤ】
そこにいたのは、嘆きと怒りの仮面を被ったアヤだった。
過去にヨーシキワーカとゲームを通し、いいバトルを通じて知り合った仲だった。
現在は、諸事情により、すべての連絡手段を絶っている為、音信不通の状態。
『後はどうやって、ヨーシキワーカ(あの人)に伝えるか……。……音声はさすがに無理だし……う~ん……』
アヤは、その頭をかくのだった。
だいたいこの時期は、事件解決年の6月ぐらいに当たる。




TO BE CONTINUD……


☆彡おまけ
【まだ見ぬ脅威への備え、その準備】
「フフッ」
「?」
そこには、不敵に笑うクリスティさんがいたわ。
あたし達は何だろうと訝しの? ちょっとその首を傾げてね。
そのクリスティさんが、その口を衝いてこう語りかけてきたわ。
「ヨーシキワーカさんは、自分にできる事は何か? 何が正しいのかを考える人だからね?
自分のように、誰かが不幸になる人生を歩ませたくないから、こうした出来事を書き記し、
後世の人達にどうやって残す形が、一番面白くて、引きつけるかを考える方だからね。
だから、自身のそうした実話話を元にしていて、そこに理想の虚実を加えるような、そうしたアクセント付けをするような人よ!』
「……」
「クスッ……だから、惹かれちゃうのよ。
何とかしてくれるのかもしれない、1番いい話に納めてくれる人なのかも知れない。だから、そうした望みを託せる……!!
だから、自身のそうした恥ずかしい思いは、3の次で!
1番は何といっても、面白いかどうか!
そして、2番が今回の順位付けに当たるの……そう、抑止力よ!!」
「抑止力……」
ヨーシキワーカ氏が、小説の中で大事にしているもの。
第1位:面白いかどうか!?(笑)
第2位:抑止力
第3位:以下で自身のそうした恥ずかしさ……。
「そうよスバル君!」
「!」
その声をかけられた僕は、その人の方へ振り向く。
そこにいたのは、エメラルティさんだった。
「自身のそうした体験談を通して、より多くの方にこうした事があったんだよと知ってもらい、
このどうしようもない問題の危険性を知り、親が子に、教えを諭し、これ以上の被害拡大を防ぎたいっていう願いが根底にあるんだからね!」
「うん」
「そうね」
クリスティさん、サファイアリーさんと、口々にそうした思いを乗せる。
エメラルティさんの説明は、こうも続くんだ。
「人が、人一人死んでいる以上、どこかの誰かが、自分を犠牲にしてまで、抑止力として防ぐのが1番なのよ!!」
「……それが抑止力……!?」
コクリ
「……」
と頷き得るエメラルティさんがいたのだった。
「その後、どうなったの?」
「!」
その声をかけてきたのは、アユミちゃんだったんだ。
エメラルティさんは、その声にこう答えていく。
「あぁ、仕掛け人が用意した、用意周到な共犯者たち、闇子・かけ子・呼子たちが取り次いでまわって、
うちの職員さんが、そんな恥ずかしいマネ、そもそも何もやっていないと、論じたそうよ!?
何もそうした証拠がないしね……。
そして、電話伝いでそうした人達の上司に当たる人達に取り次いでまわって、その口を封じたそうよ?
幾分かそうした口止め料を支払い、理想の虚実に沿って、そんな女は元々、どこにもいなかったってね!」
「「「「「ど……どこにもいない……!?」」」」」
えええええっ何で!? どうして!?
「ああ、それはね……。
ヨーシキワーカさんが、ある時、ファウンフォレストさんにそうした話をした事があって、
『そのヨーシキワーカ君の小説の中に、いきなりあの娘の名前が載ったんじゃ、さすがのあの子も怒るんじゃない!?』
『……』
『さすがに控えた方がいい気が……。それか名前を変えたりして……!?』
そうした話のヒントを受けて、ヨーシキワーカさんなりに、気を利かせたそうよ?
前にヨーシキワーカさんも、ミシマさんの所へ行く前にね。
あの娘(こ)に手伝ってもらったり、助けてもらったってた事があるからね。
だから、下手に悪くはできないのよ……。
そうした線引きが、時には必要でしょ?」
「でも、犯罪者なんだよね!? 何だか周りの人達のわだかまりが納まらないような……」
「うん」
「そうね、ケジメは必要よね」
「わかってる! ……だから、そうした実名を変えた折の、ヒントを言うわ」
「!?」
「ヨシュディアエを、アルファベットにして、アナグラム化させてたのよね? 姉さん?」
「ええ、そうね」
「あたしも、そう聞いてるわ!」
エメラルティさんが、そう言葉を零し、
確認を取るためにも、サファイアリー、クリスティさんが、そうだよ、と言外に告げるのだった。
「『一種の保護承認プログラム』なのよ……!
自身のそうした人生から、足を洗って、再出発してくださいってするね。
周りのみんなは、許さないけど、時には救われた人達もいるのには、事実!
でも、散々多くの人達を騙していて、それが雪だるま式にかさんでいったからね……。
さすがに限界だったか……。
裏取引上の裏口入金への取り付けや、
多重債務者兼低賃金労働者や、障害者身分までの引き下げや、
死亡などによる揉み消しなどは、度し難く、とても許されない事だからね……」
「……」
「その名前が、YOSYUDEXIAE……。
本名に正しく直すには、さらに、Hが必要で、EXは余分なもので、カムフラージュの役割があるの」
「えーと……」
本名:保護承認プログラム        必要:H
偽名:ヨシュディアエさん YOSYUDEXIAE 不必要:EX
「さらに、YOUは、必ず先頭にくるわ。だから『ヨシ』だけはホントよ」
「後はそうね。AEは末尾にくるわ」
「って事は、こうなる訳か……」
本名:保護承認プログラム 『YOS』……(AE)   必要:H
偽名:ヨシュディアエさん 『YOS』YUDEXI(AE) 不必要:EX。『固定』:必ず先頭にくる。(固定):末尾にくる。
「――だいたいこんなところね!」
「後ね。さしものヨーシキワーカさんも、それに関しては、答えを言う気はないそうよ。
好意を抱いていたのは、フェイクでも、
自分にとっては、職業相談に乗ってもらっていた長い付き合いの女(人)だったからね。
だから、答えだけは、控えさせてくださいって」
「……」
「それもそうね。なら、暇潰し程度に、挑戦させてもらうわ!」
「……」
フッ……
とエメラルティさんは、微笑むのだった。
そして、こうも付け加える。
「あまり、虐め過ぎないようにね?」
「? まぁ、わかってるって!?」
そこはかとなく、謎のやり取りの様相を呈しているようだった。
「「?」」
これには僕ちゃん達、お嬢ちゃん達、訳がわからないようだった。
とここでサファイアリーさんが、こう言葉を上げる。
「そうそう、この話の流れは知ってる?」
「!?」
「そのイリヤマ先生やライセン先生、ヨシュディアエたち、共犯者たちの取次ぎ回しは、
言ってみれば、私情における自己都合の話が、垣間見えていたからね。
そりゃあそうよね?
不当にもお金をもらっていたんだから、
国の講師が、国の職員がさすがにそれをもらっていたんじゃ、さすがにその体裁如何がとてつもなく悪いからね。
だから、揉み消す必要があったわけよ!
話が訳がわからないようにして、周りに取り次いでまわり、そうした証拠が何も残らないようにして、揉み消す必要があったわけ。
で、誰かの責任に押し付けた方が、その体裁が保たられるからね。
上が、下のものへ、『上からの圧力』をかけていた訳よ! 言ってみれば『圧制』ね!」
「上からの圧力……」
「周りからの圧制……」
そう、口から呟きを零したのは、恵ご夫妻だったわ。
さすがに元ホテル経営者様は、勘が鋭いわね……。
「そうした『威権順位』! 『公私混同』の『職権乱用』で、周りの人達へ取り次いでまわり、
自分たちの都合のいいように、『私利私欲目的』で使ちゃったわけね!
この例に漏れず、今回、ヨーシキワーカさんが信じられないぐらい就職難に陥っちゃった訳よ!」
とエメラルティさんが、語ってくれたのだった。
次いで、サファイアリーさんが。
「そーゆう事! まっ! ヨシュディアエも結局は黒だったから……!
国のメンツとそのプライドに差し障り、そうしたいくつもの出来事を……!
不祥事を揉み消そうとしたいたキライがあるわけよ!
中には揉み消さないといけないような、不都合な事実もあったりする訳よ!」
次いで、エメラルティさんが。
「――だから、ヨーシキワーカさんは、こうもつづったそうよ!」


☆彡~~真理と虚実、真実と理想、その抑止力、夢幻の至高の彼方~~★彡
【『たった1つだけ願いが叶うなら、自分のところにくるその飴を、砂糖にして、『ハメられた人達の自由の解放を願います』】
【『今回勝てたのは、自分の力だけではなく、周りの人たちの協力があってこそ、また、ハメられた人達が残してくれていた足跡のおかげであると』】
【『だから、こう願います』】
【『ハメられた人達の自由の解放を』】
【『あなた達には、それができるはずです』】
【『そのしがらみから、その呪縛から解き放ってください』と】
【『自分は何もいりません』】
【『周りの人たちと一緒に、きっと、みんなでより良いものを作りますから』】
【『きっと、その方が楽しいでしょう、面白いでしょう』】
【『今の自分があるのは、親兄弟のおかげ、そして、たくさんの皆様の協力の賜物』】
【『幸運でした……。人とは支え合って生きているんだと……』】
【『それが人の人情であり、また徳であり、彩(いろどり)を添えて、恵の心をもって、将来性のために実らせてください』】
【『あなた達にも、そして自分たちにも、きっとより良い未来がありますから』】
【『自分は、懐かしい将来(未来)を信じています――』】

「そしてね」
『できれば、そうした犠牲者さんがいれば、多くの人達に取り次いでまわって、その事件性を明るみにしたい』
『自分のそうした善と非を改め、再就職の道に繋いでほしい』
「――と! ね!」
「……」「……」
これには、僕も、アユミちゃんも、驚嘆の思いだったんだ。
そして、サファイアリーさんが、こう告げる。
「……まぁ、結局は、長らくはあそこにヨシュディアエでさえ、
周りからの反感の声もあって、いたたまれなかったようよ?
そうした出来事があってからは、自分の元へ来る、希望求人の話が、職業相談を持ち掛ける人の話が、減少傾向にあったらしいからね……。
翌年以降だったかしら?あそこから追い出されたのは……。
今でも、あの娘(こ)は、ヨーシキワーカさんに怨みを抱いているはずよ!」
「……」
次いで、クリスティさんがこう告げる。
「自身のそうした体験談を小説の中に記すからね……。記憶には残るから、その怨みは、決してなくならず、いつか増すわけよ……!!」
「……」
「その飛び火が、自身の命を脅かし絶つか!?
それとも、まだ見ぬ妻か!?
それとも、この世に生を受けていない子供たちへ向けられるかは、予想できる範疇だったそうよ!」
「……」
とここで、恵アヤネさんが、スバル君、アユミちゃんに、こう語りかける。
「スバル君、アユミちゃん」
「「!? ……はい」」
「今回のようなケースは、そうした大人の実社会生活が垣間見えるの。……ガッカリした?」
「はい……少し」
「大人の世界って……意地汚ない……。そんな人のところにいたらアユミちゃん、一緒にいたらガッカリしちゃうなぁ~……」
「……」
これにはスバルも、同教の思いだったんだ。
――そこへ、律儀なシャルロットさんが、こう語りかけてきて。
「――本にいい話ですね」
「!?」
「これから先、あなた方は、各惑星へその職業相談を受け、働きに出ます。
そこでそうしたトラブルに立ち会った時、どういった対応を取るかで、私(わたくし)たちの運命が大きく変わってきます。
これは、嵐の前の静けさに他なりません」
「言うわね……」
「ええ、勘が言ってるんです」
「勘!?」
「はい! 絶対に何かが起こります……! 今はまだ、それがわかりませんが……そうした準備をした方が、賢明だと提示します!」
「……」
「如何ですか!? 地球人の代表様!」
「いいっ!?」
「そうした不安の芽は、今知っておくべきだと、私シャルロットが、ここに進言します!!」
「……確かに……。この線の話の先は、大いに有り得る!」
「……」
コクリ
と頷き得るシャルロットさん。
「どうやら、そのミシマさんを起点に引き起こされたみたいだ……!
ホントの嵐の原因は、その火災旋風の原因は、ミシマさんか!? ヨシュディアエさんか!?
……そのポイントだけ、先に教えてくれる!?
カジノ話は、その後でいいからさ! ね!?」
「……わかったわ!」


TO BE CONTINUD……

しおり