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第3章の第85話 どうしようもない問題12



★彡
【バレた以降もワザとらしく長話を続ける必要があった】
【それは気づかせるが30%を占め】
【残り69.9%が幻覚・幻聴でも見ていたんじゃないのかとする話の為で、そうした現実と夢の境目の詐欺だ】
【誰もがそうだが上手く口に出して言えないからだ、これはそうした問題なんだ】
【そして、最後の0.1%が未知数……それがあいつだった】
『――あぁ、それは止めた方がいいですね?』
『『『!?』』』
(!?)
『やっぱりそこに誰かがいるのか!?』
『あぁ、ここの店番の人だ』
『……なるほどな……』
『……』
【ここで、明らかにミシマさんに店番の人バレた】
【1回や2回じゃないからだ】
【さっきもバレてて、上手く口裏を合わせて、長話に付き合っていたぐらいだ】
『……』
【まぁ、バレてしまっては仕方がない……】
『フゥ……』
【店番の人は、話題のそうした流れもあり、こう語り出してきた】
『……ちょっといいですか?』
『何だ!?』
『この人が前にウチに着た時の話ですけど……――』
『……』
【語られる回想録は、当時のそうした様子を見聞きした出来事】
【店番の人は、秘していた売春行為を吐露す――】
『――この人は以前にも、そうやっていた事もあって』
『……』
『……』『……』
聞くは、怪しい男性の人。
ミシマさんとその長男君。
『その時は、まだ、お店側も何も知らず……。
それを、この人を通して、それなりにいい値で買い取りました』
『……』
『その商品は、ここの店舗にあるような、見かけ上の撮っている角度が悪くて、
そうした一部始終は悪いですが、生々しい性交のものでした……』
チラッ
『……あそこに置いてあるような、盗撮版の販売です』
【そのコーナーを伺う店番の人】
【そう、この恥ずかしい書店には、そうした盗撮版も、人の目を忍んで、売り買いされているのだ……】
【それを、不当にも盗撮して、個人のその卓越した高い技術力を自慢し、優れた能力を有した人達も、少数はいる……それがミシマさん達だ】
【お金に換えている不届き者も、中にはいるぐらいなんだ】
【だから、警察の捜査が、ここまで及んでいても、何らおかしくはなかった……――】
『――……』
『……』
【そこにはヒヤリ汗を流す父の姿があって】
【自分はその父の、次の言葉を伺う。言い知れない不安が、心を蹂躙し、そうした不安を打ち立てるのだった】
【怪しい男性の人は、そうした出来事があった事を、事実確認を取るためにも、こう小さな声で投げかけてきた――】
『――……マジか、ミシマ……?』
『ちょっとだけの悪稼ぎだ。ほんの少しの稼ぎだぞ……? そうした事ができるって事がわかってて……ちょっとした魔が差しちまったんだよ……』
『すげぇ……見てぇ……』
((えっ……!?))
【その生々しい性交の場面を見てみたいと呟く長男君がいた……イヤイヤ、マジか!?】
【店番の人は、怪しい男性の人も、同教の思いを同じにし、親は子にどーゆう教育の仕方をしているんだと気にはなりつつも、こう語り出す】
【それは、店番の人の怒りと嘆きの声だった】
『ハァーー……そうした出来事があって! その2人だと思しき人が、この店に来店した事があったんですよ!』
スッゴイ怒ってて! 途中から泣き出している人もいたんですよ!?
あの時の状況、何て言っていいのかわからないぐらいで……ッッ!! ここでもちょっとした騒ぎが起きたんですよ!?』
『……知ってるかミシマ……?』
『いやぁ……全然……!? こっちの方には着てないな……そーゆう事は……!? 何でだ……!?』
【何で俺の方に、そうした話題が着ていないんだ!?】
【不意に疑問に思う俺がそこにいた……】
【だが、そんな俺でも、法的措置により、また守秘義務により、周りから護られていたんだ――】
『……『盗撮されたものの販売行為』ですからね……』
『……』
『誰が撮ったかまでは、お店側にも『守秘義務』があり、
その制作過程でテロップが流れるんですが、その人の名前を出した事がないんですよ!?
そうした事ができないよう、『裏』の決まり事があって……。
だから、そうした事を、その2人に話したら……すごい剣幕で怒ってたんですよ!?』
『そりゃあ怒るだろうなぁ!? 覚えてるかミシマ!?』
『いんやぁ全然!!』
『ハァ……。……その時、自分、何て言ったのかすら、もう覚えてませんよ……。相当昔の事なんで……』
『……』
『……』
『……』


【――どーゆう事!?】
【教えて、クリスティ先生!】
【はいはい……裏の世界でも、法令遵守に則って、やらないといけないお決まり事があるらしいわよ!】
【出ないと周りから叩かられて、この世界でやっていけないようになるからね……】
【それが『特定商取引法』よ!】
【『特定商取引法』……?!】
【……】
コクリ
と頷き得るクリスティさん。
彼女は、こう話すのだった。
【盗撮したものの販売行為自体は、お店側は黙認されているのよ! 正規の手順を踏んでいるからね……】
【だから、法的措置を見ても、なんら落ち度はない所以(わけ)!】
【それは、制作会社側にしても同じで、そうやって『商権取引法』を通して、正規の手順を踏んでいるんだから!】
【だから1番の問題は――こいつよ!】
『……』
【――そう、それを盗撮した本人に『問題がある』って事よ!!】
【盗撮版の販売行為そのものは、お店側は黙認されているけど……】
【仮にもしも、それを、コピーして、各方面に売りさばいたり、ウェーブグローバルなどに配信した場合は】
【『警察職務者』Police Officer(ポリスオフィサー)に通報されて、すぐに捕まるわ!】
【1000万円以下の罰金、10年以下の懲役、またはその両方が課せられるわね……】
【俗にこれを、『海賊版の販売行為』として、『証券取引上扱う』のよ!?】
【だから、助かる手段は、著作権法に伴う名義人の登録しかなかった……】
【……ミシマさんは、バレる事を嫌って、フツーよりもお高いお金で済ませていた……】
【偽名でも同じよ? それはお店側の人も、了承してるからね?】
【……ミシマさんが駄々をこねても無駄よ!? だって、制作過程にともなうテロップに名前がなかったんでしょ!?】
【制作会社に在籍もしていないし、その横の繋がりすらない……】
【赤の他人として、取り扱わられるからよ!?】
【へ~~……そうなんだぁ……】
【――そのミシマって野郎も大概だが、その法とやらに守られていたわけか……!?】
その声はレグルスのものだった。
【えっ!? ……帰ってきてたの!?】
驚き得るスバル君。
次いで、親しい中のデネボラさんが。
【お早いお帰りで……何ですか?】
【……デネボラ……助けてくれ……】
【はっ!?】
【……毒に当たったらしい】
【~~!!! 何やってんですかァアアアアア!!!?】
急遽、デネボラさんを連れて、慌ただしくレグルス達2人が飛び去っていくのだった……――
【何やっとるんじゃ……あやつ……?】
【バカなんですかあの人……?】
【……?】
アンドロメダ王女様、シャルロットさん、スバル君と訳も分からず、その首を傾げるばかりだ。


【白砂漠】
【――猛毒に当たり、首元を掴んで、激痛にのたうち回る2人の姿があった……】
「ハ……グッ……」
「オ……ゲッ……」
【声なんて出せず、余りの激痛で、口内に滲み出るは、赤き鮮血……】
【それは歯ぐきからも、露出していた……】
【口内には、痛みに耐えかねての唾液と猛毒が入り混じり、時折、嗚咽を掻き立てるほどだ】
『オゲッ』
『ベェッ、へへッ』
【それは未知の毒だった……】
【地球の医学には、それを救う手立てはない……】
【……だが、ここはアンドロメダ星だ、その血清があった】
【その血清が必要なため、急遽レグルスはデネボラを頼りに飛んだのだ】
【さしずめ、ここに残っているLは、ボディガード兼見届け人だった】
【Lはそれを固唾を飲んで見守っているだけだった……】
(これぐらいしかできないんだ……ッッ!? ……ッ)
「――これ、相当マズいんじゃ……!?』
その時だった。
ザッ、ザッ、ザッ
と白砂漠の地中から、次々と怪物が現れ出していったのは――
「――ああっもう!! 次から次へと!! こんな事になるんなら、もっと安全なところへ連れて行くんだったよ!!」
【僕は自分を責めるしかなかったんだ!!】
【これが後に、映画版の話に繋がり、ディミトリ―の魔の手から、皆を救う一助になる】
【もしかしら、あの時、レグルスの失敗がなかったら、地球の希望は、あの時点で潰えていたんだ……――】


★彡
『――隣にいた彼女さんだと思しき人、相当思い詰めてましたよ?
気を張り詰めていた……っていうか……。
その盗撮を見た人が、『他にもいて』、周りでもそうした話題がチラッと上がってましたから……。
……見えますか? あそこの道路……!?』
『……』
『……』
『……』
シュイーン、シュイーン、シュイーン
『相当、落ち込んでいて……。
フラッとここから出たことがあったんですよ?
……。
……その時は誰も気づかなくて、あの時は、相当慌てたものですよ!?
すぐに呼び止めることができて、あの時はホントに良かったです……。
……。
……1つ間違えば、大惨事でしたからね……』
『……』
そのした出来事があったという事を、その怪しい男性の人は、聞いていたのだった。

【ミシマさんは知らなかったようだけど、店番の人や、その付いてきてくれていた方がいなければ……】
【その彼女さんの命は、轢き殺されていたのよ……!?】
【直接は手を下していないけど、周りのそうした人達の動きまでは、あなた……把握できないでしょ!?】
【それは、ヨーシキワーカさんにしても同じで……】
【後日、相当周りから白い眼を向けられたらしいわ……】
【わかってても、それを記す必要性があったからよ?】
【でないとこういう犯罪は、『減少傾向』にはならないわ……】
【抑止力の為には、やむを得ない、総合判断能力を求められていたからよ……?】
【以上の事があってね。広くどうしようもない問題の危険性が浮き彫りになって、減少傾向に通じて行ったわ……】
【ヨーシキワーカさんは、傷と犠牲の未知を、自分の判断で、取捨選択したのよ!】
【熟考の末の、辛い決断だったらしいわ……――】

『――このお店も、そのまま営業を続ける事ができたかどうか……!? ……ですからね……!?』
【そう、そうした可能性の危険が頭の中を過る】
『あんな事があってから、この人がこの店に来たときには……、
ここにももう1人いるんですが……注意を報せています。
それぐらいこの人は、『要注意人物』に上がっているんですよ!
この人、相当悪稼ぎしている人なんでしょ!?』
『……覚えているかミシマ? その2人を!?』
『う~ん……まったくと言っていいほど身に覚えがないな……! さすがにその2人の顔を見ないと……何とも言えんな……』
『……そうですか……、……残念です……』
『……』
『……』
【それは、怪しい男性の人(俺)もだったぜ……】
【その後の後日談で、あの話が公開された日には、ミシマも、辛辣・心痛の思いだった……。同様に長男君も……】
【こんな話は、人前では決して話せないな……? だから、知っている人がいても、それとなく黙っていてくれよ?――】
『――自分の方からも、今日あった出来事を、その2人には話さように黙っておきます!』
『!』
『!』『!?』
『ミシマさん達も、何も知らないフリをしてください』
『……そうしてくれると、こっちとしても助かる……!』
【この店番の人は、『話がわかる』やつだったぜ……!】
【こんな話は、人前で話すべき案件ではないからな……!】
『……』
【まっすぐした視線だった……。時折、もの悲しくもなり、あの道沿いをチラッと目を泳がせていた……】
【人が亡くならないで、ホントに良かったと思う】
【でないとこのお店が、閉店してしまうからだ】
【人1人が死ぬという事は、それぐらいの大きい意味を持つ】
【怪しい男性の人(俺)の方からも、上手く口裏を合わせるように、黙っていよう、何も知らないフリをしよう】
【……だが、ここで、ミシマの野郎のバカが……――】
『――じゃあ、また何かあったら、そっちにもう1回ぐらい顔を出して、『送る』よ!』
『『『………………』』』
『えっ!? あなた、さっきの話聞いてましたかッ!?』
『……ッ』
【マジかお前……!? 怪訝に思う俺がそこにいた……ッッ】
【こいつには、もう、何を言っても無駄だな……】
【『バカにつける薬はない』と言うが、まさに、こいつのためにある言葉だ】
【いったい何回ぐらい、こうしたやり取りを通して、周りのみんなが、こいつを庇い立てしてるんだか……!?】
【しかも、こいつはこう言ってきた――】
『そんなの俺からすれば『はした金』だからな……! まだこうした問題行為をやってそうした奴等から盗り立てた方が、稼ぎがいいくらいだ!!』
『あぁ確かにそうだもんなぁ! こっちもそうした方が美味しいもの食べられるし!!』
『な、何を言ってるんですか!? あなた達、ホントにその頭は大丈夫なんですか!? 『正気の沙汰』じゃありませんよ!?』
『俺っていたって平気だ!?』
『問題なのは、そいつ等じゃないのか!? 『とんだ痴女間のもつれ』なんだろ!? それで死ぬって、頭がバカじゃないのか!?』
『………………』
【そこにはね。言葉を失った店番の人がいたそうよ?】
【それが、その現場を直接見た人の心の心境と、見ていない人たちのお金への執着心よ!】
【そして、ついに身内間の人であっても、その堪忍袋の緒が切れたそうよ――】
ゴゴゴゴゴ
(……も、もう我慢できん……ッッ!!)


★彡
【ミシマさんの妹さんを護るように、みんなで協力してバリゲードで護ろう】
【彼女には、何も罪がない。親の責任を、子供の代まで押し付けてはいけないよ☆』
『――お前だって嫌だろ!? こっちはお前の所を知らべて知ってるんだぞ!?
まだ可愛い妹さんがいるじゃないか!? その子に何かあったら、親のお前でもさすがに嫌だろうッ!!?』
『いやぁ……全然だなぁ……!』
『……』
【その声色、その声質、その快活のいい笑みを浮かべる父の姿があったんだ】
【そこにはまさに、信じられない気持ち、間の抜けた2人の顔があったわ――】
(――……)
『『……!?』』
『そんな事になるなら、逆こっちからそいつのところに行ってどうしようもないぐらい盗り立ててやる!!
俺の周りにはそうした『ツレが多い』からなぁ……!
そいつが逃げられないよう、包囲網の網を張ってやる!!』
『……ハァ……』
『!?』
『お前なぁ……ホントにバカか!?』
『……なに!?』
『そんな事になるとわかっていれば、あっちの連中も『何らかの対処を講じてくる』だろうがッ!!』
『……』
『俺だったらそうなる前に、親のお前が嫌がる事を、その娘(こ)にしてやるがな!?』
『何ぃ!?』
『照明用の機材やら、録画編集できるカメラで回せば、その娘(こ)の児童ポルノ映像が撮れる!!』
『……ッ!? まさかお前にそんな趣味が……!?』
『意外な趣味が発見!? 前にあの人のものをハッキングして――』
【だが、そんな(変態的な)趣味などあるわけがなく――】
っつーかヨーシキワーカさんにもないわ、参考資料用のデザイン案よ。
小説から、マンガへの必要処置。
何、バカな事を言ってるんだか……(エメラルティ談)。
『な訳あるかァアアアアア!!! 例えば!! 例えばの話だろうがァアアアアア!!!』
『ボソッ……幼女趣味……』
『お前、上手い事言うな!』
『~~ッ!!』
【今度は反対にしてやられる怪しい男性の人……何だか可哀想……】
【息子さん、あげつらうのが上手い!?】
【それを褒めるミシマさんの構図が見えたわ……。ホントに一風変わった父子ね……――】
(――……)
『だあ~~もうっ!!
お前もそうした親なら、自分の大切な娘(むすめ)が『売春』されるのは嫌だろうがァアアッ!!!
児童ポルノされたら、さすがにもうお嫁に行けなくなるんだぞ――ッ!!? おっお前、わかってんのかァ!?』』
『そんな事あんたに言われんでもわかってる!』
『うちの妹、大人になったら、母さんの若い頃に似て、奇麗になるだろうからな!』
『まぁな!』
【ハァ……そこにはね……ひどく落ち着いた感じのミシマさん達父子の姿があったわ……】
【子の意を買うお父さんのミシマさん……。何だかヒドイ幻滅ものよね……?】
『何なんだこれはもう~~!?』
【大いに頭を悩ませ、頭を掻きむしりたい衝動の怪しい男性の人がいたわ】
【でも、腕は1つしか使えないから、片手でかいたものよ?】
【そしてね。こうも、ここから信じられない言葉が、連発するようになるの――】
(――……)
『あっ……そこにある作品のように、
うちの妹も『アイドルデュー』すれば、有名になって、
そうしたお金がうちの方に入ってくるんじゃないのかなァ!? 結構稼げるんだろ!? ウチの今の状況には、ピッタリじゃん!?』
『お前、頭いいなぁ! その手があったか……!?』
【長男君は、誠実とはかけ離れていたわ……】
【お父さんのミシマさんも、大概、親心とは程遠いわね……何だ可哀想……娘さんのそうした気持ちを、後で踏みにじるようなタイプだわ……】
『そーゆう妹を持てば、俺も鼻が高いし、この街でも有名になるんじゃないかな――ッ!?
近くを歩けば、声を掛けられたりして!?
俺にも、そうしたチャンスの話がありそうだし!?』
『あっ! 稼ぎだって、今よりも良くなりそうだな!?
だが、そうした肢体(からだ)目的の付き合いの話が出てくるんだぞ!?
あいつ等が欲しいのは、肢体(からだ)目的で、繋がる行為(こと)なんだからな!?』
『その時はその時!!
俺が前に出て立ちはだかってやる!! 大事な1人の妹だしな!!』
『有名アイドルになったら、婚姻とかいろいろな事があるのかもしれないな!?
今の内から調べてみるか!? どこかに有名なアイドル事務所はないかなーッ!?』
『そこにいけばわかるんじゃない!?
ちょうどそこに、そーゆうものがあるんだし!! メーカー名を見ればさァ!!』
(えっ!? 信じられない!! その話聞きたもなかったわ!! ……実の娘を何だとッッ!?)
【それを聞いた怪しい男性の人はね。こうした憐みの意見を零したそうよ?】
『あぁもう何だってこんなに話が通じないんだァア!? おかしぞこいつ等!! 頭の中どうなってんだァ!?』
『さすがに信じられませんよ……!?』
【頭の中、お金絡みだったそうよ?】
【その様子を直接見聞きした、怪しい男性の人もね、店番の人もね、憐みの思いを同居してたんだって】
【続けて、ミシマさんと長男君がね、何の根拠もない希望的観測を持ち出すようになったのよ――】
『それぐらい夢見たっていいだろ!?』
『そうそう、俺のところにも入ってくるかもしれないんだからな!? それまで目ぇ掛けといてやるか!? 大事な肢体(からだ)がキズモノにならないよう!』


【――マジ?】
その呟きはアユミちゃんのものだったわ。
【自分の親がそんな事言ったの!? そのお兄さんも!?】
それを見聞きしたあたしは信じられなくなり、顔を下に下げて、その少女の事を幾ばくか思う。
【………………】
ゴゴゴゴゴッ
憤怒の勢いが溜まるアユミちゃん。
【あ、あゆ……み……さん?】
スバル君も恐る恐る、そんな震えた声を絞り出して、呟きを零したの……。
【ふざけんじゃないわよッ!!!】
ビクッ
【!?】
メチャ僕もビビる。
【誰が売春(そんなところ)に行くかァ!!!
女の生肌(きはだ)を、か、か、金に換えて!! 親がアが、そんな事言ってッ……あ~っもう信じられないッ!!!】
プンプン
と怒るアユミちゃん。頭を抱えて、喚き散らして、もうその娘(こ)に代わって、怒りを発散させる。
と、その少女のボーイフレンドが。
【あ……アユミさん……】
【何ぃ!?】
(ヒィ~~いつものアユミちゃんじゃない~~!!?】
その瞳をギラつかせる少女。
慌てて、何とか取り繕うとする少年が、そこにいた……。
で、大人のクリスティさんが、こう意見を投じてきて……。
【……まぁ、そうね……。
小学生でも、中学生でもそうだけど、自分の生肌を撮影されて、売春されたら最後、そのメモリーやら動画ファイルやらが、
見ず知らずの人の誰かに、そのどこかの誰かさんの手に渡る事は、目に見えているもんね!?】
んっ!? ヒィ~~!
スバル君の首根っこを掴みかかるアユミちゃん。こっちに顔を向けてて。
怪我をしているスバル君は、もう泣き出しそうだった構図……。
【……だから、ヨーシキワーカさんはこう言い残したの。
その娘さんは、まるで関係ない。
これを見た誰かが、その子のお母さんや、おじいちゃんやおばあちゃん、その親近者にも伝えてまわって、
後は先生や、その子の事を良く知るご友人にもそれとなく伝えて、
その子を護るよう、その世界に踏み出さないよう、みんなで、バリゲードを作って欲しいってね!】
【へぇ~ちゃんとしてるね!】
ギュ~
と首根っこを掴んだまま、締めあげる。その時、少年の口から【ウッ……】と呻き声が上がる……そんな気がした……。
【その人……】
【……】
それを観ていたあたし達、私たちは、【あっ……】とそんな呟きがどこかで零れた……。
【うんうん、きちんとバリゲードを作ってあげないとね!
その娘(こ)の人生もあるし、女の子に生まれたんなら、綺麗な花嫁衣装に着飾りたいもの……ね!? ……スバル君……?!】
ピクピク
もう顔が青いスバル君。その口から泡を吹いていたわ……ッ。
【キャ~~!? いったい誰がやったの~~!?】
(お前だよお前……)
そんな心の声が、どこかで聞こえた気がした。
とシャルロットさんが。
【ハァ……何やってんですか……?】
【……】
スバル君の救済措置に入るため、そうした現場に歩み寄るシャルロットさん。お優しい。
まぁ、律儀半分、仕事半分だろうが……。
ちょっとアユミちゃんに近寄って、【ちょっと退いてください】と言い。
でアユミちゃんが【う、うん……】という。
スバル君の状態を診るシャルロットさん、こう言い認める。
【大丈夫ですかスバル君?】
【ケホッケホッ……うん】
【……フッ】
と笑みを浮かべるあたし。
でも、その笑みも段々と暗くなっていて、その少女の今後の人生を案じるばかり……。
そうした危険性が、頭の中に過ったわ。
【……人によってはですね。自分の裸写真が明るみになった途端、それでヘンに思い詰めて、自殺しちゃう娘(こ)もいるぐらいなんですよ!?】
【……】
【……確かに……!】
その瞳を大きく開けるスバル君。
そしてその声は、シャルロットさんの後ろから聞こえたわ。それはアユミちゃんだけじゃなく、大人の総合見解からくるものだったわ。
だから、シャルロットさんは、こう言い認めるの。
【まだ、その現場にいた、怪しい男性の人がシャンとしてましたね! ……まぁ、そうした注意喚起の声があったかどうかなんですけど……!?】
【どちらにしろ、そうした事件性を浮き彫りにしないと、大変な事になる――という事だ】


★彡
『――何なんだこれはもう~~!?』
【大いに頭を悩ませる怪しい男性の人。後ろ頭を掻きむしりたいほどの衝動に襲われていたわ】
【続く一言は――】
『……俺はあいつの小説を見て知ってんだぞミシマ!!』
『!?』
『いいのかお前!?
あの話にあるように、あそこにいるあいつとあの姉ちゃんを、ラブホテルに連れ込んで、
どうせお前、盗撮用の機材で、ここにあるような売春行為をする気でいたんだろ!?』
『あぁ、自分も見たことがありますが、あのとても信じられないぐらい凄い小説ですよね!? 今周りでも、話題になってますよ!』
『なにィ!? お前も知ってんのか!? あれを!?』
『ええ……ッ。自分もその続きが気になって……今公開されている以上の作品があるみたいじゃないですか?』
『……』
『まぁ、まだメモ帳の状態のものを見せてもらった事があります。
あれってもしかして……あの話にあるように、ハッキングされたものだったんじゃないですか?』
『……』
『あっ! その顔を見る限り、どうやら当たりだったみたいですね……! ……もうこれ、『言い逃れのできない犯罪』ですよ!?』
『まさか……!? そんなところまで話題が上がってたなんて……!? どう揉み消したらいいとや!?』
【怪しい男性の人も、これには大きく頭を悩ませたそうよ?】
『……さすがに手広くやり過ぎたか!? いや、時間をかけ過ぎたか!? でも、この問題はそうした事があって……!? ああっもう!!』
『いや、もう無理でしょう!?』
『……』
『……』『……』
【情報不足に短慮、苦悩してしまう怪しい男性の人がいたわ】
【まぁ、当たり前でしょうね?】
【こっちにはそうした情報が、あの人からも、ミシマさんからも、伝わっていない事もあるんだから!】
【全員には、なにも正しくは伝わらないでしょうからね!?】
【これはそうした問題トラブルなのよ?】
【伝言ゲームのそうした誤りも、多分に含まれるんだから……!】
【イリヤマ先生達が、ヨーシキワーカさんのものをハッキングし、しかも、それが周りにも鯨波してしまい】
【金になる木だと思い、安易に飛びついてしまった】
【だけど、不干渉の相手に対し、どのように接すればいいのかと思い、疑問に思え、取り次いだ末、負けること幾度……!!】
【自分が、そのお父さん達に負けた事なのに、わざわざそれを、他の人達に取り次ぐ必要があるのかしらね?】
【いいえ、ないわ!! これはそうした心理的要因も、多分に含まれているんだから……ね!!】
【そこにはね、何も言わない怪しい男性の人が、立っていたそうよ?】
【それは顔の見えないエアディスプレイ画面の向こうにいる2人にしても、そうで!】
【……だけども、同時に、こうも疑ってしまう店番の人の見解があったの! それは――】
『――……ホントに、今、あそこにいるあの人が書いたんですか……!?』
『ああ、ホントだ……! 聞けば、あいつが1人でここまで手掛けたものらしい』
『1人ぃ!? ホントですかそれェ!? 信じられませんよ!? とんでもないぐらい頭がいいじゃないですかァ!?』
『あぁ、だから、何とかしてそいつの話に結び付けて、
こいつ等が、あいつから、それを『盗り上げようとしていた』んだ! ……前にそうした話題が上がっててな!?』
『あぁ……2か所の刃物屋さん(どこ)かで、その話を聞いた事がありますねぇ……!
確か、あの人の『弟さん』も『悪胆』に『協力』してるって話が上がってて……!?』
『……』
『……』『……』
『でも、どうせ無理ですよそれ……!? あの人以外、続きを書けませんって……!
どうせ、途中まで書き上げている作品の続きを書こうと思っても、途中で断念する事になりますから……。
あのレベルで、書ける人って……あなた達の中にいるんですか!? いないんでしょう!?』
『……無理だな!』
『俺でも、ここまで書けねぇ……ぞ! どうなってんだいったい……!? この手術の話なんて、無理あっだろ!?』
『フゥ……その手術の話なんて特にそうですね!?
自分たちも気になって、そうした本があるかないかどうか、後で調べたんですけど……。
……1冊もないじゃないですか!? そんな、詳しく書かれた本!?
どこにもそんな小説の話が乗ってませんでしたよ!?』
『やっぱりそうかぁ……。じゃあ、あいつはホントに1人で……。……どうなってんだ……あいつの頭ン中……!?』

(ムフフフ、V!)←制作協力してくれた守護霊(彼女)

『で、自分たちも先の展開がどうしても気になって、……知っている人を通して見せてもらった事があるんですが……。
あぁ、あれ、あなた達がハッキングしたものだったんですね!?
道理で、『公開されていた内容とこうまで違ってた』理由(わけ)だ!?』
『……』
『……』『……』
【何も言えなくなる怪しい男性の人に】
【宙に浮かぶエアディスプレイ画面の向こうにいる2人も、何も言えなくなっていたわ。犯人一味だからね――】
『あの人の手柄みたいなものですよ!! これはもうみんな、どう考えてみてもわかってますよ!!
もう、あの人の勝ちだって!!
……そして、このまま、あの人をあなた達に関わらせなければ……自分たちの勝ちなんですよね!?
ねぅそうですよね!? もう言い逃れなんてできませんよ!?』
『――充分だな!』『……』
『!?』
『あぁ……』


★彡
カララン♪
ドアが開いて、怪しい男性の人Bが入ってきた。
これには、驚き得る店番の人。
『ーーえっ!? もう1人仲間がいたんですか!?』
『あぁ、『同じ電気屋の仲間』だ! 外で待機してたんだよ』
『……気づかなかった……』
『で、どうだ!?』
『……見ての通りさ!』
『フゥ……やっぱりこうなったか……』
【外でずっと、『無線で傍受していた』が……。こうなる展開はおおよそ読めていた】
【怪しい男性Bは、こう続ける――】
『――……さすがに無理があり過ぎるだろ……?』
一同、あっちの方に見えるヨーシキワーカの後姿を伺う。
『ここからあそこまで、距離にしてだいたい20m近くは、離れているし……。
しかも、ここから見えているのは、あの背中だしな……。しかも相中には、商品もあって、こっちからの声を遮ってる。
……あれは聞こえてねえだろ?』
【実際には、20mではなく、50m近く離れていたりする】
【目視で距離で測っているためだ】
【実際にメジャーで測れば、正確な測定ができるようになる。まぁ、栓無き話だが……】
『あぁ、さすがに何も聞こえてないな……。俺でもほとんど聞こえてねえとおもうし……さすがに無理があったんじゃないのか――ミシマ?』
『うっ……頼む……!』
『ハァ……今回は貸しにしておくぞ? ……おい! 上手く、話のウマを合わせろ!』
『えっ、は……はい!?』
『おいミシマ!! 今からお前の所へ行って、どーいう機材を使っていたのか確認させてもらうからな!? そのままジッとしておけよ!!』


カララン♪
そう言い残すと、その怪しい男性の人Aは、店の外に出て行ったんだ。
つまり、店内には、店番の人と、怪しい男性の人B、そしてヨーシキワーカの3人になる。
『……え?』
(なんであの怪しい男性の人が出て行くんだ……?)』
『……オイ!』
『は、はい……?』
『『ワザと話を長引かせるぞ』!?』
『何のために……!?』
『『ワザと話を長引かせて』、『ここに2人いた』って事するためだ!!
『まるで1人だったかのように見せかける』ためだ!
『話が訳がわかんないようにする為』だ!!
『夢と現実がそうやって混在しているかのように見せかける』ためだ!!
……お前にだって覚えがあり、『上手くは人に話せない』だろ!? 要はそーゆう事だ!!』
『あっ! なるほどォ!? 今までそうやってたんですね!? へぇ~~……これはわかりそうにないかもぉ~……?!』

(……)
『……』
【だけどね……最大の誤算があったのよ!】
【ヨーシキワーカさんには、守護霊の彼女がついてて、後でそれを夢見を通して見せてくれる】
【そして、人知れず、監視カメラが動いていたそうよ。そう、その裏で意図を引いていたのは、アヤだったの……ミシマさん達同様に、ハッキングしていたのよ】
【それからはね……クスッ】
【明らかに、話を長引かせて、話が訳がわかんないようにしていたキライがあるの……】
【ヨーシキワーカさんも、上手くは書き記せないけど……その完成度は60%以上!! 低めに見積めもってもね】
【2番目の電気屋さんが、その近くにいたのは確かなんだから! だから途中から、あれ!? 声が違うと思ったそうよ!】

『――よしっ、やるぞ!』
『はい!』
【怪しい男性の人Bがそう宣言の啖呵を切り】
【店番の人が、協力の意を買う】
【そうやって、話のウマを合わせ、今まで多くの人を騙してきた手口である】
『……』『……』
【そして、ミシマさんも、長男君も、ここに加わる】
『………………』
『!』
【男性の方は、ここがタイミングだと思って、店番の人に、自身のフューチャーウォッチを見せる】
【機を狙ってこう音頭を切る――】
『――あれはそう言う事だったんですね!?』
『!? そこに誰かいるのか!?』
『あぁ忘れていたが、ここには3人目がいたんだ!』
『誰なんだそいつは!? こっちにもそうした奴の反応の印がないぞーッ!? どうなってんだいったい!?』
『なくて当たり前だ!! この書店の店番の人なんだからな!!』
『クソーーッそれでかやられた――ッ!?』
『そこを動くなよミシマ!!! 今からそっちへ行っていって、どういった機材を使っていたのか取押えてやるんだからな!!
そこを一歩も動くなよ!!』
カララ~ン♪
【ワザと、出入り口のドアを開け閉めしたのだった】
【そうした誤解を誘発させるために――】
『――あれ!? 何でまた……!?』
『こうやって、あいつは何も見てないから、話が訳がわかんないようにする為だ!! ……お前は黙っているんだぞ!?』
『あっはい! わかってます!』
『……えらく……素直だな……。……お前……まさか、通じているんじゃないだろうな!?』
『ハハッ、まさかぁ!! 自分、あの人とは何も親しくもありませんよ!! ここの人間と、あの人はただのお客さんですよ!!』
【事実である!! 断言しよう!!】
【この店番の人とアヤは無関係である】
【同様に、ここの店番の人とヨーシキワーカは、ただの店番の人とお客さんの立場だ】
【まぁ、隣人関係は、どうかわからんが……】
【とここで、怪しい男性の人Bは、改めてヨーシキワーカの後姿を見ると――】
『――あいつ……リュック背負ってんな!?』
『あぁ、あの人、前々からここにきてるんですよ!』
『注意はしないのか!?』
『あの体勢じゃ、万引きなんてできませんよ!! したくてもできませんし……取り出してもしまえもしませんよ!』
『……それもそうだな……!』
【不可か可で言えば、それは一般的には不可能だが……】
【卓越した技術を持った方からすれば、十分可能である!!】
【まぁ、そうした知り合い関係は、知りもしないが……――』
『……』『……』
『……』『……』
『よしっ、このまま続けるぞ』
『はい、なんか段々楽しくなってきたぁ~』
『あいつ等、今までこうやってたんだな……! だから、話が訳がわかんないのか……!?』
『自分だって、こんな事されたら訳がわかりませんよ!?』

(あのさあ、あんた達……もしも~し! あぁ……ダメかな……これ……ハァ……)
そこには、嘆かわしい加減の守護霊の姿があったそうな……。

『……さすがに、これならあいつも……あの小説には書けねえだろ!!?』
『書きたくても無理だと思う……。だって、あの人、こっち着て見てないんだろ?』
『……で、どうなんだ!?』
【ミシマさん、長男君、ミシマさんの順にそう言って、怪しい男性の人Bに尋ねてきたもんだわ――】
『――こっちを見てねぇな? そもそも気づいてないぞあいつ……!?』
『自分が保証しますよ? こっちにも着ていませんので、大丈夫です!!』
『よしっ、続けるぞ!』
『はい!』

(……ハァ……)
もう呆れ加減の守護霊の姉ちゃんの姿があったのだった。
全然誠実なんかじゃないわ……こいつ等……。

『さっきの小説の話にしてもそうだが……。
さすがのあいつも、ここにいたって事は書けねえだろ!? 恥ずかしくて……!! ……そもそも無理があるだろ!?』
『さすがのあいつも、こればっかりは無理だろ!?
……もしそうなったら、ここの話とうまく結びつけてやる!!』
『……えっ!? どうやるんですか!?』
【怪しい男性の人、ミシマさん、店番の人と順に、口々に告げてきたわ。
そして、そこには怪訝に思いつつも、心配そうな顔を上げる店番の人がいたわ――】
『――あいつとはさぁ、3日間だけ車の中で話した事があるんだよなぁ!』
『へぇ~、それは聞きたいですねぇ~!?』
『ああ、そうだろ~? そう思うだろ~!? あいつなんて言ったと思う~!?』
『……』
『……』
『自分もそうしたミシマさんのように『漢』になりたいですって言ったんだぜェ!』

(ここは、合ってるわね……まぁ、意味合いの……! 言葉の受け取り方は違うと思うけど……人によってそれぞれだし……)

『やり方も教えてやろうと思ったんだぜ。こっちは!
あのこう胸が信じられないぐらい大きい女がいただろ!? あっちの遠くの方に!
あの女が好きなんだと思ってたんだよ……その時は俺も、そう思い違いしていた……!』
『あっ、やっぱそうなんですね……!?』

(これ以上は聞きたくもなーい、お兄ちゃんのとこ行こっ!)
ヒュン
(……どうした?)
(ハァ……帰ったらね……)
(わかった、夢見でなんとなく見せてくれ)
(うん!)



【最後の婚期の機械を逃したヨシュディアエ】
ナレーションで語るは、クリスティさん。
【だから、ヨーシキワーカさんも、その後の話は仮定であって】
【少しだけ聴こえてきた言葉を、あくまで想像と仮説を元にしているそうよ――】
『――あいつの書いてた小説を見て、思い違いだと後でわかったんだ!
あんなにわかりやすいぐらい、例えの例があったからな!
まさか、自分のところの主人公と! あの女のこう胸の大きい妹を当ててくるだなんてな……!
さすがにあれには驚かされたぜ……!』
『こっちもだ!』
『その話を、あの姉ちゃんにしたら、何て言ったと思う!?』
『……何て言ったんですか!?』
『フッ……『今まで思い違いだっただなんて信じらな~~い……っ!?』……って驚いていたんだぜ!!』
『あぁ、それは誰だって、驚きますよぉ!? 急に自分じゃないって判明したんですからね!?
それまで、その人だと、自分たちもそう『思い込んで』いたんですから!!
あなた方からのそうした声もあってね……!』
『俺もだ』
『俺もだよ……!』
ナレーションで語るは、エメラルティさん。
【その情報ソースの一番の発信者は、ヨーシキワーカさんだったそうよ?】
【それはミシマさんとの3日間の時に、やり取りされたもので……】
【つまり、周りの人達に言いふらした真犯人は――ミシマさんなのよ!】
【それは長男君でも、同じで、家族間のそうした場にいて、そうなんだろうと思い込み、隙あれば、周りの人達にも、話していただろうしね】
【また、周りのそうした人達の声を見聞きし、集団で取り次いでまわるうちに、人の噂話が嫌に拡大してしまったとするもの……】
【謝った先入観を持ち、直接ご本人様に尋ねなかったからこそ】
【こうした先入観の思い違いが、誘発されてしまった要因といえるの――】
『――てっきり、あの人なんだと……お似合いだと思ってたんだけどなぁ……。……まさか、父さんのとんだ思い違いだっただなんて……!?』
『ウッ……』
ジト~~ッ×3
【と疑いの眼差しで見てくる3人】
【それぞれ、長男君、怪しい男性の人B、店番の人かの蔑む冷たい視線のものだった……】
【その1人は、すぐここにいて】
【もう2人は、顔の見えないエアディスプレイ越しに、ヒシヒシと伝わってくるような思いだ】
【メチャ辛いぜ……――】
『――済まん……』
『済まんで済まされんぞミシマ!! さすがに……これ、どがんする気とや!? ホントにィ!?』
『……ない……もう、何もない……出せるものは何も……』
『ハァ~……。どうにかして話題を続けるぞ!?』
『……はい……』
【それはそうしたチャンス造りだった】
【ミシマの野郎に、電話越しでもいいから、謝らせなかったとするものだ……】
【だから、結構苦労して、苦慮したんだぜ――】
『え~とじゃあ……、ここの奴を上手く利用して……!?
俺はよぉ……あの2人を本気で結びつかせようと思ってたんだぜ!?
漢なら、あーゆう女が好きだろ!?』
『まぁ、おっぱいだけは、この街で1番デカいぐらいだからな!?
結構年取ってて、最近はもう、縮んで垂れ出した……ぐらいだが……。
近くにいた女に聞いたところ、こうしぼんできたんだろう?
昔はあんなにデカくて、綺麗だったっていうのに……。
さすがに、あの人でも、自分の老いには勝てなかったわけだ……。
周りのそうした奴等は、特別なんだと思ってたんだがなぁ……!?』
『それは俺もだ……! ここ最近、この暑い夏場も続いてたが……。
顔もシワくちゃで、こうたるんできて、ダルンダルンで、なんか疲れてきてる感じの顔なんだよなぁ……!?
あれは、『一過性のもの』だったか!?』
『……どーゆう事ですか?』
【それは店番の人の意見だったわ】
【ミシマさんは、その一過性のものをこう語ったそうよ――】
『――あぁ、あいつが、俺のところに着た時期ぐらいだったか……!?
あの時、あの姉ちゃん『ダイエットに成功』しててでな!
こう見立ててスッゴイぐらいと思うぐらい、こうボイン・キュッ・ボンだったんだぜ!!
あれはやりたかったわ~~ァ!! 俺も一度ぐらいはなッ!!』
『……』
『……』『……』
『惜しいチャンスを逃したと思うぜ~ェ!? ……まぁ、こいつ等もいて、無理だったんだがな!?』
『……』
【そう、話を振られて、嘆息してしまう長男君が痛そうよ? 痛いわよね~ぇ!?】
【でね、店番の人が、こう質問を、その人に投げかけたそうよ?――】
『――へぇ~……そうなんですね!? じゃあ、ミシマさんから見て、ウチにあるような娘(こ)達と比べて、どっちがいいんですか!?』
『そりゃあそっちが一番いいに決まってるだろ!?』
『やっぱり……そう、なんですよねぇ……』
『うん……』
【店番の人がそう呟きを零し。中々街にそうした人がいない事を、現実的に告げたの】
【怪しい男性の人Bも、同じ思いを共有しつつ、頷き得るほどだったそうよ?】
【ミシマさんはね、こうも続けたそうよ――】
『――あの姉ちゃんも、歳には勝てなかった訳だ……!! あの時点でもう30代後半だったんだぜ!? 今じゃもう40代ちょっとか……!?
もうこうしたチャンスは、他にないからなぁ……。もうホントにラスト・チャンスだったわけだ……!』
『なるほどなぁ……だからかぁ……!? ミシマ!?』
『んっ……!?』
『だから、お前達は散々やってたんだろ!? もうしつこいぐらい、とんでもないぐらいの騒ぎを、ここまで大きくしちまったわけだ……!』
『ハァ……そうなんだよ……』
『なるほど……そうなんですね……。この噂は、それが見え隠れしていたわけなんですね……!? ようやくわかりましたよ……』
『……』『……』
『……』
【ようやく一般見解の理解として、真相が段々と暴かられてきたそうよ?】
【その店番の人はね、こうも辛い事を投げかけてきたそうよ――】
『あれっ!? これってもしかして……!?
ハッ!? 散々あの人は、そのミシマさん達の都合に付き合ったせいで、自分のそうした『最後の婚期』を逃してしまった理由(わけ)ですか!?
そりゃあマズいですよォミシマさん!? どうするんですかホント!?』
『どうすんだミシマ!? こっちとしてはそろそろ手を引いた方がいいと思うが……!?』
『ウッ……だからそれを考えているんだろうが……!? クソッ、あいつがこっちに来てくれればなぁ……話を続けて、何とか結びつけようが……!?』
『……そういえば最近あの姉ちゃんも……』
『!?』
『!?』『!?』
その長男君の呟きに振り返るミシマさんに。
怪しい男性の人に、店番の人。
その長男君の呟きは、驚天動地の思いだった
『前にそうしてきた事があったんだけど……妙に『おばちゃん臭』がするようになってきたんだよな……以前はあそこまで口元が臭くなかったんだけどさァ……』
『! やっぱりお前もそれを感じていたか!?』
『うん!』
『だが、それは本人に言わず黙っとけよ!?』
『わかってるって!』
『……』『……』
何となく頷き得る怪しい男性の人に店番の人がいるのだった。
次いで語るは、店番の人。
『あ~それは多分、あそこにいて喋っているからじゃないですか!?』
『!?』
『!?』『!?』
『そうした雑菌が口の中にいて、繁殖しただけなんじゃ!? それがミシマさん達の所へ行って、『マスクを外した時』に、そう感じただけなんじゃ……!?』
『あぁ……』『なるほど……』
『そーゆう理屈かぁ!』
うん
『……』
と店番の人は、当たり障りのない意見を言って、そう答えを提示したのだった。
『お前、ホント頭いいなぁ!?』
『いいえ、こんな感染症の事態になってから、街行く人たちのマスクを外した時に、感じた事があるだけですよ!
それに、TVでもそうした話題の話が上がっていましたからね!』
『なるほどな……!』
『そーゆう事か!』
『じゃあ、その雑菌は何て名前なんだ!?』
『えっ!? ……そこまではさずがに……!?』
【一同沈黙したらしいわ……】
【原因とその答えがわかっても、そのした口臭の雑菌名まではわからないからね……】


☆彡
【口臭の悪玉菌、ジンジバリス菌とミュータンス菌】
【ウェーブグローバルカード:ヨシュディアエ悪臭ブレス】
【超音波電動歯ブラシの話】
過去から現在の戻り、クリスティさんは、こうも語るのだった。
「――みんなの口の中にもね、当然いるのよォ~~!?
『善玉菌』と『悪玉菌』がいて、腸内と同じように『日和見金』もいるのよ!
まぁ、口の中の悪玉菌の代表格は、『ジンジバリス菌』と『ミュータンス菌』といってね!
この内、『ジンジバリス菌』は、『歯周病の原因』となるのよぉ~!
さあ、アユミちゃんのお口の中に忍び込んで、悪さしちゃうぞ~!?」
「いやぁ~ん!!」
と悲鳴を上げる可愛い少女の泣き声が上がったわ。
さあ、ばい菌と化したお姉様が、攻めちゃうぞ。
「アハハハハ! さあ、お口の中に侵入したぞ!
俺たちジンジバリス菌は、ドンドン口の中で増えて、歯肉に炎症を起こしてやる~~!! ガチンッガチンッ! さあ、痛め! 苦しみがれっ!」
「いやぁ~! お口の中が痛い~!」
「いいリアクションを取ってくれるアユミちゃん、ありがとね!」
「……うん」
そう、これは演技だったわ。
「そうやって、お口の中で悪さをしてね。
歯茎が歯周病で炎症を起こして、歯ブラシをかけた時に――出血がちょっと起こっているのよ? わかるー?」
「なるほど……!」
「あれはそーゆう事だったのね!?」
【ミノルさんも、アヤネさんも、まるで自覚症状があるようだったわ】
【22XX年の現在でも、昔と同じで、歯周病トラブルは、続いているの】
【もちろん、例外もあるんだけどね……』
【貧富格差社会の富裕層か、そうでないかとするもので、格差社会の一部分なんだけどね……!?】
「さすが女医ね、クリスティ!!」
「!」
その声は、3女サファイアリーのものだったわ。
口元に微笑みを浮かべて、
「まぁね~!」
と自信満々に応えたの。
そして、こうも続ける。
「そしてね。アユミちゃんが食べ物を食べる度に、そのジンジバリス菌も、その食べ物を餌にしててね。
ドンドン繁殖して、増え続けているのよ~ォ!?」
「いやぁ~ん!!
……あっ! そうか……昔、アユミが歯医者に行ったときに、先生がアユミの口の中を見て……」
「……?」
「ッ、もうスバル君は聞かないでよォ!!」
「え~~何で!?」
「何でもよ!!」
【それはデリカシーの問題だったわ】
【アユミちゃんはね、こう顔を真っ赤にして、困惑と恥ずかしさが入り混じった感じの対応を取ったの】
【好きな男の子に、自分のそうした恥ずかしい一面を知られたくないからね?】
【女の子はね、見栄っ張りなのよ。だからどこか、そうした夢見している男の子の願望を潰してはいけない、とでも思ってるのかしらね?】
【可愛い】
【その子はね。ちょっと安静にしている感じのスバル君に食ってかかったのよ】
【アユミちゃんにも、こーゆう一面もあったのね】
【だから、近くにいたアヤネさんが、大人の対応を取ってくれたわ】
『まぁまぁ』
『……』『……』
【そうして2人の間に入って、仲裁をかけたわ】
【アユミちゃんは何だか悪い気がして、俯いた感じの顔を下げて、スバル君から、ちょっとだけ距離を置いたわ】
『フフッ……まだまだ手がかかる子ね』
【そんな意味深の言葉をかけるアヤネさんがいて……】
【その顔色は、喪(も)した娘さんをどこかで思い出しているような、そんな哀愁を漂わせるお母さんの姿があったわ】
『……フッ』
【だから、今ばかりは、あたしはその事を言うまい……。胸に秘めていようと思う】
【あたしもそうした女の子の時期があったからね】
『……』
『……』
【この2人の事は、どうか自然の成り行きに任せたいと思う、そんな自分がいたわ――】
『――そのお口の中からね。メタンや硫化水素などのガスが出る訳よ。
歯周病になると、口臭が酷くなるのは、これのせいね!』
『なるほど……そう言えば僕も昔』
『えっ!?』
『女の先生が、糸ようじを使って取ってくれていたなぁ~。強烈に臭く感じたのはそれのせいか』
『あ……』
『フッ……』
『……』
これにはアユミちゃんも、何だか取り越しぐろうのように思えてきて、ほくそ笑んでいたわ。
それは、アヤネさんにしてもそうで、こう思わせるほどだった。
(さすがね……杞憂だったか……)
フッ……
と微笑む感じのお母さんの姿があったわ。
『……』
あっちの心配はなさそうね。
コクッ……と小さく頷き得るあたしがいたわ。
そして、こう続けるの。
『――まぁ、マスクしていた人たち全員がそうね』
『!?』
『その悪臭の臭さの強弱があるだけよ! 知ってる? 饒舌化ほど、また良くしゃべる人ほど、その口元が臭く感じる訳よ!
また、おばちゃん臭がしたという事は、加齢臭からくるものかしらね!?』
『――そう言えば昔御兄さんが……』
『! スバル君の御兄さんが何?』
『あぁ、前に昔、そうしたカードを見せてもらったんだけど……『ヨシュディアエ悪臭ブレス』って言ったんだ』
『『『『『………………』』』』』
えっ……!?
「『次の相手ターンが来るまでの間、対象キャラ・モンスターをプレイできない』んだよ……。
だから、こっちのそうした行動が封じられたから、あれはちょっと強過ぎない……!?』
『あっ! そういえば昔アユミも……!?』
アユミ(あたし)は、顎に手を丸く組んだ指を当て、ちょっと昔思い出そうとしたの。
その時に、クリスティさんから、声が掛かってきて。
『どーゆう人?』
『アメリカ人だよ』
『うん』
『……』
『でね。2人ともその人相手に、コテンパンにのされたの。
『ウェーブグローバルカードの生みの親』らしくて、メチャクチャコテンパンにやられたんだよ!
二対一だったよね? スバル君?』
『うん、ハンデはそれなりにあったけど……、あの人、追い詰めたと思ったら……こう、グンッと引き込んでくるんだよ!』
『そうそう! それでやられたもん!』
『まさか、墓地の再利用をするだなんて思わないからね! 除外(ロスト)ゾーンからも特殊召喚をしてくるし、あれは強過ぎるよ!』
(まさかね……)
あたしは、そのまさかの人物像を思い浮かべてしまう。
もしかしたら、あの人なのかも?

『ミュータンス菌は?』

『!』
『!』
振り返るあたし達、僕たち。
そのお声は、シャルロットさんのものだったわ。
『あぁ、歯茎の中に潜んでいる虫歯の原因菌がミュータンス菌と呼ばれてるのよ!
ミュータンス菌は、『レンサー球菌族の一種で、酸素のあるなしに関わらず、勝手に増殖』するからね!』
『『!』』
これに大きく反応を示したのは、アンドロメダ王女様に、シャルロットさんだったわ。
『ほぅ、それは中々有能じゃのう!』
『これは要チェックポイントですね!?』
『!?』
そして、もう1人、それは意外にも、盲点にも、スバル君だったわ。
(あれ!? 何だろう――!? ンンッ!?』
【それはそうした違和感だった……】
『――アユミちゃんの話に戻るけどね……。
その歯医者のお医者様が、アユミちゃんに見せたのは、このレンサー球菌を顕微鏡で見せたものだと思うわ。
丸い球状の球菌でね。それが連鎖上に繋がった形で見えるからよ。
後はそうね……。
大人の口の中には、実に『300~700種類』もの細菌が生息しているわ!
アユミちゃんが、顕微鏡で見た拡大画像では、せいぜい1000匹ぐらいの範囲だろうけど……。
虫歯の人は、4000~6000億個の細菌が住みついていることになるわね!』
『6、6000億個ォオオオオオオ!?』
『そうよ! だから、歯磨きしないと……おじいちゃん、おばあちゃんになった頃には、全部の歯が抜けてて、
人工プランニングで、モノを噛むようになって、余り美味しく感じないのよぉ~!?
自分の歯じゃないからね!
まぁ、あたしのおすすめは、『単3乾電池を2本使用した』超音波電動歯ブラシね!
バッテリー式のものは、どうしても一手間が掛かって、バッテリー切れを起こした日には……、
日常の生活と病院での長時間に及ぶ手術とじゃ、イライラする時があるのよ!?
こっちは腹ペコだし! 眠気もあってキツイからね!
その点、単三乾電池はどこにでも売っていて、楽に取り換えもできるから、こっちの方が親しまられているわ!
過充電になる心配もないしね!』
『へぇ~……そうなんだぁ……』
『お医者さまって、中々、そうした事があって、苦労してる人もいるのぉ!?』
『少なくとも、あたしはそうだったわ……!
世界中どこにでもまわるから、家庭用屋内配電のVA(ボルトアンペア)の違いもあったからね……!』
『『『『『へぇ~』』』』』


★彡
『今あいつは……!?』
『……』
【怪しい男性の人Bはね。そう言い、店番の人に尋ねたそうよ?】
【でね、店番の人は、そんな希望を断ち切るように、その顔左右に振って、その希望を否定したの……】
【現実はかくも、希望は儚いものね……】
【誰かがそうした場に、偶然居合わせて、思いやりの言葉を持って投げかけてさえいれば、まだ、対処の仕様があったんだけどね……】
【無情にも、現実はそうした希望の糸を、取らなかったのよ?】
【まぁ、詐欺被害者、詐欺加害者とじゃ、そうした見解の声を投げかける人達すらも、出てくるんだけどねぇ~……――】
と首を振るう店番の人。

『『『『ハァ~~……』』』』

『クソッ、もしもこうなったら……!! あいつがこの事を小説に書きだしやがったら、上手く話しを結び付けて、共倒れにしてやる!!』
『!?』
『どうやる気だ!?』
『あぁ、『ラブホテル』の話があっただろ!? それか『盗撮』か!?』
『あぁ、あったな……!』
『その話を上手い事結び付けて、あいつのせいに仕立ててやる!!』
『……どうやるんですか!?』
『あぁ、あそこに『機材』を持ち込んで、『盗撮』しているのは、『実は俺だけじゃない』んだ!!』
『えっ!? そうだったんですか!?』
『ああっ、もう周りでやり方ってやつを仕込んだからな!! それを上手く使ってやる!!』
『どうやる気だ!?』
『そのラブホテルも! この店舗も! そうした事があって、共倒れにしてやるんだよ!!! 『とんでもない騒ぎを起こして』なッ!?』
『『『!?』』』
『何言ってんだミシマ!?』
『そうですよ!! そんな事はさすがにマズいですよ!! もし、そうなったらさすがに警察に報せますよ!!』
『やっぱり無理かぁ……』
『『当たり前だ――ッ!!!』』
『何言ってんだミシマお前――ッ!!』
『そうですよ!! そうなったら自分、ここからもう追い出されて、就職できませんよ!!』
『……やっぱりそうなるか……』

【――えっ!? マジィ!?】
【ラブホテルに、盗撮用の機材を持ち込んで!?】
【そんな事できるの!?】
【100%可能よ!!】
【【【【【ほへっ!?】】】】】
【フフフッ、そうねぇ……日本の電気工事士法の話を持ち出した方が、シックリくるかなぁ!?】
【日本の……】
【ええ! 日本のね。……『認定電気工事従事者』と『特殊電気工事資格者』という枠組みがあるでしょう!?
それに伴う『簡易電気工事』で、『特殊電気工事』にはネオン工事と非常用予備発電装置工事があるのよ!】
【ね……ネオン……?】
【夜の街に輝く店舗に使われてるわね、そのネオンは!?
いわゆるキャバクラや性風俗店舗!
かってのミシマさんが、ヨーシキワーカさんに話してしまった事の1つよ……!
昔そうした伝手で、電気工事を請け負った事があるんだとか……!!】
【【【【【!】】】】】
【もうおわかりでしょう? フッ……】
【ミシマさんなら、そこに盗撮用の機材を仕掛け、後でハッキングの手口を活かして、いつでも見れるってものよ!】
【……】
【そうねぇ、例えば……、有線工事でも、無線送電工事でも、そうしたことは設置工事の時にできるからね!
その『商品名』と『規格番号』を控えて、その業者の方に尋ねる事があるでしょ?
前にもそう話したわよね?
そうした流れ作業を通して、『商品コード』や『パスワード』、『アクセスコード権限など』をやり取りして、
その詐欺グループ間で、やり取りしていれば……!?】
【………………あっ!?】
【クスッ】
青ざめる女性陣一同がいたわ……。
【……まぁ、誤解や語弊がないように断っておくと、その営業店舗には、なんら責任も落ち度もないわよ!】
こう、クリスティさんの魅惑的な唇が【だって――】と動いて。
【仕掛けた人が、行為的にやってるもの……ね!? 背徳心はないのかしら?】
【とんでもない話ね!!】
【うん!!】
【そう、実害なのは、一部の人間であって――その会社にはなんら責任や落ち度もないという事よ!!】
【あっ! 名前だけの器だからかぁ!?】
【あくまで悪いのは、そうした事をする人達、一部の人間って訳ね!?】
【正解!! ……クスッ】


★彡
『そもそもこんな話、あいつはそもそも聴こえてないんだから、最初から元から無理があるだろ!?』
『うっ……』
『そもそもお前なぁ、よくよく考えてみろよ!? 『200年後の未来の話』だぜ!! しかも舞台は、『海外』なんだぜ!?』
『あっ……』
『しまった……そーゆう事か……!?』
呟き得る長男君にミシマさん。
『そうだミシマ!! いくらでもあっちは、言い逃れができるって訳だ!!
あっちはそうした事まで踏まえて、ここまでの作品を仕上げてきたって訳だからな!!
ったく、よく考えてたもんだぜ……たった1人でよぉ……』
『……』
『……』
『……ホントにこれ、あの人が1人で考えたものなんですかァ!?』
『あぁ、そう言っているだろ!?』
『……』
【そこにはね、唖然とする店番の人がいたわ】
【怪しい男性の人はね。こうも続けたそうよ――】
『――向こうの親に取り次いでみたら、その時間帯に、あいつが1人で書いていた……とするものだ。
こっちでもそうした事がわかるように、ハッキングしてて、モニター越しで、みんなで見てたんだからな!
しかも、あいつときたら……ホログラム映像出力装置付きのマウスの設定画面から、『カメラ』機能をOFFにしてただろうしな……!
それでなくとも、こっちにはそうした様子のあいつの顔が見れなかった事から、直接『マウス』に、『マスキングテープ』でも張ってたんだろうな!
そうした確認は、こっちからできないって理由(わけ)だ』
『……ウソ~~ン!?』
『ホントだ!! 向こうの親父さんに、そうした事を何度も確認を取ったぐらいだからな! ……間違いない!』
『……』
『もう下手に動くんじゃないぞミシマ!?』
『!』
『聞いたぞお前……、『あいつの家に押し入った事がある』だろ!?
しかも、『深夜に寝静まった時間』によォ!?
しかも、小屋の中にも入って……そこにあった砥石の色まで当ててるじゃないか!?
周りでもそうした話題が、上がったぐらいなんだぞ!?』
『えええええっ!? 窃盗じゃないですかァ!? この人まさか、そこまでやっていたんですか!?』
【少なくとも、人造砥石も、天然砥石も取られていない】
【だが、取られたものがあった事だけは、事実だ】
【私が確認しているものと、父母たちが確認しているものとでは、聞いていないものと聞いていたとする差異もあり、まったくの別物だ】
【窃盗を働いた以上は、『窃盗罪』にもあたり、『10年以下の懲役』または『50万円以下の罰金』に処さられるのだ】
【しかも、ミシマさんはそれ以外にも、実に多くの罪を犯している】
【そーゆう被害者たちがいて、そうした声を上げれば、実刑判決に結びつくわけだ】
【つまり、罪は犯した数ほど、その種類ほど、重複されるのだ! 厳罰は免れない――】
『――クソッ!! ここまで噂になっていたかァ!!?
やっぱりあん時、そのまま盗んでおくか、叩き割るんだった!!
それかあの時、こっそり、寝ているあいつの背中を刺しておくんだった!!
2本も包丁があったんだから、ちょうどいいしな!!』
『バカかお前!!?』
『あっ!?』
『もしもそんな事になったら、こんな騒ぎで済まなくなるんだぞ!!?』
『知ったことか!!』
『聞いたぞ!? 事前に弟さんに『カギの在処』を聞いたんだってな!?』
『それは誰から?』
『向こうの親父さんを通してだ!!』
『そこまでバレていたのか……!?』
『あぁ、もう周りにバレてる!!』
『クソッ~~!! もうそこまでッッ!! こうなったら!!』
『ンッ!?』
『街中で、人込みに隠れて、あいつを後ろから刺し殺してやる!!!』
【そう、自己主張を肯定しようとするミシマさんがいた。復讐心を、逆襲をその胸に宿す】
【そして、かなり奥っこの方で】
『……』(……)
【その顔立ちは暗がりで隠れていて、伺えないが……。突き刺すような凍てついた感じの、怜悧(れいり)な視線が射貫いていた――】


TO BE CONTINUD……

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