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第42話「見っけ」

「コイツがあの8人を殺したのか……」

焔火はモニターに映っているスキンヘッド男を見ながら静かにそう呟いた。

「この距離だと顔が見えないな……拡大してみよう」

芋洗坂はモニターの下に置かれていたキーボードを操作してモニターの映像を拡大した。それによりスキンヘッド男のご尊顔が露になった。

「うわ、悪そうな顔してやがる」

スキンヘッド男の顔を見た焔火は、思わずそう声をあげた。スキンヘッド男の顔は、アウ◯レイジに出てきても違和感のない様な凶悪な顔であったのだ。

「それにしても恐ろしい能力だ……あんな離れた距離からボルトを飛ばすなんて……」

芋洗坂は険しい顔でスキンヘッド男を見ながらそう言った。

「芋洗坂さん、犯人はこのアウ◯レイジハゲで決まりだとして、殺された被害者達の共通点って分かったんですか?」

「ん?ああ……被害者達は全員、体に赤色の物を身に付けていた……ってところかな、自分なり調べて分かった事は」

「ほ~……全員赤色の物をね……」

「ああ、さてと燈君、早速この男を捜そう」

「うっす」

「あ、そうだ、捜索用に写真を刷らないとな」

芋洗坂はスキンヘッド男の写真を2枚印刷した。そしてその内の1枚を焔火に渡した。そしてその後2人は警視庁を出て、二手に分かれてスキンヘッド男の捜索を始めた。


「──すいません、この男捜してるんすけど見てないっすか?」

焔火は再びバイクで中野区に戻り、その辺にあった駐車場にバイクを停め、街中で聞き込み捜査を行っていた。

「う~ん……すいません、見てないです」

焔火に向かって、そう答えた20代くらいの若い女性。

「そうっすか……ありがとうございます」

焔火は女性に礼を言った後に、他の街を歩いていた者達に片っ端から聞き込みをしていった。


(──う~ん……中々見つかんねぇな……)

あれから1時程聞き込みをした焔火であったが、目ぼしい情報は得られずにいた。

(……これ以上ここで聞き込みしても無駄だな……場所変えっか)

焔火がそう思った直後に、彼の50m程前方に、とある人物の姿が目に留まった。

「あれ?アイツってまさか……」

その人物とは例のスキンヘッドの男であった。スキンヘッド男は何かを探している様子で、キョロキョロと辺りを見回していた。そんなスキンヘッド男の元に焔火はゆっくりスタスタと近づいていった。

「なぁ、そこの毛の無き者、ちょっといいか?」

焔火は、スキンヘッド男に向かって、そう声をかけた。

「ああ?」

スキンヘッド男は、眉をひそめ、額の血管をピクつかせながら焔火の方へと顔を向けた。

「なぁ、単刀直入に聞くんだけどよぉ……あんた今日、中野駅付近を歩いてた一般人8人を殺しただろ?」

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