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第43話「賞金20億」

「……何言ってんだてめぇ」

焔火の質問に、スキンヘッド男は怪訝そうな表情でそう答えた。

「いやいや、しらばっくれても無駄だっつの、防犯カメラの解析からアンタがミュータントで、能力を使って8人の一般人を殺したって事はバレバレなんだよ」

焔火がそう言うとスキンヘッド男は、数秒間沈黙した。そしてその後ニヤリと笑みを浮かべ、口を開いた。

「お前……何者だ?」

「俺か?俺は刑事代行燈焔火だ」

焔火の発言に、スキンヘッド男は顔をしかめた。

「刑事代行……?いや、そんな事よりも燈焔火だと?燈焔火……燈焔火……あ!お前!霧崎や五条を倒した奴か!」

スキンヘッド男は、両目をまん丸にさせながら焔火に向かってそう言った。

「ほ~……俺を知ってんのか」

「くっくっく……なるほど……こりゃあついてるぜ……」

スキンヘッド男は、焔火を見ながら不穏な笑みを浮かべた。

「あ?ついてる?何が?」

焔火がスキンヘッド男にそう聞くとスキンヘッド男は突然右手を焔火の方へと向けた。

「こっちの話だ、お前にゃ関係ねぇ、とりあえず死ねよ」

スキンヘッド男がそう言った直後に、突然近くに停められていたスクーターが物凄いスピードで焔火の方へと飛んでいった。

「うおっと!?」

焔火は、飛んできたスクーターを咄嗟に蹴り飛ばした。

「ぶごっ!!??」

焔火が蹴り飛ばしたスクーターはスキンヘッド男の顔面に直撃した。

「ぐっ……!!野郎……!!」

地面に片膝を付け、鼻からポタポタと血を流しながらギロリとした目付きで焔火の事を睨み付けたスキンヘッド男。

「なぁ、さっきも聞いたんだが、もう1度聞くぜ?お前今日、中野駅付近を歩いていた8人の一般人を殺しただろ?」

焔火が質問するとスキンヘッド男は、ゆっくりとその場で立ち上がった。

「ああ……そうだ……俺が殺した」

スキンヘッド男は、静かにドスの効いた声で、そう答えた。そんなスキンヘッド男に焔火は、どんどんと質問を続ける。

「お前は殺戮会とかいう組織のメンバーか?」

「ああ、そうだ」

「つー事は……あの8人は、"殺人ゲーム"とかいうのに則って殺したのか?」

「ああ、その通りだ、へへ、にしてもお前詳しいな、組織の事だけでなく殺人ゲームの事まで知ってるなんてよ」

「ああ、杏奈ちゃ……警視正殿からお前らの事は詳しく聞いてるからな」

「ふ~ん……そうかい……ところでここで1つ良い事を教えてやろうか?」

「あ?んだよハゲ?」

「お前……最近組織内の中で20億の賞金が掛けられたぜ」

「は?」

スキンヘッド男の突然の発言に、焔火はポカンとした表情を浮かべた。

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