第41話「犯人はコイツだ」
「怪しい奴?う~ん……見てないわねぇ~……ごめんなさいね」
「怪しい奴か……悪いね、見てないよ」
「すまん、見てない」
「ごめんなさぁぁぁい……❤️アハン……❤️そんな奴……❤️見てないわぁぁぁん……❤️オッ❤️ヤッベ❤️」
「いいえ、見てませんよ、そんな事より、あなたは今幸せですか?いいえ、幸せじゃありませんね?なにせあなたからは負のオーラが漂っていますもの、そんなあなたにピッタリの素晴らしいサークルがあるんですが入りませんか?ちなみに入会費、年会費は一切掛かりません、どうです?入りましょうよ、人生が物凄く変わりますよ、現に私は変われました、あ、ちなみに私は元々……etc」
「قضيبي صغير، وهذا أمر شنيع」
焔火は事件現場周辺で聞き込み捜査を頑張っていた。しかし、思うようなめぼしい情報は得られずにいた。そして捜査開始から2時間が経った頃に芋洗坂から電話がかかってきた。
「はいもしもし?こちら燈」
「もしもし燈君?何か分かった事はあったかい?」
「すんません、何もめぼしい情報は得られませんでした」
「そうか、まぁそういう時もあるさ、気を落とさないで」
「はい」
「あとそれとね、今から君に警視庁まで戻ってきて欲しいんだ」
「え?何か分かった事でもあったんですか?」
「ああ、色々と分かったよ」
「そうっすか、んじゃあ今から戻ります」
「ああ、待ってるよ」
2人は通話を終了させ、その後焔火はバイクに乗って警視庁へと戻っていった。
「───これを見てくれ」
芋洗坂は警視庁内のある一室で、焔火に小さなモニターを見せた。モニターにはある街の風景が映し出されていた。
「これって中野駅周辺の映像ですか?」
「ああ、今日の午後7時30分頃のね」
「ほえ~……誰か怪しい奴でも映ってたんですか?」
「まぁ……見てれば分かるさ」
芋洗坂に言われ、焔火はしばらく映像を眺めていた。
「ん?」
焔火は数分経った頃に、映像の中の異変に気がついた。それは何かというと、中野駅の近くに建てられていた人気の全くないビルの屋上にスキンヘッドの男が現れたのだ。(コイツ……怪しいな……)焔火がそう思った直後にその男は、駅の方に向かって右手を向けた。すると男のいたビルから8本のボルトが突き出て、駅の方へと飛んでいったのだ。そしてそのボルトは例の8名の額に突き刺さり、8名は地面に倒れた。
「芋洗坂さん……これ……」
「ああ、犯人はこのスキンヘッド男で間違いないだろう」