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日常


 食堂での、食事が終わり。ゆっくりしていたら。

夜になったので、魔王城でアルトリウス一行はやることもないので、各々休む。



 僕は廊下を歩いていると、居間から仲間たちの会話が聞こえた。



「うっっぷ、やべぇ~」



「いや~、こっちの料理は、独特でおいしいねぇ~、酒のつまみに持って来いだ!」



「ほい! メリネ! こんにゃこそ、お前にきゃちゅう!」



「お~? もう既に酔ってるのに~?」

 メリネはニヤニヤしながら喋る。



 バレットは席を立ち、リールーのもとへ行く。

「ふぉい! りーるぅー、ぉれに、まふぉう、かけぇ....」

バレットは、床に倒れた。



「あ、寝た」



「おも」

リールーは口角を上げた。



「まったく~、無茶するからさぁ~リールー運んであげて」



「や」



「アルトリウスとバレットのお風呂写真付きで」



「ほんと! 運ぶ!」



「あい~ありかと」



 僕はなんか、聞いてはいけない事を聞いた気がしたが、忘れることにする。



 リールーがバレットを浮かし、メガネを拭きながら居間を出ていき廊下でアルトリウスに会う。

メガネを掛け直して。

「よ」

っと言いバレットを運んでいく。



 僕はリールーが去っていくのを見ながら居間に入っていく。



「あ! アルじゃ~ん」



「メリネさん、もう寝たらどうです?」

メリネの瞳は青く宝石のように美しいのだが、その他はだらしないと言い切れる。

(ちゃんと整えれば美人さんなのに....)



「ぷっはぁ~! 痺れる!」

 メリネはテーブルに酒の入ったジョッキ樽を勢いよく置いた。



「あ~あ~、服に飛びましたよ!!」



「え~~? いいの、いいの!」

メリネはそう言い灰色のタンクトップを触った。



「はぁ~、着替えもってきますからね! ああ、あと! そんなだらしない服やめて、ちゃんとした服、持ってきますから!」



「ええぇ~、いいよおぉ~」

 メリネは立ち、アルトリウスを止めに行くが、メリネは足がもつれる。

「あ」



 アルトリウスは転びそうになるメリネの場所に行き、体を支えた。

「もうお酒はやめて、部屋で寝ましょ! うん! それがいい!」



「え~、まだ飲み足りないよ~、、」



「あ~聞こえない、聞こえない」

っと言いメリネの腕を自身の肩に乗っけて、無理やり部屋へ送り届けた。





「いいですか! 今日はもう静かに寝てくださいよ!」



「へ~い」

 ガチャンっと、扉がしまった。



「やれやれ....」

(まるで、四十代のおばさんだよ。あれで、二十六歳って....)

っと思いながら、僕は自分の部屋に戻る。





 部屋に着き。

「はぁ、疲れたぁ~」

っとベットに横になる。



「明日はちゃんとアトラさんに、お手合わせさせて、もらわないとなぁー」



 僕はベットの上で体を動かそうと横にズレた。毛布の中で、何かモゾモゾしていた。

びっくりし毛布をめくると、頭に角の生えた少女? が苦笑いでこちらを見ていた。

「や、やぁ!」



「モニアさん! なんでこんな場所に!」



「ちと、お主の匂いを嗅ぎにな!」



「えぇ~....」



「んな! ち、違うぞ! ちゃんと理由があってな! えーと、そーのー」



「理由は?」



「けっこ....」

 僕は最後まで聞く事はなく、モニア部屋から追い出した。



「うわ~ん! ちょっとだけじゃ、ちょっとだけでいいんじゃぁ!」



 扉の向こうから声が聞こえるが、無視し寝ることにした。









 アルトリウスは魔王城の庭で特訓していた。



「あー、あはよ、アル~」

 ノエルは片手にパン、もう片方にハムみたいな肉を持っていた。



「ああ、おはよう、ノエル」



 アルトリウスはノエルを見るといつも思ってしまう。

(黙っていれば美しいエルフ、口を開けたら暴食のエルフ、救いようのない残念なエルフだな~)

っと。



 ノエルは食べながら喋る。

「朝から特訓? えらいね~、はむはむ」



「勇者だからね。これからアトラさんが来て、一戦交えるんだ」



「へー見てっていい?」



「いいけど、危ないから端の方で見てろよー」



「はーい」

 ノエルが移動し座った時。





「じゃ、じゃーん! 魔王様の登場よ~ん」



「アトラさん、おはよ~」



「アトラさんおはようございます! さぁ! やりましょう!」

 アルトリウスは気合の入った挨拶をする。



 アトラはノエルに近づく。

「あら、ノエルちゃん! おは!」

っと言い近づいてくとノエルのパンとハムに目が行き、アトラ腰に手を当てる。

「も~あなたまた、保管庫から食べ物くすねたわね~!」



「えへへ~」



「まったく~、食べすぎは女子の敵よ~」

アトラはそう言いながら、ノエルの金色の長い髪を結ゆうんで、お団子にした。

「はい! かんせ~い。これで口に髪が入らないでしょ!」



「わはぁ~ありがとう!」





 アルトリウスは思う。

(俺はここに存在しないのか?)

っと。





「さぁて~、アルちゃん、本当にやるの~?」



「もちろんです!」

 アルトリウスは武器を構える。



「アルちゃんはさぁ、何でそんなに強くなりたいの?」



「勇者だから! って言うのは建前で、本当は、強者たちを超えてみたいのです!」



「ふ~~ん....」

 アトラはノエルにバリアを張った後。

アルトリウスに人さし指をかかってこいよ、みたいな感じで指をクイット上げる。





 アルトリウスは右手に剣を持ち、左手に光る剣を形成させた。

そしてアトラに突撃し、二つの剣で切りかかるが全てかわされる。

 続けてアルトリウスは剣をアトラに連続で振り、振っている途中で光っている剣を上空に投げ、またすぐに光る剣を形成してアトラに剣を振り続ける。



 数十秒も経たずに上空から光る剣が落ちてきた、一本、二本と段々数が増えていき、二人は剣の雨に巻き込まれた。二人は剣の雨をかわしながら、続ける。





「わ~、すご~い、綺麗~」

 ノエルは持っていた食べ物を完食したので、次のを取りに行こうとしたが、バリアを張られており、出れないので引き続き二人を見た。





 アルトリウスは剣先を地面に少し刺し、小さな爆発を起こすと煙が舞って、何も見えなくなった。

 剣の雨をかわしながらアトラから距離をとり、アルトリウスはアトラ向かって持っていた剣を二本投げ。すぐさま、アトラの背後に周り一本の光る剣で切りかかる。



(よっしゃ! 完璧!)

っと、思ってしまった。

 アトラを切ったが、切った感覚がなかった。



「はい、ボ~ン」



 声が聞こえた方を見たらデコピンされ、アルトリウスは吹っ飛んだ。

何とか体制を整え、壁に激突する前に耐えきり。

「あー!! 勝てなーい!」

っと言い後ろに、大の字になって倒れた。



 アトラはノエルのバリアを解除し、アルトリウスもとへ行く。



 ノエルはどこか走って行ったようだ。



「アルちゃん、だいぶ....」

 アトラが喋っている最中、聞き覚えのある声が聞こえた。



「アル~!」

っと言いながらモニアが、大の字になっているアルトリウスの胸元へ飛び込んだ。



「あ! モニアさん、おはよう!」



「アル! 怪我無い? スンスン、ハァ~」



「怪我はないです!」



 モニアはアルトリウスの胸元で、左右に顔を振り何かしている様だ。



「モ、モニアさん? な、何してるんですか!?」



「ぐへへへ~」



「姫様~!」

 モニアの来た方角から、二人誰か来たようだ。



「姫様! まだ、お着換えの途中スケ!」



モニアは、アルトリウスの胸元に顔を埋うずめながら、話す。

「いやじゃぁ! モルモー、スケスケ! どっか行けじゃあ!」



「ほら! 行きますよ!」

 二人はアルトリウスの胸元からモニアを離して、引っ張って行く。



「うえ~ん! クソおやじ! アルいじめたら、許さないからのー!!」

 三人は、来た道を戻っていった。





「まるで嵐だなぁー」

っとアルトリウスは言い、モルモーさんとスケスケさんに、挨拶し忘れてた事を後悔した。



「まったく、うちの子はいつ、親離れしてくれるのかしら?」

 チラチラとアルトリウスを見る。



「....ど、どうでした? 今回の一戦は!?」



「まぁ、前回より強くなっていたわ、でもまぁ、まだまだあたしには、勝てないわね!」



「そっか~..でも、成長してるのか!」

アルトリウスは自身が成長してることに喜びを感じた。



「さあさあ! 今日はもう、ゆっくり休みなさい!」



「はい!」

 アルトリウスは立ち、自分の部屋へ戻る。





 アトラはこの時アルトリウスの後ろ姿を見て、なんだか懐かしい気持ちになりながら、厨房へと向かう。









 夜になり。



 アルトリウスは部屋で筋トレしていた。

すると、コンコンっと部屋をノックする音が聞こえた。



「アル! いるか!?」



「どうしたんだい? バレット?」



「今からよ! 露天風呂行こうぜ!」



「あれ? 今日は女性の日じゃあ、なかったけ?」



「なぁーに言ってんだよ!? 今日は男の日だろ! 掛札見たら分かる!」



「う~ん、よし! 行こうか!」

 アルトリウスは自身の半裸を触り、汗でベタベタなので今日は露天風呂でサッパリしようっと思い、着替えを準備する。







 脱衣所の前まで来たアルトリウスは掛札を見た。

「ほんとだ! 今日は男性の日だったのか~」



「だろぉ! お前~、日にちの感覚ずれてんじゃあねぇ〜の?」



「ハハ! そうかも!」



 二人は脱衣所に入っていく。



 アルトリウスは脱衣所を見渡しながら着替える。

(どうやらこの銭湯を設計したのは三代目様らしい。独特な雰囲気で、とても落ち着く、皆から好評な場所。流石、三代目様!)

そんなことを思いながら、脱衣所で着替え終え。



 お風呂場へ向かう途中、バレットが突然腕を上げた。



「どうしたんだい? バレット?」



「んぁ? いや、腕が痒くてよ!」



「そ、そうか」



「ほらほら! 早く入ろうぜ!」



 アルトリウスはバレットに肩を組まれて、風呂に連れて行かれる。





 アルトリウスとバレットは水玉で体の汚れを落とし、露天風呂に向かった。



「いや~! しみる~!」



「疲れた体に、丁度いいよ~」

 アルトリウスが、ふぅ~っと体の力を抜いているとバレットが腕を掴んで、大きい岩の後ろへ隠れた。



「うわ! バレットなんだい?」



「しっ! 静かに喋ろ!」



「え? どういうこと?」



「今から、女達がくる!」



「はぁ~!?」



 バレットがアルトリウスの口を押える。



「うるせー! バレたらどうするんだ! 俺達消されっぞ」



「ん~~!」



「あぁ、わり」



「なんで!? 今日は、男性の日だろ!?」



「ふふ、全てリールーに頼んだ」



「ま、まさか、幻覚!?」



「そう、だから掛札はホントは女の日だぁ~!」



「ば、バカな!? で、でも、服があるから....」



「ハハ! リールーに透明にさせてもらった!」



 アルトリウスは絶望した。早くここから出なければ! っと思い、動こうとするが、声が聞こえた。



「いやぁ~! 相変わらず、いい風呂だね~!」



「うんうん! 早く入ろ入ろ~!」



「なんで! クソおやじがおるんじゃぁ!?」



「いや~ん、いいじゃな~い」



 バレットは思った。

(なんでちびババアとアトラさん居るの? 俺はノエルとメリネしか来ないと聞いていたはずなのに。しかも、アトラさんはマズイくね?)

そして、小声でアルトリウスに話しかける。

「おい! なんでアトラさん居るんだよ!?」



「し、知らないよ! それよりもどうしてくれるんだ!? ここで見つかったら僕は一生、変態呼ばわりだ!」



「いいかアル、俺達は男だ。そして、仲間には美女二人だ。つまり、そういうことだ」



「え~....もう、正直に謝ろうよ..」



「ダメだ! ここまで来たら、二人のボディを目に焼き付ける!」

 バレットは岩影から顔をだし、女達の方を覗く!

 それは、素晴らしい光景だった。二本の足があり、真ん中に何かぶら下がっていた。

(..輝いて見えるぜ....)

そんなことを思っていると。



「いや~ん、むし~!」



 バレットはアトラにデコピンされ、空彼方へと飛んで行った。



 メリネは大きな音がしたのでアトラに質問する。

「アトラさ~ん、どうかした~?」



「おっきい虫がいたから飛ばしたの~。もう一匹いるから、飛ばしとくね~」



「うへ~、気持ち悪~」



 アトラはアルトリウスに近づく。



「アトラさん! ぼ、僕は違うんです! だまさ....」



「覗きは~女の敵よ~ん!」





 アルトリウスは空彼方へ飛ばされ、空中で誰かに回収された。



「よ」



「うあわ! リールー!」



「こいつ! 俺らの事、裏切ったんだ!」

 バレットも回収されており、空中に浮いている。



「は」

っとリールーが言うと、バレットの体が高速回転し始めた。



「うわあああ! お、俺が悪かった! 早く止めてくれ~~!」



「はぁ、リールーなんでバレットに手を貸したんだ?」



「ん」

っと言い、写真を一枚出した。

 それはバレットが鏡の前で決めポーズしてる全裸の写真だった。



「まじか....」

 アルトリウスはドン引きした声が出てしまった。

「じゃあなんで? うら..アトラさんを手伝ったの?」



「ひ」

 リールーは顔をプイっと横に振る。



「そ..そうか..」

(もう、何でもいいや、疲れた。早く休みたい)





 その後、アルトリウスは無事に部屋へと帰れたが、バレットがどうなったのかは知らない方が幸せだろう。

 アルトリウスはベットに横になり、皆から変態呼ばわりされる夢を見ながら寝るのであった,,。



 今日も平和な? 一日でした。







 それから数日経過し。

 僕達はパルンテ人国に帰ることにした。



「では! お世話になりました!」



「アル~、寂しいよ~」

 モニアは今にでも泣きそうな顔で見てくる。



「アルちゃんまたね!」



「アル様、また会いしましょう」



「これからも、頑張るスケ~」



 皆、手を振ってくれていた。

僕達も手を振り、瞬間移動装置に上った時。



「アルちゃん、仲間は大切にね! これは三代目の、名言の一つよ!」



「ほんと!? くぅ~! 教えてくれてありがとう!」

 僕は初めてアトラさんから、三代目様の情報が聞けて嬉しかった。

「それじゃあ!」

僕は最後に笑顔で大きく手を振る。







 僕達は消え、次はパルンテ人国、王都ホッカイへと向かった。



 瞬間移動装置に僕達が現れ、そこには三人、人が立っていた。



 先頭の女性が喋る。

「おかえりなさいませ、ベルフェト・アルトリウス様方」



「ただいま! ソフィエルさん!」



 そこには、光の騎士団がいた。

団長エリザベッタ ・ソフィエル、副団長ラカン・エリオ 、広報オーブリー・ガロ皆、頭を下げていた。



「みんな、頭を上げていいよ!」



「はっ!」

っと言い、三人は頭を上げる。



 規律正しくソフィエルが喋る。

「今回は、どの様な御用で?」



「いや~ただやることがないから、帰ってきただけです!」



「そうですか。なら、ごゆっくりどうぞ」

 そう言い、ソフィエルは解散の合図を出し、去っていく。



 ソフィエルとガロは、城に戻っていく。エリオは残り話しかけてくる。

「アルトリウス! ひっさしぶり~!!」



「エリオ~!!」



 二人は近づき、熱い握手をする。



「ひやぁー!」

っと、興奮した声が仲間から聞こえた気がするが、無視。



「アルトリウス、今日もう俺やることないからさ、飲みに行かね?」

「朝から!? でもいっか! みんなぁー! しばらく、解散で!」



 みんなは、ほーいっと言い散るが、二人こちらに近づいてくる。



「おいおい! 今二人で飲みに行こうとしてただろ!?」



「エリオ、お姉ちゃんを誘わないとは、どういうことだい!」



「ねぇさん! 親友二人の飲みを、邪魔しないでくださいよ!」



 僕はエリオの肩に手を置く。

「まあまあエリオ、次は二人で飲もう。今回は諦めるしかない、厄介な二人に聞かれてしまったからね」



「はぁ~、クソ~....」







 四人は移動し、飲み屋に来ると早速飲み、雑談をしている。



「あ~あ、バレットもう潰れたよ~、アハハ!」



「ねぇさんが、飲ませすぎなんです!」



「うるさいわねぇ~! ていうか、あんたまだソフィエルさんの事好きなの~??」



「ぶほぉ!」

 僕は親友でありながら、初めて聞いたので飲み物を吹き出した。



「わぁ! 汚いぃ~」



「ご、ごめん..」



「ねぇさん! 言わないでよ! 約束したでしょ!」



「そうだっけ~?」



「はぁ~」

 エリオは話題を変えるべく、話す。

「そういえば最近、サンタンジェロ城でフードを被った怪しい男を見たんだ」



「あ~、話しそらした~」



「う、うるさい!」



 僕はソフィエルさんの事好きかどうか気になるが、あえて聞かないことにする。



 メリネが一口の飲んだ後、エリオに聞く。

「んで、そのフードの男は捕まえた?」



「いや、逃げられた」



「へぇ~、あんたから逃げ切るって、相当の手練れねぇ~」



「特に被害は無かったが、これからは警備兵を増員しようと思うんだ。何かあった後じゃあ、遅いから」



 僕は少し残念気味に喋る。

「そうかぁ、こんな平和な世の中に、怪しい人物とはね..」



「はぁ~あ、真面目な話で酒が不味くなる! エリオほら、飲め飲め!」



「ぐぅ! た、助けてくれ! アルトリウス!」



 僕は見て見ぬふりをし、考える。

(フードの男か..いいやつか悪い奴か、どちらかわからないけど、一体何が目的だったんだろうか? それにサンタンジェロ城は一般人は立ち入り禁止のはず。もしかしたら内部の人間か? しかし何のために?)

っと考えていると、ジョッキが飛んできた。

 僕はジョッキを受け止めて、メリネの方を見る。



「ほらほら! アルも飲め~~!」



 どうやら、エリオは潰されており。次の標的は僕だった。

メリネが僕に近づき無理やり飲まされ、考える事が出来なっくなった。









 サンタンジェロ城内。



 王座に一人の王が座っていた。

 今日も、平穏な一日を過ごせるっと思っていた。

すると一人の兵士が扉を開け、慌てた様子で走ってきた。



「王様! ご報告が!」



 兵士は息が乱れており、周りをキョロキョロ見ている。

王は何かを察し周りに居た従者達を、王の間からいなくなるよう命じた。



「兵士よ、こちらによれ」

 妙に威厳と落ち着きを加えた声が間に響く。



「は!」

 兵士は王の耳元で呟くように話す。



「うむ。そうか、確かアルトリウス達は帰ってきてたな。今すぐ呼んで来い」



「は!」

 兵士は一礼し走っていった。



 王は呟く。

「なぜ、平和はこんなにも、長く続かないものなのか....」

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