勇者
トラの様な顔、姿、をした男は喋る。
「アルトリウス様方、行かれるのですね」
「はい、ヨアンさん、もう長いことビース獣国には、居ましたからね」
「そうですか。では、またいつか、お会いしましょう」
ヨアンの隣に居た、やる気のなさそうな男は喋る。
「いや~、も~う~、来なくていいぞ~」
「カリスさん! 冗談でも、駄目ですよ!」
「いや~、まじで」
「はぁー、相手は勇者様ですよ!」
カリスは、手を頭の後ろに持っていき、外方を向く。
アルトリウスは喋る。
「カリスさん! 次は絶対! お手合わせを、お願いします!」
アルトリウスの仲間は、クスクス笑っている。
カリスは、アルトリウス達に早く行けっと、追い返す様に手を、シッシっと、やった。
ヨアンは、ムスッとした顔を、カリスに向けていたが。
アルトリウスの方を見ると、笑顔になり。
「では、アルトリウス様方、またのお越しを、お待ちしております」
「はい! また」
アルトリウス一行は、瞬間移動装置の上に立ち、二人に手を振りながら、姿を消した。
この、瞬間移動装置は、床に設置されていて、かなりの人が立てる、デカさだ。
瞬間移動装置は、世界に四つしかなく、各国々に一つずつ、おいてある。
そして、アルトリウス達は、世界に何らかの、異変がないか遊びながら、国々を旅をしている。
アルトリウス一行は、次の国についた。
場所は、デーモン・バビル魔国、王都ダス・グアロ。
瞬間転移装置の上に、アルトリウスが現れると。
「アル~!」っと小さい女の子が、アルトリウスの胸元を目掛け、飛び込んできた。
「モニアさん!」
僕は、モニアをキャッチしようとした。が、僕はモニアをかわす。
「うっ!!」
ドンっと、後ろに立っていた、仲間、バレットの腹部に、モニアの頭があたり。
一緒に遠くの壁へと、激突した。
ドォォンっと、大きな音を立てて、壁がへこんだ。
モニアは、アルの方へ振り返った。
「アル~! なんでかわすの!」
「モニアさん! 僕がそれを受けたら、死んじゃいますよ!」
ガシャンっと、鎧が動く音が聞こえ、モニアの後ろには、バレットが立っていた。
「お、お! おいー!!」
っと、バレットがモニアに向かって、何か言っている。
「いってっー! じゃぁねーーか!」
「なんじゃぁ、お主? 壁から出てきおって」
「お前と一緒に! ぶっ飛んだんだよ!」
「うう、お主、うるさいのうー、、」
アルトリウス達は、その光景を苦笑いして、見ていると。
「アルちゃ~ん!」
と、変わった人が来た。
「あ! アトラさん!」
「お久じゃぁ~ん!」
この人はこの国の魔王で、尊敬できる人だ! 喋り方はあれだが、れっきとした男性だ。
「アトラさん! 早速、お手合わせ、お願いします!」
「もう~、そればっかり!皆、お腹、減ってな~い?」
アルトリウスの仲間の一人が。
「はい! はーい! 私、お腹ペコペコだよ!」
と言った。
アトラは奥の二人に聞こえるように、手をパンパンっと、叩き。
「ちゅ~も~く! これから、ご飯にしま~す。はい! 食堂に、行きましょ~」
と言い、アトラは、先に出ていく。
皆もそれに、続いていく。
食堂は広く、みな席につきご飯を囲む。
アトラは、手を祈るように握り。
「それじゃあ! 勇者様に感謝を」
全員、手を祈るように握り。
「勇者様に感謝を」
っと言う。
僕は、ご飯を食べ始める面々を見ていった。
まず、僕の右隣りは槍使いの女性で、名前はラカン・メリネ。
とても強く、僕が勝てないぐらい強いし、たくましいのだが、問題点が一つ。
「ねぇー、酒まだ~?」
そう、酒癖が悪い、、もう、、ホントに。
止めさせようとしたけど、槍もって暴れだしたから、諦めたよ....。
次は左隣り、彼女はさっきお腹ペコペコだよ! っと、言っていた僧侶だ。
名前はルヴァスール・ノエル。
とてもお人好しで、元気な子なんだけど、問題点が一つ。
「うう~ん! おいし!」
そう、食いすぎなのだ。
どこにそんな胃袋あるの?って、言いたくなるほど食う。
僧侶は激しい動きをしないから太るよって言い、食事制限をしたら、逆にノエルは太ったよね。
もう、意味が分からないよ。
んで、食事制限を辞めたら、痩せていったよ....はぁ。
次に、机を挟んで。
僕から見た、正面の彼はさっきモニアに、腹部を頭突きされた人、盾使い。
名前はアディノール・バレット。
彼は女好きで、常に態度がデカい、つまりいいとこが、無い。
強いて言うなら、ムードメーカーだ。
ああ、あと、やる時はやる男らしい。
自分で言っていたので、ホントかウソかは、分からない。
でも、なんやかんや、皆と仲はいい。
その次、バレットの左に居るのが、必要最低限しか喋らない人で、魔法使い。
名前はデシャネル・リールー。
彼女は基本は喋らないけど、僕とバレットが、じゃれ合っているとなんか、興奮しだす。
まぁ、面白い人だね。
でも、彼女にも問題点がある。
例えば、水を取ってきてを。水、てだけで伝えてくる。
超難解だ。
「おい....」
はい、これです。
これは、おいしいか、美味しくないの、どちらかで、大体は表情を見れば分かります。
今、口角が上がっているので、これは、おいしいです。
はぁ、一番疲れる人かも。
次はバレットの右に居るのが、モニアだ。
エウダイ・モニア。
魔王の娘だ。
モニアには小さい時から、お世話になっている。
一緒に遊んでくれたり、一緒にお風呂を入った中で、お姉さん的な存在だ、身長は小さいが。
ただ僕が小さいころから、いつ結婚する?とか、もう交尾できる年齢か?、って聞いてたらしい。
正直、この情報はいならなかった。
アトラも、いつ娘を貰ってくれる?って聞いてくる始末、なんだか、悲しい。
モニアは先からずっと、バレットっと、口論している。
「なんぁで! うぬが、わしの隣なんじゃぁー!」
「んだとぉ~! なんで俺も、こんなおばさん! の隣で、飯食わなきゃ~いけねぇんだよ!」
「おばっ! おばさんじゃぁと~!?」
モニアはバレットに掴みかかり、更に激しく口論し始めた。
僕はそっと目を離し、机の先頭に目をやる。
そう、そこに座ているのがこの国の王。
二代目魔王、エウダイ・アトラ
もう、何年も王をしている。
超強く、僕じゃ手も足も出ない。
でも、いつかは超えて見せる人物だ!。
僕は、三代目勇者に憧れているので、三代目について聞くのだが、何も教えてくれない。なんなら、聞いた瞬間。
お化粧のお時間よ~って、言ってきて。
僕は女装させられるので、悔しいが、三代目について聞くのをやめた。
そして、最後に、僕!
七代目勇者、ベルフェト・アルトリウス。
よくみんなから、アルって呼ばれている。
昔ある人に拾われ、ここまでスクスク育った、勇者!
紋章は二、三年前ぐらいに、出てきて。四十、五十年ぶりの、勇者誕生だとか。
んで、パルンテ人国の王は、勇者が誕生したっと言う事は。
この世界に何らかの異変が起きるっと予期し、勇者に仲間を与えて。
勇者に異変を探してこい。って言ってきた。そして旅に出て、二年弱過ぎたけど、ただ遊ぶだけ。
どこ行って、平和で、な~にもない。
でも、僕には、一つ目標がある。
それは、三代目様みたいに、強くなる事! 小さいときに、読んでもらった、三代目勇気伝。
あれは、本当に僕の心に痺れた!
一人で何もかも倒すとか、もう、カッコよすぎる!
だから僕は、強者に挑み! 強くなろうと頑張っている!
僕は気持ちが高ぶり、突然席から立ち、ガッツポーズを決めた。
皆、急に立ったアルトリウスを見て、驚いていた。
「あ....ごめん..」
僕はゆっくり席に座った。
今日も世界は、平和です。