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第6話 くまの編みぐるみ?

本日2話目です。明日からしばらく夕方更新のみの予定です。よろしくお願いします。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜

『く、クマの編みぐるみさん、ですか?』
いったいどういう?

〖そう。覚えてない?貴方は知っているはずだよ〗にこ

『私が、知っている?』
なぜ?

〖そうだよ。白いくまさんだよ〗にこにこ

私が知っている、白い、編みぐるみのくま、さん?
まさか⋯思い当たるものは一つしかない。でも、何故それがここに?主神様を見上げると

にこ
〖思い出してくれたかな?そう。貴方があの子のためを思いながら作ってくれた、あのクマの編みぐるみさんだよ〗

『私が、孫のために編んだ、あの編みぐるみが、私の魂の半身?』
ほんとに?何故ここに?しかも、何と仰ったかしら?たしか

〖目覚めたんだよ。あなたより先にね〗にこ

聞き間違いじゃなかったのね⋯も、もう訳が分からないわ

〖あはは。訳が分からないって顔だね~〗

『は、はい』
そりゃあ、もう

〖やっぱり覚えてないかぁ。あれからまた数日寝込んじゃったしね~〗うんうん

『え?え?』
何かもう、何もかも分からないんだけど

〖あのね?このことを伝えるのは実は二回目なんだよ。一回目の時は、こちらも焦りまくっていたのもあるんだけど、貴方の意識がハッキリしてなくてね。何しろ何年もの間、飲まず食わずで眠っていたんだからね。急には起きられないよね~〗あはは~

『え?え?』
何年も?
それにしても、ほんわかした人、じゃなかった神様ね。一歩間違えたら癇に障りそうな話し方なのに、嫌な感じは全くしない。むしろ心地いいわ。安心する声ね

〖ふふ。言いたいことだけ言って寝ちゃうんだもん。焦ったよ~〗

『そ、それは大変ご迷惑を⋯』ダラダラ
わ、私は何を言ったのかしら?

〖信じられないかもしれないけど確かな話だよ。魔神ちゃん、あ、僕の大事な大事な奥さんと、かわいいかわいい娘がね?今、実際にクマさんと一緒にいるんだよ〗にこにこ

『え?』
一緒に?

〖そう。それにそれだけじゃないんだよ〗すっ⋯

『え?』
顔つきが変わった?

〖落ち着いて聞いてね。今、僕の奥さんと娘が一緒にいるのは貴方の半身だけではないんだ〗

ドクンっ
な、何?何を言おうとしているの?そんな真剣な顔で

〖まずは、君のお隣さん、覚えてる?「もーもーのおいちゃん」そう言えばわかるかな?〗

『げ、源さん!?源さんがいらしてるのですか!?』
なぜ?なぜ源さんまで!?それに、「もーもーのおいちゃん」って呼ぶのは⋯

〖そう。そのゲンさんだよ。ゲンさんだけじゃないんだ。ゲンさんと暮らしていた動物さんたちもだよ。もちろん「もーもーさん」もいるよ。あ、ゲンさんとみんな () 天寿をまっとうしてるからね。安心してね〗

『は、はい』
ゲンさんとみんな ()

〖そして、もう一人〗

『も、もうひとり?』
ドクンドクンっ
な、何?何を言おうてしているの?

〖そう。もう一人⋯そのもう一人とは〗

ドクンドクンっ
も、もうひとり、とは?

〖この世界の愛し子⋯あなたの、あなたのお孫さんだよ〗

ドクンっ⋯!

い、ま⋯なん、て?

〖あなたの、お孫さんだよ〗

ドクンっ!
あ、ああっ 神様⋯っ!
涙が頬を伝った⋯

☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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