第14話「イージーファイト」
「うぉら!!!」
ブオオオオオオッ
焔火はタカシに炎を噴射。
「フンッ!!くだらん!!」
スパァンッ
タカシは炎をブレードで切断した。
「チィ!炎を切るなんて反則だろ!!」
「ハァン!今度はこっちの番だぜぇぇ!!!
タカシはダッシュで一気に焔火の元へと間合いを詰める。そしてその勢いで焔火の首目掛けてブレードを水平に振る。焔火はそれを身を屈めて回避。そしてそのままタカシの左脇腹に右フックを放った。
ブシャアッ
「ぬう!?」
殴った焔火の拳から血が吹き出た。するとそれを見たタカシはニヤリと笑みを浮かべた。
「フハハハハ!!!俺は全身を鋼に変えられる!!!カッチカチやぞぉ!!??生半可な打撃は身を滅ぼす事になるぜぇぇ!?」
「驚いたぜ……ここまで硬いとはな」
「絶望したか?」
「いや全然」
焔火はケロッとした顔で答えた。
「フンッ!強がりを!」
タカシはまた焔火に斬りかかる。そして焔火はそれを避ける。するとタカシはまた斬りかかる。焔火はそれをまた避ける。斬りかかる。避ける。斬りかかる。避ける。これを15分程繰り返した。
「ハァ……!ハァ……!ちょこまかと……!!」
タカシは猛烈に息を荒げて疲れていた。そんなタカシに焔火は話しかける。
「なぁ?お前さっき言ってたよな?生半可な打撃は効かないって……これってつまりよぉ……
「ハァ……ハァ……何を言っている……?」
タカシがそう言うと焔火はニヤリと笑いタカシに接近。そしてタカシの腹に覚悟を決めたパンチを放つ。
「馬鹿が!!自爆乙!!」
タカシは腹を鋼へと変化させる。
ゴシャアッ
「ごっはぁぁぁ!!??」
焔火の腹パンはタカシに非常に効いた。タカシの腹は鋼と化していたはずなのに。とてつもなく硬いはずなのに。カッチカチなはずなのに。それなのに効いた。そしてタカシは地面に両膝をつけた。
「ハァ……ハァ……ゲホッ!ば、馬鹿な……!?なぜ効く!?」
「はん、理由は簡単……俺は幼少期から毎日尋常じゃないくらい体を鍛えている……なので鋼を破壊できる程の常軌を逸した強烈パンチを放てるんだ、Do you understand ?」
「ハァ……ハァ……それはどのくらいの威力なんだ……!?」
「全盛期マイクタイソン50人分ってところかな」
「タイソン50人……!!!」
タカシは驚愕した。
「……なるほど……タイソン50人か……そりゃすげえや……」
タカシはそう言いながら立ち上がった。そしてブレードを上に向けた。これは上段の構えという基本的な剣術の姿勢である。
「ん?」
タカシの行動に焔火は若干警戒態勢へと入った。そんな焔火に向かってタカシは言う。
「認めるぜ……お前は強者だ……だから全力でいくぜおい!!タカシ流剣技・究極奥義・スカーレット・ジ・エンドオブ・タカシ!!!」
タカシはブレードを上から下へと振り落とした。すると巨大な赤色の斬撃が焔火に向かって飛んでいった。
「フハハハハ!!2年前に猛特訓の末に習得した俺の超必殺技、スカーレット・ジ・エンドオブ・タカシだ!!威力半端ねぇぞぉぉぉ!!お前のさっきのパンチがタイソン50人分の威力だというのならこっちはホリフィールド700人分の威力だぜぇぇ!!避ければ地球がコナゴナになるぞぉぉ!!受けざるをえんぞぉぉ!!」
「うぉらあ!!!!!」
バシュッ
焔火は斬撃を気合いでかき消した。
「なにぃぃぃぃ!?」
驚くタカシ。そんなタカシに焔火は猛スピードで接近する。
「ふん!!」
ゴキャッ!!
焔火はタカシの左ふくらはぎに右カーフキックをお見舞いした。
「ぬぅん!?」
キックを喰らったタカシはバランスを崩した。
「ドルァ!!」
バキャッ!!
「ごばぁ!!??」
焔火はバランスを崩したタカシの顎に渾身の右フックを炸裂させた。するとタカシはそのまま勢いよく吹き飛び、建物の壁を突き破り突き破り突き破り外へと放り出された。その後焔火はタカシを追って外へと出た。そして失神していたタカシを発見した。
「鋼ってのは随分モロいんだな……」
焔火はこの後に刑事である匙守音に連絡。その後タカシは駆けつけた匙守音とその部下達に対ミュータント用拘束具で拘束され警視庁へと連行された。