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第1話「アラフォー無職、死す」

「死ね!死ね!死ね!」

ある日の平日の深夜1時過ぎ頃。都内にある一軒家のある一室の中で、小太りの中年男がゲーミングチェアに座り、暴言を吐きながらPCでFPSゲームをプレイしていた。この男の名は山田タカシ。歳は38歳。学歴は中卒(高校は1年生の2学期にいじめが原因で中退)。現在の職業は無職である。

「うぉら!!ヘッドショット!!」

タカシはゲーミングマウスを華麗に操作し、敵プレイヤーにスナイパーライフルで華麗にヘッドショットを決めた。しかしなぜか相手は死ななかった。そして反撃されて死んだ。

「はぁぁぁ!!??ふざけんなクソがぁぁ!!!何で死なねぇんだよ!!??絶対チーターだろコイツ!!!運営何してんだよ!!??とっととBANしろよこのタコ野郎をよ!!!」

タカシは顔を真っ赤にして怒り狂い、バッとゲーミングチェアから立ち上がり、目の前に置かれていた20万円もした高級ゲーミングモニターを中段回し下痢で破壊した。

「ハァ……!ハァ……!クソが!!!」

タカシは呼吸を荒げた状態のまま部屋を出て1階のリビングへとおりていった。そしてそこで食料を調達し、再び2階の自室へと戻った。

「ムフフ❤️」

部屋の床に座り、ニマ~っと気色の悪い笑みを浮かべていたタカシ。彼の目の前にはマヨネーズがたっぷりとかかった、ごつ盛りカップ焼きそば、ポテトフライ3人前、冷凍炒飯3人前、板チョコ5枚、どら焼き5つ、ポテチ(コンソメ味)3袋、きゅうりと大根のサラダ4人前、2Lコーラ3本が置かれていた。

「イライラした時はたくさん食べてたくさん飲んで気を紛らわすのが一番!!では!!いただきマッスル!!」

タカシは食事を開始した。

「モグモグ!!ん~~~!!!ムシャパククッチャクッチャパクパクチュギュ!!!グビ!!グビ!!グビ!!ハグハグモガァ!!!グラッツェ!!!」

飢えた犬の如くガツガツと食事を貪るタカシ。そして僅か10分程で全てをペロリしてしまった。

「ゲップ……ほどよい満足感……」

食事を終えたタカシはその後だんだんと眠気に襲われる。そして遂には大きなイビキをかきながら床に仰向けになり眠ってしまった。


「───ん~……」

あれからどれくらいか経った頃にタカシは目を覚ました。そしてチラッと近くの壁にかかっていた時計を確認すると時刻は午後12時35分を差していた。

「昼過ぎか……腹減ったな……」

空腹を感じたタカシは食料を求め、1階リビングへとおりていった。するとテーブルの上に天井近くまで積まれた大量のホットドッグと置き手紙が置かれていた。タカシは手紙を手に取り、目を通す。

"タカちゃんへ、タカちゃんの大好物のバジルソース付きホットドッグをたくさん作っておいたので食べてください。それからママは今日帰りが遅くなると思うので、夜は冷蔵庫に入ってる北京ダックと里芋の煮っころがしをチンして食べてください"

「ありがとう……ママ……」

タカシは母親とこの世の全ての食材に感謝を込めていただきますをした。


「───ゲップ……食った食った……」

20分程かけてホットドッグを全てを食べ終えたタカシは食器を流しへと持っていき、洗った。

「うし!終わり!」

食器を洗い終えたタカシは再びリビングへと移動。

「さて……今日もやりますか……」

そう言うとタカシは着ていた服を全て脱いで全裸になった。そして突然アへ顔ダブルピースを決めながらその場で高速地団駄を踏みだした。

「チョリソー!!!チョリソー!!!オッパッピー!!!オマ◯コオマ◯コレレロレロ!!!合わせてレロレロレレロレロ!!!」

地団駄を踏みながら訳の分からない言葉を発したタカシ。実はこの男、毎日母親が仕事で家にいない時を見計らってはこの様に意味不明な行動を起こしてキチゲを発散していたのだ。なぜその様な事をしていたのか?それはストレスが溜まっていたからである。ここでほとんどの人々はこう思うだろう。「無職にストレスなんてある訳ねぇだろ」と。しかしタカシにはあったのだ。40歳を目前にして無職、友達ゼロ、恋人ゼロ、そして中卒で低身長で童貞であるという事に対しての劣等感からくるストレスが。

「にゅ~~~!!!ちゅぴ~~~!!!タカシリズム体操終わり!!!」

タカシはアへ顔ダブルピース地団駄をやめ、今度は床に寝そべってマングリの体勢になった。

「くっ……!!殺せ……!!んほおおおおおおお❤️❤️❤️中はらめぇぇぇぇ❤️❤️❤️妊娠しちゃうううう❤️❤️❤️」

なんとタカシは囚われてレイプされる女騎士ごっこを始めたのだ。おぞましい。実におぞましい。アラフォーオヤジの行動とは思えない。気持ち悪すぎる。死ねばいいのに。

「んほおおおおお❤️❤️❤️……飽きた」

タカシは女騎士ごっこをやめて立ち上がる。そして脱ぎ捨ててあったズボンのポケットからスマホを取り出し、右耳に当て、商社マンごっこを始める。

「はいもしもし!!こちらタカシ商事代表のタカシです!!What!?わが社との貿易ですか!?それはそれは大変心よりありがとうございますです!!親族一同社員一同感謝感激である所存です!!では、私はこの辺でおいとまさせてもらうとします!!失敬!!see you again!!」

タカシは商社マンごっこを終えた。

「ふ~……かっこよすぎ俺……本物商社マン顔負けの電話対応っぷりだったと思うよ」

非常に満足そうな顔を浮かべていたタカシ。その後彼はスマホをテーブルに置き、今度は即興タカシ音頭を始めた。

「ソイヤッサ!!ソイヤッサ!!アブダビ!!ジャマイカ!!ソイヤッサ!!」

意味不明な言葉を叫びながら常人には思いつきそうもない意味不明な動きをかましていたタカシ。すると途中、突然足元に小型の茶色い生物が出現した。

「ひゃあ!!??ゴキブリィィィ!!??」

突然出現した害虫にビビったタカシはバランスを崩し、近くに置かれていたテーブルの角に側頭部をゴシャッと強打した。そしてそのまま床にうつ伏せに倒れた。頭からはドクドクと血が流れていた。そしてその後タカシはピクリとも動く事なく静かに息を引き取った。享年38歳。




~おまけ~

★☆★これがタカシだ!!★☆★

性別:男

学歴:中卒

職業:無職

年齢:38歳

誕生日:6月6日

血液型:O型

身長:162cm

体重:112kg

好きな食べ物:母の手料理、ジャンクフード

好きなゲーム:FPS系全般、牧場物語シリーズ

好きなアニメ:ブリーチ、ドラえもん

好きな映画:男はつらいよシリーズ、ミスターGO!

備考:極度の人見知り&コミュ障。臆病。思いやりのある優しい性格。大食い。女性との交際経験なし。童貞。50m走を6秒8で走りきる。父親は10歳の頃に通り魔に刃物で刺されて亡くなっており、以降は母とずっと2人暮らし。極度のマザコン。母の職業は東京大学の教授。

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