374章 無残な元同僚
「トントントン」
扉をノックされる音が聞こえたので、ゆっくりと向かった。
扉を開けた瞬間、見るも無残な元同僚が立っている。旅館であったときとは。完全に別人だった。
「ホノカちゃん、どうしたの?」
「ご、ごは・・・・・・」
ホノカは話す余裕もないほど、追い詰められている。ミサキは緊急性を察し、食べ物のあるところに駆けつける。
「すぐに準備するから、ちょっとだけ待っていてね」
冷蔵庫の中には、30個のパンが入っている。そちらを食べてもらえば、元気になれるのではなかろうか。
パンだけでは喉を満たすのは難しい。冷蔵庫の中に入っている、オレンジジュースを同時に渡そうと思った。
ミサキはパン、オレンジジュースをいっしょにプレゼントする。
「あ・・・・・・」
ホノカはジュースを飲んだあと、パンにかじりつく。究極の腹ペコによって、理性は完全に失われていた。