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いい気分が最悪だ

「・・・ん?」

二人で仲良く串焼きを頬張っていると、視線を感じた。
ねっとりとしていて、とても気持ち悪い視線だ。しかも、一つではない。

思わず眉間にしわが寄る。せっかくいい気分だったのに。

「・・・ととさん?」

「あ、ああ。なんだ?」

視線に意識が逸れていて、反応するのが遅れた。

「どうしたの?」
「ああ、いやなに。気にするな」
「そう?」
「串焼き食べ終わったか?なら、デザート買ってきてやるからここでじっとしてろよ」
「うん、わかった」

父親の無理やりな話題転換に何かを察したのか、さり気なく串焼きのおっちゃんの屋台の横を陣取る息子。


・・・察しの良い息子は父ちゃん好きだぜ!


きょろきょろと辺りを見渡し、「お、あれおいしそう」とイチゴアイスを売る屋台へと進んでいく。
すると、それに合わせるようにいやな視線も動いた。


・・・狙いは、俺か?










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