369章 焼きそば店にやってきた
ミサキは二日ぶりに出社する。
「ミサキさん、おはようございます」
「シノブちゃん、おはよう」
シノブはいつにもなく、やつれているように見えた。
「シノブちゃん、どうかしたの?」
「ミサキさんのお休みのときは、なかなかうまくいきません。店長として、危機感をおぼえています」
ミサキの退職=閉店につながる。焼きそば店の店長としては、頭を悩ませる事態といえそうだ。
「ミサキさんがいなくても、たくさんお客様を呼べるようになりたいです」
「シノブちゃん・・・・・・」
シノブは売上アップのために、焼きそばの味を改良し続けている。たくさんのお客様を笑顔にしたい思いは強い。
「ミサキちゃん、おはようなのだ」
「フユコちゃん、おはよう」
フユコのアホ毛はピンと伸びる。
「フユコはやる気満々なのだ。たくさんの焼きそばを食べてもらうのだ」
ミサキの出社日は、400~900の焼きそばが売れる。
「ミサキちゃん、おはよう」
「マイちゃん、おはよう」
猫アレルギー対策は、以前と変わっていなかった。彼女にとっては、死活問題となっている。
「マイちゃん、猫アレルギーはよくならないんだね」
「最近は特に悪いかな」
「早くよくなるといいね」
「うん。マスク、フェイスガードを外したい」
焼きそば店に新人がやってきた。
「ミサキさん、おはようございます」
「アサミさん。おはよう」
アサミは耳元を刈り上げる。後ろ姿だけを見れば、男と勘違いするレベルだ。
前から見ると完全に女。D~Eカップの胸は、女性であることを主張している。
「アサミさんは、調理はできますか?」
「調理は毎日やっていますので、それなりにはできますよ」
「厨房をお任せしたいと思います」
「わかりました。お力になれるように頑張ります」
ユタカが出社する。
「みんな、おはよう」
ミサキ、シノブ、マイ、フユコ、アサミは挨拶を返す。
「おはよう」
開店の五分前に迫る。六人はそれぞれのポジションについた。