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363章 ラインを受け取る

 大量の朝御飯を食べたあと、しっかりとした睡眠を取る。

「ミサキちゃん、睡眠不足は解消できた?」

「ホノカちゃんのおかげで、睡眠はばっちりだよ」

 ミサキのおなかはギュルルとなった。睡眠中は何も食べられないため、おなかはペコペコである。

 体をゆっくりと起こしたあと、カバンの中身をチェック。「ドコソン」で購入した、30個のお
にぎりなどが入っていた。

 ミサキは25個のおにぎりを取り出すと、ホノカは数の多さにびっくりする。

「ミサキちゃん、すさまじい食欲だね」

「空腹を感じたら、すぐにご飯を食べる。私の確立した生活スタイルだよ」

 腹が減っては生活できぬ。昔の有名な言葉を、自分流に置き換えている。

「私の10倍以上は食べているのに、体はとっても細いね」

「特殊な体をしているから、体重をキープするのも厳しいよ」

 体重は増えにくく、減りやすい。他の女性からしたら、夢のような体をしている。

 空腹を解消するために、25個のおにぎりを食べる。通常の人ならば、数日分の食事になりえる。

 おにぎりを食べたことで、体は元気を取り戻すこととなった。

 ミサキのスマートフォンが鳴った。

「ミサキさん、体は問題ないですか?」

「シノブちゃん、特に問題ないよ」

「なにかあったら、すぐにいってくださいね」

「シノブちゃん、ありがとう」

 ユタカからメッセージが送られた。

「ミサキちゃん、元気?」

「ユタカちゃん、元気だよ」

「ご飯はしっかりと食べた?」

「うん。たっぷりと食べられているよ」

 マイのメッセージを受け取る。

「ミサキちゃん、旅行は楽しめている?」

「うん。とっても楽しんでいるよ」

 フユコからメッセージを受け取る。

「ミサキちゃん、ご飯は食べられているかなのだ?」

「フユコちゃん、ばっちりだよ」

「よかったのだ。フユコはとっても心配しているのだ」

 シラセからラインが送られてきた。

「ミサキちゃん、一緒に旅行に行きたい」

「またいけるといいね」

 ミサキはやり取りを終えると、スマホをカバンにしまった。

「ミサキちゃんは、たくさんの人から心配されているね」

 ホノカの言葉に対して、首を縦に振る。

「ありがたいと思う反面、恥ずかしいと思うこともあるよ。20歳になったことだし、独り立ちしないとね」

 ミサキの体は、強烈な眠気に襲われる。あれだけの睡眠を取っても、完全復調とはいかないようだ。

「ミサキちゃん、ゆっくりと休もう」

「ホノカちゃん、ありがとう」

 ホノカが膝枕の体勢を作ったので、ミサキは素直に甘えようかなと思った。

「ホノカちゃん、ありがとう」

 ホノカの太腿に、頭をのせる。いろいろな苦労があったのか、弱々しくなっているように感じられた。

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