364章 二通の手紙
自宅のポストを確認すると、二通の手紙が入っていた。ミサキは受け取ったのち、家の中に入った。
一通目の手紙の差出人の欄には、タウダルヒカと書かれていた。
「ミサキちゃん、お久しぶりです。元気に過ごしていますか?
私は仕事の都合で、世界を転々としています。
体力的にはきついけど、とっても充実した日々を送れています。
3カ月後に、○○〇でコンサートをします。
チケットを同封したので、よかったら来てください」
同梱のチケットをチェック。特別プレミアムと書かれており、一番いい席であることは想像がついた。一番前の席で、コンサートを見てもらいたいと思っているようだ。ミサキは絶対に見に行くと決めた。
もう一通の手紙の差出人は、ミクラサナエと書かれていた。超有名な絵描きで、一枚あたり10~20万ペソの値で取引される。絵だけで生活できる、稀有な才能を持っている。
「ミサキさん、はじめまして。ミクラサナエです。
ミサキさんの活躍を見て、たくさんの勇気をもらっています。
ミサキさんがよければ、顔合わせをしたいと思っています。
都合のいい日にちを記しておくので、連絡をいただけないでしょうか」
サナエの手紙には、メールアドレスを記されていた。ミサキはアドレスを登録したあと、都合のいい日程を伝える。