359章 大失敗
大食い店を利用したにもかかわらず、おなかはあまり満たされていなかった。
理由はいたって簡単で、料理を提供するまでに時間を要するから。いろいろな人を相手にしているのか、メニューを注文してから食べるまでに時間がかかる。
一人前の量の少なさも減点材料。あれっぽっちでは、空腹の進行スピードに劣る。白米を注文しなければ、空腹で苦しむだけ。大食い女性にとって、特定の食べ放題の店はNGであることを悟った。
店員に代金を支払ったあと、店をあとにする。食べたりないからか、体はふらふらとしていた。
「ミサキちゃん、どうかしたの?」
「アヤメちゃん・・・・・・」
「おなかは満たされていないみたいだね」
「タッチパネル式の大食いを利用したら、おなかすいちゃったよ」
バイキング形式ならいいけど、タッチパネル注文形式はダメ。腹ペコ女性は頭の中に、情報をアップデートする。
「ミサキちゃん、おなかに何か入れに行こうよ」
「アヤメちゃん、ありがとう」
「ラーメンはどう? おなかを短時間で満たせるよ」
「あのラーメン店は、3時くらいにいったから・・・・・・」
リベンジしたい思いよりも、他の者を食べたい思いが勝っていた。
「牛丼ならいいんじゃない。短時間でおなかを満たせるよ」
牛丼の下は白米。炭水化物の塊で、大量のエネルギーを摂取できる。
「すごくいいね。そこにする」
「私もついていくね」
「アヤメちゃん、カロリー計算はしなくていいの?」
「過酷な撮影をしたからか、おなかペコペコなの。今日くらいは肉を食べて、明日からの英気を養いたい」
「牛丼店に行こう」
「ミサキちゃん、夜の9時までにしっかりと食べてね」
「アヤメちゃん、ありがとう」
ミサキ、アヤメは牛丼店に向かった。