360章 仲間の存在
牛丼などを食べたことで、おなかは勢いを取り戻す。
「これだけ食べれば、明日もやっていけそうだよ」
「ミサキちゃんのおなかは、タンクを詰め込んでいるみたいだね」
「そうだね・・・・・・」
今日だけで35000~40000キロカロリーを摂取。妖精のいっていた数値の、倍程度は胃袋に押し込んでいる。
「ミサキちゃん、足首はよくなった?」
「うん。もう問題ないよ」
フユコの治療を受けたおかげで、元の生活を送れるようになった。彼女には心から感謝している。
ミサキのスマホに、ラインが送られてきた。
「ミサキちゃん、旅は楽しめているかなのだ」
フユコに簡単なラインを返す。
「うん。とっても楽しめているよ」
「よかったのだ。フユコは遠くから応援しているのだ」
「フユコちゃん、ありがとう」
フユコとやりとしていると、マイのラインを受け取った。
「ミサキちゃん、旅はうまくいっている?」
「マイちゃん、きっちりとやれているよ」
「そっか。よかった」
「マイちゃん、猫アレルギーに注意してね」
「うん。対策をばっちりするよ」
一つの重い病気にかかるだけで、人生はうまく立ち回らなくなる。健康であり続けることは、極めて重要であるといえる。
ユタカからラインが送られてきた。
「ミサキちゃん、状態はどう?」
「ユタカちゃん、OKだよ」
「よかった・・・・・・」
シラセからラインを受け取る。
「ミサキちゃん、楽しく旅行している」
「うん。とっても楽しいよ」
「困ったことがあったら、すぐに連絡してね」
「シラセちゃん、ありがとう」
ラインを終えるのち、アヤメに声をかける。
「アヤメちゃん、ごめんね」
「ううん。気にしなくてもいいy」
アヤメは空を見上げた。
「ミサキちゃんはたくさんの人から、心配をしてもらえる。一人の世界を生きてきたからか、とってもうらやましいよ」
「アヤメちゃんにも・・・・・・」
仲間であるはずの社長、マネージャーに裏切られた。そんな女性に、本物の仲間と呼べる人物はきっといない。
「ミサキちゃん、手をつなぎたい」
「わかった。手をつなごう」
ミサキ、アヤメは手を合わせる。何度もつないだはずの掌は、いつもよりも冷たく感じられた。