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358章 大食い店にやってきた

 申し訳程度の夕食では、完全に不足している。おなかを満たすために、ご飯を食べられる場所を探し求める。

 30ペソを支払うことで、120分間食べ放題の焼き肉店を発見。腹ごしらえにぴったりの場所だったので、店の中に入ることにした。

「いらっしゃ・・・・・・」

 店員の顔はおおいに曇ることとなった。

「大変申し上げにくいのですが、ミサキ様は食べ放題サービスをご利用いただけません」

 相撲取りよりも、たくさんの食べ物を腹に入れる。食べ放題の店にとって、天敵と呼べる存在だ。

 ミサキがやってきたからか、焼き肉店は大盛り上がりを見せた。

「腹ペコ少女だ」

「腹ペコ少女の大食いを見られるぞ」

「店が先に潰れるのか、腹ペコ少女の胃袋が先に壊れるか・・・・・・」

「夢の対決ワクワク、ワクワク」

「持ち味の大食いで、食いつぶしてしまえ」

 他のお客はアンコールを始める。

「ミサキ、ミサキ、ミサキ、ミサキ、ミサキ・・・・・・」

 店も断れない空気を察したのか、涙を流しながら店内に案内する。

「ミサキさん、好きなだけ食べてください・・・・・・」

「追加料金をあとで払いますから・・・・・・」

 店員の悲し涙は、嬉し涙に変化する。

「ミサキさん、すみません・・・・・・」

「お金はたくさん持っています。気にしなくてもいいですよ」

 ミサキは席に向かっている途中で、ゴリゴリラらしき人物を発見。彼もかなりの大食いだったけど、問題視はされることはないようだ。ゴリラ男はOKで、自分はどうしてダメなのだろうか。

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