353章 チェックイン
体を動かしたからか、おなかは先ほどよりも軽くなっていた。運動をしたときについては、腹ペコになるスピードが早送りとなる。
ホテルの中に入る。前回と比べると、質素な印象を受ける。
「いらっしゃいませ・・・・・・」
ミサキはフロントに向かった。
「予約していたものですけど・・・・・・」
「ミサキ様、お待ちしておりました。お部屋に案内させていただきます」
部屋に案内される途中で、思いがけない人物と顔を合わせることとなった。
「ミサキちゃん、どうしたの?」
「アヤメちゃん、今日はこのホテルに宿泊するよ」
アヤメの肌は、ちょっとだけこんがりと焼けていた。
「他の人はいないの?」
「今日は一人でやってきたんだよ」
「ひとりでやっていけるの?」
「不安もあるけど、細心の注意を払うようにする」
食事にさえ注意を払っておけば、どうにかなるはず。いつもと比べて、30パーセントから40パーセント増しで、ご飯を食べようと思った。
「シノブちゃんなどに連絡を入れておこうか?」
「自力でホテルに泊まるというテーマで、こちらにやってきているの。誰かの力を借りたら、全部が台無しだよ」
ミサキの意向を汲み取ったのか、アヤメは口にチャックして、いいたいことを心の中に封印する。
「ミサキちゃん、無理だけは絶対にしないでね」
「アヤメちゃん、ありがとう・・・・・・」
「仕事があるから、近くのスタジオに行ってくるね」
アヤメは仕事場に向かっていく。こちらは心配なのか、3~4回にわたって、こちらを振り向いていた。