352章 のんびり一人旅
お寿司屋でたっぷりとご飯を食べたことで、おなかはおおいに満たすことができた。2~3時間くらいは、何も食べなくても問題なさそうだ。
目と鼻の先に自販機があった。のちのちのことを考えて、大量の水分を補充しておこうと思った。
オレンジジュース5本を購入し、喉に流し込んでいく。おなかを満たすための作業は、ちょっとした苦痛だった。
リュックサックの中身を確認。腹ペコになったときに備え、大量のスナック菓子を詰め込む。気軽にカロリーを摂取するには、絶好の食品といえる。
おにぎり、水分は入れていない。米、水分は重量があるため、移動の制限になりうると判断した。
目的地はゆっくりと歩いても、15分~20分でたどり着ける。体力の消耗を抑えるために、のんびりと進もうと思った。
バス停の前あたりで、20歳くらいの女性に声をかけられた。
「腹ペコ少女の美咲さんですか?」
「はい、そうですけど・・・・・・」
20くらいの女性は、5歳くらいの女の子さながらに、瞳をキラキラとさせていた。
「本物を見られて、とても光栄です。握手をしていただけないでしょうか」
「はい、いいですよ」
数秒後、女の子と手が重なる。握手に慣れてしまっているのか、何の感情もわかなかった。
「ミサキさん、ありがとうございます」
バス停にバスがやってきた。女性はていねいにお辞儀したあと、バスに乗り込んでいく。その様子を確認してから、目的地にゆったりと向かった。