331章 ホノカの妊娠
ホノカのおなかが膨らんでいることに気づく。
「ホノカちゃん、おなか・・・・・・」
ホノカの頬はピンク色に染まる。
「交際している男性との間に、子供を授かることになったの」
ママになる女性を、素直に祝福する。
「ホノカちゃん、おめでとう・・・・・・」
「ありがとう。おなかの中にいる子供を、大切に育てていくね」
ホノカは新しい命を優しくさすった。誕生を待ち望んでいることが、心から伝わってきた。
「おかあさんとして、恥ずかしくない人生を送れるようにする」
「ホノカちゃんは最高の母親になれるよ」
子供を放置して恋人に会いに行く、パチンコ三昧、暴力をふるうといった、とんでもない母親が増えつつある。おなかを痛めて出産した、新しい命はかわいくないのかなと思う。
ホノカは髪の毛を気にする仕草を見せる。
「ホノカちゃん、どうかしたの?」
「妊娠してから、抜け毛が多くなって・・・・・・」
妊娠中は髪の毛に養分が届きにくい。栄養の足りない髪の毛は、いつも以上に抜けやすくなる。
「ホノカちゃん、たっぷりと栄養を取ろうよ」
「そうだね。いつも以上に栄養を摂るようにする」
「ホノカちゃん、豆乳ヨーグルトを食べよう」
「うん。食べたい」
ミサキは自販機で豆乳ヨーグルトを注文する。自分では食べたことがないので、どのようなものなのかはよくわかっていなかった。
「ホノカちゃん、豆乳ヨーグルトだよ」
「ミサキちゃん、ありがとう」
ホノカはスプーンを使って、豆乳ヨーグルトを食べる。
「すごくおいしいよ」
おなかがすいているのか、いつもよりは早いスピードでご飯を食べる。それでも、通常からすればかなりのスローペースだった。食事を楽しみたいと思っているのか、かなりゆっくりとした
ペースで食べる。早食いをモットーとする女性とは、正反対だった。
「ミサキちゃん、レバー、アサリも食べたい」
レバー、アサリは妊娠中に食べるといいものである。ホノカは子供のことを考えて、食事メニューを立てている。
「わかった。すぐに準備するね」
ミサキは食事の準備をする。ホノカはそのあいだ、おなかに何度も手を当てていた。子供に対する愛情を見ていると、とってもほっこりとした。