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328章 会いたくなかった

 ミサキはホットドック30個、フライドチキン10個、ヨーグルト30人前を自販機で注文する。

「たくさん食べて、エネルギーを補給するぞ」

 いつもの勢いで、ホットドックなどを食べ進める。人間の限界を超えた食事をできることに、大いに満足していた。

「おいしい」

 2000キロカロリー生活になれば、食べる楽しみを失うことになりかねない。食べ物好きの女性は、取捨選択を強いられることになる。

 腹ペコ少女でなくなったら、周りの人のほとんどはいなくなる。離婚後さながらの、生活をさせられるのは絶対に嫌だ。

 一人で過ごしていると、玄関のチャイムが鳴らされた。

「ミサキちゃん、久しぶりだね」

 焼きそば店を懲戒免職になった、アオイ、ツカサの姿があった。満足に食べられていないのか、頬はげっそりとしていた。

 ツカサは力を失ったのか、地面に倒れた。アオイも続くように、地面に倒れてしまった。

「ミサキちゃん、た、食べ物をちょうだい・・・・・・」

 二人を放置すれば、殺人罪に問われかねない。乗り気ではなかったものの、家の中に招待することにした。

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