282章 不慮の事故
エマエマは疲れからか、バランスを崩す。ミサキは受け止めようとすると、二つの胸を鷲掴みにされる。故意でないとわかっていても、脳に与えた刺激は大きかった。
「柔らかい感触はなんですか?」
エマエマの視線は、掌に向かった。そのあと、自らの犯した過ちに気づいた。
「ミサキさん、本当に失礼しました」
エマエマは大きな欠伸をする。慢性的な疲れの前には、ちょっとの睡眠は意味をなさない。完全に回復させるためには、どれくらいの時間を要するのだろうか。
「エマエマさん、気にしないでください」
「どんなお詫びをすれば・・・・・・」
「エマエマさんには、たくさんの思い出をもらいました。私はそれだけで十分ですよ」
エマエマの音楽を聴けて、ハグまでできた。胸を触られたとしても、十分すぎるほどのおつりをもらえた。
「しかし・・・・・・」
「エマエマさん、体の疲れを取りましょう」
エマエマはこくりと頷く。
「わかりました。しっかりと休みます」
「私と一緒に、ベッドまで歩きましょう」
「ミサキさん、ありがとうございます」
二人は一緒にベッドに向かった。