バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

283章 長時間睡眠

 時計の針は9時を回る。朝の7時を迎えるまで、断食タイムに突入する。

 エマエマは目を覚ます気配はなかった。秒刻みのスケジュールで仕事したことで、体は大きな悲鳴を上げている。

 ミサキはお風呂に入る準備をする。エマエマに悪いけど、これ以上は待っていられない。腹ペコ少女は規則正しい生活を送る義務がある。

 お風呂に向かっていると、小さな声が聞こえる。

「ミサキ・・・・・・」

 ミサキは目を覚ましたばかりの、エマエマのところに向かった。

「エマエマさん、体は問題ないですか?」

 エマエマは力のない声で返事。自分の体に問題ないのか、わかっていないようだ。

「はい・・・・・・・」

 エマエマは目をごしごしとこすった。

「今は何時ですか?」

「9時を回りましたよ」

「そんなに眠っていたんですね」

「エマエマさん、完全に休養不足です。しっかりと休んでください」

「ミサキさん、ありがとうございます」

 ミサキは約束を果たすために、エマエマをお風呂に誘うことにした。

「エマエマさん、一緒にお風呂に入りますか?」

「はい。ミサキさんと入りたいです」

 エマエマは体を起こそうとする。鉛に引っ張られているのではないかというくらい、体は重そうだった。

しおり