251章 ミサキのおなか
ズービトル、ルヒカが顔を出した。最後のお礼をするのかと思っていたら、まったく異なっていた。
「最後は共同で歌います。今日だけの特別なので、一般には非公開です」
ズービトル、タウダルヒカ、エマエマの競演を見られるとは。超一流の個性がぶつかり合うと、どうなっていくのだろうか。
ミサキのおなかは、ギュルルとなった。夕食をあんなに食べたのに、おなかペコペコになってしまったらしい。
空腹を我慢しようと思ったものの、体は正直な反応を示す。
「おなかすいた」
現在の時刻は、8時43分。あと17分で、何も食べられない体になる。9時を空腹で迎えた場合、どんな悪影響をもたらすのか。
ミサキはあまりの空腹に、理性をコントロールできなくなっていた。
「おなかすいた、おなかすいた、おなかすいた・・・・・・」
浴衣姿の女性はいたのか、すぐに行動に移していた。
「ミサキさん、おにぎりをすぐにお持ちします」
「それでは間に合いません。9時になった時点で、ミサキさんは何も食べられなくなります」
「え?そうなんですか?」
「すぐ近くに自販機があります。食料を調達しましょう」
自販機は往復で2分とかからない。食料調達は可能だ。
「わかりました」
シノブ、浴衣姿の女性は自販機に向かった。