237章 お風呂
6人で温泉に入った。
温泉は非常に広く、30人くらいは入れそうなスペース。6人で利用しているのは、究極の贅沢といえる。
温泉は4種類。一般的なタイプ、やや温度の高いタイプ、やや温度の低いタイプ、サウナに入ったあとに入るタイプが用意されていた。
サウナはドライサウナ、ミストサウナ、スチームサウナ、塩サウナ、冷凍サウナを設置されている。好みに応じて。使い分けできる。
暑さに強い人は、ドライサウナがおすすめ。血行促進することによって、腹痛などの治療につながる。
暑さに弱い人には、ミストサウナ、スチームサウナがおすすめ。温度が抑えられているため、熱いのが苦手な人にも利用しやすい。湿度を高く設定されているため、しっかりと汗をかくことができる。
塩サウナは、塩を塗った状態で入るサウナ。発汗促進、美容効果などを期待できる。効果だけを聞くと、女性向けといえる。
アイスサウナの室温は氷点下。サウナで熱くなった体を冷やすために、利用されるサウナである。
ユタカは胸をペタペタする。スレンダーであることを、とっても気にしている。
シラセはお腹のお肉をつまんでいる。甘いことを食べたことによる、体重増を気にしているのかもしれない。一部の女性は、体重を非常に気にする。
体重を気にする人ほど、甘いものを食べるのは王道パターン。アピールはしているけど、誘惑に非常に弱い。目の前にソフトクリームを出されたら、あっという間に食べてしまいそうだ。
マイはお腹を触っていた女性に、ストレートな言葉をぶつける。
「シラセ、体重増を気にしているの?」
シラセは動揺からか、声はおおいに裏返っていた。
「そ・そんなことなないよ・・・・・・」
「シラセは細いから、体重増を気にしなくてもいいんじゃない」
「私にとって、体重増は死活問題だよ」
マイは瞳をニヤニヤさせた。
「体重を気にするのに、ソフトクリームはバクバク食べていたよね」
シラセはソフトクリーム4個、アイスクリーム4個を食べていた。ミサキをのぞくと、一番多
くをおなかに収めていた。
図星をいわれたからか、顔は真っ赤になっていた。
「マイ、うるさいよ」
「超豪華な夕食を出されたら、すべてもらっていいかな」
「それはダメだよ」
「夕食をたくさん食べたら、完全にカロリーオーバーだね」
シラセはダイエットする人の、定番のようなことを口にする。
「ダイエットは明日からするよ」
「本当にダイエットできるのかな?」
「マイ、うるさいよ」
ユタカは視線を、こちらに向けていた。
「ミサキちゃん、スタイルがすごくいい」
ユタカの視線は、ミサキの2つの物に向けられていた。
「ユタカちゃん、胸は触らないでね」
「わかった。胸は触らない」
フユコのアホ毛センサーは、ミサキの胸に向けられた。直接触られていないにもかかわらず、気分は大きく落ち込むこととなった。
「フユコちゃん、胸に興味を持たないでね」
アホ毛センサーはくねくねと曲がった。彼女の心の中にある、無念、欲求不満などを表現している。
シノブは髪をくくった。
「ミサキさんは、有名人に知られているんですね」
「たまたまじゃないかな」
「タウダルヒカさんはびっくりしました。彼女を呼ぶためには、100万ペソでは無理でしょう。0が後ろに1個、2個ついてもおかしくありません」
マイもこくりと頷いた。
「依頼するためには、それくらいはかかるかもしれないね。タウダルヒカさんは、雲の上の存在だよ。目の前で顔を合わせられただけで、奇跡に等しい」
シノブは小さく頷いた。
「クドウアヤメさんには失礼ですけど、天と地ほどの差がありますね」
ミサキの感じていたことを、シノブも感じていた。ミサキの直感は正しかったことを、証明された。
「ミサキさんも体力さえあれば、あの人たちに追いつけるでしょう」
シノブの言葉に対して、ミサキは首を横に振った。
「腹ペコ少女だからこそ、人気を獲得できている。通常に戻ったら、価値はなくなるよ」
「そうかもしれないし、そうでないかもしれませんね」
「生活に不自由していないから、現状維持でやっていこうと思っている」
「ミサキさん、焼きそば店でしっかりと仕事してくださいね」
「うん。きっちりと仕事する」
シノブと話をしていると、エマエマを発見する。彼女もこの時間帯にお風呂を利用するようだ。
エマエマは臆することなく、ミサキのところに近づいてきた。
「ミサキさん、こんにちは」
シノブ、マイ、ユタカ、シラセは思わぬ大物に、度肝を抜かれていた。