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236章 記念写真

 ミサキは部屋に入ってきたメンバーを見て、無意識のうちに息をのんでいた。

「ズービトル、エマエマさんと順番などの打ち合わせをします」

 タウダルヒカだけですごすぎるのに、ズービトル、エマエマまでやってくるなんて。本日は完全なメモリアルデーである。

 ズービトルは男性3人グループ。メンバーの全員が中卒という、異色の経歴を持っている。

 本物の才能を持っている人に、学歴は全く必要ない。20歳で将棋界のトップを取っている棋士は、それを証明してみせた。

 エマエマは18歳にして、CDの1億枚売り上げを達成。史上最年少記録を持つ、最強の若手歌手である。

 ズービトル、エマエマは、タウダルヒカと同じくらいのオーラを発していた。超一流というのは、全身からオーラを発する生き物のようだ。

 ズービトルの3人組は、それぞれが手を差し出してきた。

「ミサキさん、握手をお願いします」

「わかりました」

 ズービトルの一人一人と握手する。音楽を続けてきたからか、手の皮はとても厚かった。

 3人から男らしさも感じさせた。同じ手であったとしても、女性、男性で感触は異なる。 

「私も握手したいです」

 エマエマの手を握る。女性らしくて、とっても優しい印象を受ける。

 手を離したあと、ルヒカからリクエストがあった。

「4組で写真を撮りましょう」

 ズービトル、エマエマはすぐに了承。ミサキを残すのみになった。

「ミサキさん、写真を撮りましょう」

 ミサキは緊張のあまり、声がガタガタと震えていた。

「わかりました。写真を撮らせていただきます」

 ルヒカは浴衣の女性にカメラを渡す。

「写真をお願いします」

「かしこまりました」

 4人の写真は一生の宝物。家に帰ったら、リビングに大切に飾りたい。

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