99章 アヤメと食事
アヤメは2~3分くらいで、電話を終えた。
「ミサキちゃん、OKをもらうことができたよ。二人で食事しよう」
話は難航すると思っていたけど、そんなことはまったくなかった。アヤメ、事務所はあっさりと話がまとまった。
「食事制限は厳しいのに、あっさりと話がまとまったね」
「今日は特別なの。普段ならこういうわけにはいかないよ」
ホットプレートが温まったので、牛肉、鶏肉、豚肉、野菜を乗せていく。具材を乗せすぎると火が通らないので、量には気を付けるようにした。
「アヤメちゃん、肉を食べていいかな?」
「好きなように食べていいよ」
「ありがとう。大好物の鶏肉をたっぷり食べるね」
具材を焼くまでには、それなりの時間がかかる。ミサキは白米を食べることで、おなかを満たすようにした。
一杯だけでは足りないので、二杯目のご飯を口にする。食べて、食べて、食べまくることで、体重を維持することができる。
ご飯を食べているうちに、材料に十分な火が通った。ミサキは問題ないことを確認すると、肉、野菜を皿によそった。
アヤメは鶏肉、玉ねぎ、トウモロコシなどを、自分の器に盛りつけていた。
「アヤメちゃん、牛肉、豚肉はいらないの?」
「鶏肉だけで十分だよ」
牛肉、豚肉は脂身が多い。脂質を取らないように、鶏肉を選んでいるものと思われる。
アヤメは手を合わせてから、「いただきます」といった。そのあと、鶏肉を口の中に入れた。
「ミサキちゃんと一緒に食べる、焼き肉は最高のごちそうだね」
一人で食べるよりも、二人で食べたほうがおいしく感じられる。賑わいという要素が、食事においしさをプラスしている。
アヤメは鶏肉、玉ねぎ、トウモロコシをゆっくりと食べすすめる。食事のペースは、玄米パンなどを食べているときと同じだった。
ホットプレートの具材がなくなったので、油を投入したあと、新しい肉、野菜などを追加する。
「ミサキちゃん、まだまだいけそうだね」
「うん。まだまだ食べるよ」
ミサキは具材を焼いている間に、三杯目、四杯目、五杯目のご飯を食べすすめる。これくらい
は食べておかないと、1時間とたたないうちに空腹になる。
白米を食べているうちに、焼き肉の具材に火が通った。問題ないのかを確認したあと、自分のお皿に盛りつける。
アヤメはもう食べられないのか、肉、野菜に手を付けることはなかった。