バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

96章 おなか貯蔵庫?

 パン10個、シチュー10人前、グラタン10人前を完食。空腹に苦しんでいた体は、元気を取り戻すこととなった。

 ミサキは食事をとったあとに、歯ブラシをしなかった。食事のたびに歯を磨いていたら、1日に8~9回も歯を磨くことになる。1日の歯ブラシ回数としては、あまりに多すぎる。

 歯ブラシで重要視しているのは、起床後、就寝前に磨くこと。深夜は虫歯菌の繁殖に適しているので、起床後、就寝前の歯ブラシを重視する。

 食後については、避けることが多い。食後20~30分開けることで、効果を得られやすくなる。 

 アヤメは瞳を輝かせていた。

「ミサキちゃん、すさまじい食欲だね」

「アヤメちゃん、恥ずかしいよ・・・・・・・」

「ミサキちゃんの食事を2回も見られた。私にとって、最高の1日になったよ」

 ミサキの食事は、2回ほど残されている。アヤメはご飯を食べるために、ときめいているところを見せるのだろうか。

「ミサキちゃんが食べると、どんなものもおいしそうに見える。空腹は最大の調味料というのは、本当みたいだね」

 おなかがすいているときほど、ご飯はおいしく感じられる。空腹=最大の調味料は、的確な言葉といえる。

「ミサキちゃんはとんでもない量を食べても、2~3時間でおなかがすく。食べ物を保存できる貯蔵庫みたいだね」

 ミサキの体は食べ物を貯蓄できない。貯蔵庫という表現に、ピンとくる部分はなかった。

しおり