77章 2回戦
1回戦の脱落者は150名。参加者のうち、75パーセントは、おにぎりを食べきることはできなかった。
おにぎりを完食した50人のうち、20人は2回戦を棄権した。敗退者と合わせると、170人が1回戦で涙をのんだ。全体の参加者の、85パーセントに当たる人数だ。肥満体系であっても、大食い大会は厳しいようだ。
1回戦が終了してから、1時間が経過する。胃袋を休めるためなのだろうけど、長すぎるような気がする。大食い大会なのだから、さっさと進めてほしいところ。
「みなさま、お待たせしました。2回戦を開催させていただきます」
2回戦のメニューは、巨大なたこ焼き。通常サイズと比べると、50倍以上はあると思われる。
「1時間以内に完食することができたら、3回戦に進出できます」
大食い大会という割には、制限時間にゆとりを持たせている。事故死などを減らすために、万全を尽くしているのかな。
ミサキは空腹だったからか、たこ焼きをハイペースで食べ進める。
「ミサキさん、とんでもないスピードで食べています」
「ゴリゴリラさんも負けていません」
「タケシさんも。なかなかのスピードです」
「ゴンゾウさん、ユタカさん、ココアさんなどもすごいです」
他の参加者は気にすることなく、もくもくと食べ進めていった。
「ミサキさん、たこ焼きを完食しました」
ミサキが席に立とうとすると、
「ゴリゴリラさんも完食しました」
という声があった。ゴリゴリラという人は、最大の強敵になりえるのかなと思った。
「タケシさん、ゴンゾウさんなども完食です」
タケシ、ゴンゾウは苦しそうにしていた。2人は近いうちに、リタイアする確率が高いと思った。