61章 おいしそうなうどん
シノブはうどんを豪快にすすった。
「麺がもちもちしていて、とってもおいしい」
マイもうどんを啜った。
「うん。最高においしいね」
回転寿司屋にやってきて、うどんで大喜びする。うどん店にやってきたのかと、錯覚しそうになる光景だ。
シノブ、マイのうどんを食べるところを見ていると、
「ミサキさんは、ご飯を食べないの?」
と聞かれた。シノブは食べるといったのち、トロを取ることにした。
「ミサキさん、お金は問題ないですか?」
「うん。これくらいならいけるよ」
4000ペソを持っているので、所持金に余裕がある。最高級の寿司を、存分に食べようと思っている。
「予算オーバーになった場合、お助けすることはできません。お金の計算はしっかりとしてくださいね」
「うん。きっちりとするよ」
財布の中を確認すると、3990ペソが入っていた。無謀な食べ方をしない限り、会計に問題はないと思われる。
ミサキはトロを食べる。一度も噛んでいないのに、口の中で溶けてしまった。舌には良質な脂が残ることとなった。
「とってもおいしい」
マイはトロを食べる姿を、うらやましそうに見つめていた。
「私もトロを食べてみたい。ミサ・・・・・・」
おねだりをしようとした女性に、マイはストップをかける。
「マイさん、みみっちいことはしないように」
「は~い」
マイはうどんを食べ進めていく。あまりにもおいしそうだったので、注文しようかなと思った。