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149. もっと見てください

 149. もっと見てください



「ねぇねぇ先輩!この前、冬花先輩と電話で話したんですけど先輩って冬花先輩と席隣同士なんですか?」

「ああ、そうだな」

「なんで私に言わないんですか!?」

「は?なんでいちいちそんなことお前に言うんだよ?」

「彼女だからですよ!もう!言ってくださいよ!」

 いや、そもそも隣の席だから何かあるわけでもないし、それに言ったところでどうにもならないだろ。まぁ、こういう風に嫉妬するのも最近は可愛く思えるようになったから別にいいんだけど。

「先輩。黙ってるなんてやっぱり怪しいですよね?冬花先輩と何をしてるんですか!?」

「何もするわけないだろ!」

「なら冬花先輩に聞いてみますから」

「は?」

「別に何もないなら平気ですよね?」

「勝手にしろ。何もないから」

 すると夏帆は黒崎に電話をする。

 《もしもし?夏帆ちゃんどうかしたのかしら?》

「あの、冬花先輩って先輩と隣の席ですよね?何もしてませんか?」

 《え?するわけないじゃない。》

「ほら。何もないだろうが」

 《私と神原君はただの大親友だもの。何もないわよ、たまに授業で教科書を見たり、ノートを見せてあげたりするくらいよ安心して頂戴。》

「そうですか……すいませんでした。いきなり変なこと聞いちゃって」

 《いえいえ。じゃあまた明日学校で会いましょう》

 そこで電話を切る。そしてオレの方を向いた。

「やっぱり嘘ついてましたね?」

「どこがだよ!」

「仲良く教科書やノートを見てるじゃないですか!ずるいです!」

「普通だろ!何が悪いんだよ!」

「じゃあ私のことももっと見てください!」

「意味がわかんねぇよ!」

 なんでこんなところで張り合ってんだこいつは。今日も結局意味の分からないことで時間が潰れるのだった。

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