147. どっちが綺麗?
147. どっちが綺麗?
そして週末。オレは夏帆と共に新しく出来たフラワーパークに来ている。
「ねぇ先輩!見てください!あそこにもお花が咲いてますよ!」
「ほんとだな、なんかいい匂いする」
「そうですね!なんか落ち着きますね」
「そうだな」
このフラワーパークには色んなお花があり、種類も豊富で季節ごとに楽しめるような工夫がなされているようだ。しかし、正直に言うとオレはそんな事よりも目の前にいる夏帆の事が気になって仕方がなかった。
こいつってウザくなければ、やっぱめちゃくちゃかわいいよな……今日は私服姿の夏帆だが、いつもとはまた違った雰囲気を醸し出している。今日の服装は白のワンピースにカーディガンという清楚感溢れる格好をしている。
「あれ?先輩どうしたんですか?ぼーっとして」
「い、いやなんでもない……」
「えぇ〜今絶対私の事見てましたよね?」
「花を見てたんだよ!ほら行くぞ!」
「あっ待ってくださいよ〜」
なんなんだこいつは……本当に勘弁してくれ……。
「わぁ〜綺麗ですね!」
夏帆は目を輝かせながら、辺り一面に広がる花畑を見渡している。確かにすごい景色だ。まるで別世界に来たかのような感覚になる。こんな光景今まで見たことが無い。
「ほんとだな」
「私ここのお花好きになりそうです!」
「まぁお前ならそういうと思ったけどさ。たまにはこういうところもいいよな?」
「はい。ねぇ先輩?私とお花どっちが綺麗ですか?」
「は?」
「だから、私とお花どっちか綺麗か聞いてるんですよ?」
「うぅん……花かな」
「ちょっと先輩!?そこは迷わず私を選んでくれるところですよね?ちゃんと答えてくれないと嫌いになっちゃいますよ?」
「それは困る」
「じゃあ答えてください」
「嫌だ」
「もう!照れ屋さんなんだから!」
なんだこれは?なら聞くなよな?うぜぇ。とはいえ、夏帆も楽しそうだからそれでいいか。最近デートらしいことしてなかったからな。