146. 花を見たいです
146. 花を見たいです
「ねぇ先輩!今週末なんですけど、お花を見に行きたいです!」
「は?花見は先週やっただろ?」
「違いますよ!桜じゃなくて普通のですよ!一面に咲いている綺麗なお花を見たいんですよ!」
「え?フラワーパークみたいなところってことか?」
「はい!先輩のお部屋でお花を育ててから、色々調べてたら見たくなったんです!ダメですか?」
「まぁ別にいいんじゃね。たまにはそういうのもいいよな」
「やった!週末楽しみですね!」
オレがそういうとすごく嬉しそうに喜ぶ。夏帆が花に興味を持つなんて、こいつもやっぱり女の子なんだなと思うオレがいる。最初はちゃんと育てられるか心配ではあったけど、夏帆は毎日オレの部屋の花を手入れしている。
「そうだな。」
「あー!先輩またその顔してます!私がお花に興味を持ったのをバカにしてるんでしょ!?」
「そんなことないだろ?」
「もう!先輩ったらひどいですよね!」
そう言いながら、夏帆はオレに抱きついてきた。オレはそれを受け止める。こいつスキンシップが過剰なんだよな……。二人きりだからいいけどさ。
「はいはい、ごめんなさいね」
「むぅ……。まぁいいですけどねっ!」
「何だよそれ……」
「別に?何でもありませんよ!さて、そろそろご飯作りましょうかね」
「ああ、頼むわ。今日はオレも手伝うから」
「ご機嫌とりしても無駄ですよ先輩?」
「お前……素直にありがとうって言えよ」
それから2人でキッチンに立って料理をし、いつものように過ごしていく。最近はもう慣れたよなこの感じも。こうして週末、夏帆と共にフラワーパークに行くことになったのだった。