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3‐4

ユキハはゼロと距離をとり、腰に下げたホルスターから双銃を取り出し、間髪入れずに計8発の弾丸を放つ。
放たれた銃弾はすべてゼロの刀によって弾かれ、それを見たユキハは銃を持つ手に力を込めると銃は蒼色に光を放ち、新たに銃弾を放った。

放たれた銃弾も蒼く染まる。

蒼く染まった弾丸は最初の弾丸と違い、弾こうとするゼロの刀を逆に弾き返す。
その銃弾の後に続き、ユキハはゼロの顔目掛けて回し蹴りを放った。

その蹴りをゼロは左手で受け止めると、右手に握る刀の峰でユキハを薙ぎ払う。

再度ゼロから距離を取ると、今度はユキハの銃は紅く染まった。

「そこまでだ。

ユキハ。魔法が使えないと言っていたが、正確にいうと自身の領域を展開できない。
だが、自身の領域外にも関わらず、オレの領域で魔法付与ができている。このようなことはオレも初めて見たがな…

何ができて何ができないのか。これを正確に分析することはとても重要だ。

つまり、ユキハには領域展開のための魔力の流れを叩き込めばいいということになる。

そこで、オレの出番だというわけだ。オレは魔力の流れが見えるし、触れることで操作することができる。ラッキーだったな。

基本部分は体に覚えさせるぞ」

ゼロはその場に座り込み、ユキハに背を向けて座るよう促し、背中にそっと手を触れた。

ユキハは、ゼロの手のひらから澄んだ魔力が流れ込み、自身の魔力に混ざり込むのを感じる。

「ユキハの領域の術式は【領域展開:楓】だ。

今まで自身の領域に頼らず魔力を放出していた分、領域展開を覚えるのに時間がかかるだろう。
今日は、実際に魔力の流れを操作して、体感で覚えてもらう。

中級魔法は明日からだ」
「はい!」

ゼロは目を閉じ、共に術式を詠唱するよう促す。

「「領域展開:楓」」

術式を唱えると、魔力が今までになく、スムーズに放出され、碧色の領域が完成する。

初めて、展開された領域にユキハはうっすらと涙を浮かべ喜びの声をあげた。

「は、はじめてできた…」
「ユキハの中で魔力が栓をされて混ざりあっていた。それを外して流れをコントロールしただけだ。今日はこれを繰り返す」
「はい!!」

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