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 第1話  【進め!! 洞窟探検隊 其の1】

 せかへい 外伝30


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第1話
 【進め!! 洞窟探検隊 其の1】




 ある日のことである。突然エスとルンバがパトの家を訪れた。



「おい!! パトいるか!!」



 エスが大声で叫ぶ。



「なんだよ……」



 パトは寝癖のついた髪を掻きながら自分の部屋から出てくる。玄関を見るとそこにはエスがまだかまだかと待っていた。



「どうしたんだ?」



 パトが聞くとエスがポケットの中からある紙を取り出す。



「最近新しい洞窟が見つかったんだって!!」



 エスはワクワクしながら言うが、パトはどうでも良さそうに答える。



「それで……?」



「俺たちで探検しようぜ!!」



 エスはそう楽しそうに言う。隣では無理やり連れてこられたルンバが呆れた様子でいる。



 パトはあくびをした後、



「何言ってんだよ。そういうことは冒険者の仕事だろ。俺たちには関係ないだろ」



 そう、洞窟やダンジョンの探索は冒険者の仕事である。モンスターに出会っても対処できるし、宝石などの価値もわかる。
 他にも探窟家などもこれらを行う。



 昔は村に住んでいる老人のライトも洞窟探索を行なっていた。それにより多くの魔石を発掘しており、魔道具の発展を促して歴史を変えている。
 だが、洞窟探索には危険がつきものだ。モンスターだけではない。ライトのように魔素により身体の自由が効かなくなってしまう人間も多い。



 洞窟のような場所には植物はないが、過去に魔法を使って発掘や探索を行なっているため、魔素が大量に残っている。
 そしてその魔素を浄化する植物がないため洞窟には魔素が溜まりやすいのだ。



 パト達は冒険者ではない。ただの村人だ。洞窟探索は彼らには危険すぎる。



「おーい! 絶対楽しいって!! 行こうぜ」



 このように遊び感覚で洞窟に行く人間は特に危ないだろう。こういう人間を止めるのもパトの役割だ。



「ダメだ。俺たちには危険すぎる」



 パトがそう言った時、後ろから、



「行ってこい」



 と、突然言われた。後ろを振り向くとそこにはパトの父親のガオがいた。



「父ちゃん、行ってこいって、洞窟の危険性は知ってるだろ」



 ガオは村長になる前は地方を旅していた。冒険者の免許も取ったし、危険な地にも踏み入れたことがある。盗賊だって討伐したことだってあるのだ。



「ああ、分かる。だからこそ、お前は行くべきだ」



「え……」



 しかし、そのためかガオは自分のようにパトにも生きてほしいと考えているところがある。



 旅をしていろいろ学ぶ。それがガオのやり方なのだ。それをパトに押し付けることがある。そしてそれほ今もだ。



「そういう場所に行くことで成長できる」








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