第2話 【進め!! 洞窟探検隊 其の2】
せかへい 外伝30
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第2話
【進め!! 洞窟探検隊 其の2】
結局洞窟に行くことになってしまった。そして予想外の人物がついてくることにもなった。
「リーラ、本当に行く気か?」
「はい!」
パト達と共に行きたいと言い出したのは、村に住む少女リーラ・ルーテラだ。金髪の長髪の子供で村にいるお医者さんの子供である。
パト達よりも一回り小さく。ちょっと歳も離れている。リーラには兄がいたが今は行方がわからない。パト達は兄との方が年齢も近い。
普段は家で医者の勉強をさせられているのだが、たまにこうやって抜け出してくる。そしてちょうどいいタイミングでこの話を聞いてしまったのだ。
パトはリーラを行かせないと説得する。
「洞窟は危険なんだぞ、モンスターも出てくるし、トラップだってあるかも!」
それを聞いたリーラは、
「モンスターは魔力の多いものを襲う傾向があります。パトだけならまだしもエスさんとルンバさんがいれば大丈夫です。あと洞窟にはトラップはありません」
「…………」
リーラは普段は静かな子なのだ。あまり自分から喋るタイプじゃない。だが、パトにはよく喋りかける。
そして知識を自慢することも多い。
しかし、リーラの言っていることは間違ってはいない。
パトはまともに魔法が使えないくらい魔力がないが、リーラもそこまで多いわけじゃない。エスやルンバがメンバーの中だと一番魔力量が多い。
そしてモンスターは魔力の多い存在を狙いやすい。
だが、それは理論上での話だ。実際には魔力の多い人間は力を持っており、モンスターは簡単には攻撃できない。
そのためモンスターは抵抗されにくい人間から襲うということもある。
だが、リーラにそのことを言っても本ではそう書いてあったと否定されるだけだ。
「でもな、危険なんだよ」
パトがどうにかリーラをついてこさせないようにしようとしたが、リーラが涙目になる。
「いや、だから危な……」
そうしているとエスが、
「ま、ついてきても良いんじゃね」
と適当なことを言い出した。
「おい!」
とパトはエスを止めようとするが、エスは自信満々に、
「俺たちが守ってやるから安心しやがれ!」
と胸を張って言い出した。
エスとルンバは門番として実戦を積んでいる。そのため低レベルのモンスターには負けないだろう。
だとしてもこの自信はどこから湧いてくるんだか……。
「俺の新品の槍でしっかり守ってやるぜ」
エスはそう言うと新しい槍を見せびらかす。
つまりは槍を新しく買ったから自信満々ということなのか。いや、そんなことで自信満々になるなよ!!
もっと慎重になれ!!
こうしてリーラも行くことになった。