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未来を知ってしまった私は……

「ど、どうしよう……」

 手紙を読み終えた私はガタガタと震えていた。

 私にはこの手紙に書いてある内容が本当に起こる出来事である様な気がした。

 何故なら手紙に書かれてある字は間違いなく私の字なのだ。

 だから、これは私が書いた物で間違いない。

「ま、まずは今夜の誕生日パーティーを上手くやり過ごさないといけないわね」

 リチャード様とは関わらないようにしよう、と言うかそもそも誕生日パーティーを開催しなければ良いんじゃないか、とも思ったけどそれは出来ない。

 さて、どうしようかと色々考えている間に時間は過ぎていき朝食の時間となりメイドが迎えにやって来た。

「お嬢様、朝食の準備が出来ました」

「あっ、そ、そうなの。わかったわ、すぐに行くから」

 私は寝間着から私服に着替えて部屋を出た。

「お嬢様、顔色が悪いみたいですが大丈夫ですか?」

 メイドが心配そうに私を見る。

「だ、大丈夫よっ! 今日は誕生日だしいつもより気分が良いわっ!」

 朝の一瞬だけ気分が良かった。

 今の私は気分最悪の状態だけど表には出せない。

 そして2階から1階へ降りる階段へ足を降ろそうとした時だ。

(あれ?)

 いつもはすぐに来る足の感触が無く、私はよろけてしまった。

「お嬢様っ!?」

 メイドの悲鳴に近い絶叫が響き渡った。

「きゃあああぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 私はそのまま階段を転げ落ちていった。

「きゅう……」

 私は階段の踊り場でようやく止まり目を回しながらも周りの声とかが冷静に耳に入って来た。

 ドタバタとする足音、誰かが指示を大声で出してる声、全身を襲う痛み。

(最悪の誕生日よ……、でもこれじゃあ誕生日パーティーは出来ないわね……)

 主役の私がこれではパーティーどころの騒ぎじゃない。

(これで良かったのかもしれないわね、リチャード様に会わないで済むし……)

 そんな事を考えながら意識を手放した。

 気がついた時にはベッドの上で私は包帯まみれになっていた。

 医者が言うには全治1ヶ月らしい。

 当たり処が悪かったら死んでいたかもしれない。

 母は病弱なのに私の側に着いていてくれた。

 父はパーティーのキャンセルとか色々連絡していたらしいがあの手紙を読んだ後なので本当にそうなのかはわからない。

 とりあえずパーティーが中止になりリチャード様との縁が無くなったのは良かった事だ。

 私はこの完治するまでの1ヶ月間で色々考えた。

 そして、それを紙に書いていった。

 まずはリチャード様、と言うか王族には近づかないようにしよう、それからお父様の浮気を証拠を見つけてなんとかしよう、最悪お母様と離婚する事になったら迷う事無くお母様に着いていく。そして、お母様の死を阻止する事!これが一番大事な事だ。

 絶対に幸せな未来を掴んでやる!

 私は心の中でそう誓った。 

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