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 昨日は買い置きのもので軽食を作ったが、食料が尽きかけている。
 許可をとって買い物に出た。
 トウマさんは変わらずソファで横になるかうずくまるか。
 部屋から出る様子がない。
 金銭データを確認すると、それなりの貯金はある。
 毎月入金されていた給与が先月は半減しているが、数ヶ月は収入がなくても生活できる。
 どういうわけかわからないが、あまりぜいたくな買い物はしないほうがよさそうだ。

 せわしなく動かれると落ち着かないとトウマさんが言うので、せっせと部屋を片づけることはしなかった。
 静かにゆったりと部屋の中のものを分類してゆく。
 元の場所へ戻すのは最後にする、物が分散しすぎている。
 今日もトウマさんはソファの上。
 外見は三十歳前後の男性。
 一日二回、ソファを降りてテーブルで食事をとるが、本当に食欲がない。
 病などではないとしても、体調が非常に気がかり。
「発熱や脈の乱れはないようです。少し表の空気を吸ってみてはいかがでしょうか?」
 トウマさんはやはり、身動きもせずにため息をつく。
「動きたくない」
「承知しました」
 広いリビングの片づけを再開すると、しばらくしてトウマさんはのろのろと立ち上がり、お手洗いに向かう。
 足腰にも異常は見受けられない。
 トウマさんが荒らした広いリビングはまだ片づかない。
 体調のすぐれない人間にここまで部屋を荒らすことが可能だろうか。
 彼は精神に不調をきたしているのではないだろうか。

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