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どのくらい気絶していたのかは分からないけど、ベッドの上で目が覚めた時には、パチャ以外の家族全員がいた。

「おっ、目が覚めたか」エッザールたちみんなの安堵の顔に取り囲まれてて。

起きあがろうとすると……やっぱり、手足が痛い。

以前親父に顔面殴られたほどの痛さじゃないけど、それでも大きなアザにはなってる。

「パチャさんは?」俺の言葉に、エッザールの親父さんは一瞬きつい顔を見せた。

「離れの反省房にいる……あんなことしてくれたしな、当分は出られないと思ってくれ」

そうですか、と言おうとしたら一撃喰らった鼻っ柱がすごく痛い。なんか妙な匂いの湿布貼られてるし。

「骨は折れてないから安心して。特製の傷薬だから早く治るはずだよ」って、マースネスが俺の手をぎゅっと握って語りかける。

けど……‬パチャさんなんであんなことしたんだか。

今までとは違うすごいイラついた口調で襲いかかってきた時には、俺なんかケンカになるような悪いことしちゃったんじゃないかって思ったし。



俺が大丈夫だってわかって、また俺は一人になれた。正直ここまでしてくれて俺もなんか辛いっていうのかな。みんなは家族だって言ってくれているけど、まだピンとこないままだし。



「あっ、ここにいたんですね」入れ替わるように、今度はアスティさんが。

ここんとこしばらく教会の建設の仕事とかに携わってきてたせいか、会うのが久しぶりに感じる。

だからと言ってはなんだけど、パチャの求婚のこととか今回の経緯とか全部アスティさんに話すこととした。

「僕も冗談のつもりでついついやってしまった事が、こんなことになるとは……‬」

あれ武器になるんじゃない? ってもう二人でお腹痛くなるほど笑っちゃった。

けど今日のパチャさんの荒れ方を話したとき、アスティさんの顔がとても深刻になったんだ。

「やっぱり……」って。なんか知っているのだろうか。けど幾度それを聞いても話してはくれなかった。

わかる。これ絶対なんか隠してる……!



「フィン……僕ら神の元に仕えるものには守秘義務があってね。つまり神様にこっそり告げられたことは誰にも明かしちゃいけないんだ」

「つまりは、パチャさんがアスティさんのところに?」

アスティさんは軽くうなづいた。だがそれ以上はもう話すことはできないって。

「俺と無理矢理結婚めいたことさせられちゃったからかな。だからあれほどイライラしてたのか……」



ふと、これだけは言っておきたい、とアスティさんは思い口を開いた。

「剣を交わすもの同士だったら、きっと分かるはず。怒りに身を任せてフィンを痛めつけることなんて絶対しないはずだ。だから……」

俺の肩に、アスティさんが手を置いた。

まだ寒さが残っている中、とっても暖かい手のひらが。

「そこから先は君自身が答えを導き出したまえ」



パチャが本気で俺に向かっていった意味……

あいつは俺に何か言いたかったんだろうか。なにか話したくても話せなかったことでも?

………………

…………

……



そうか!!!

まだいまいち分からないけど、なんか見えてきた気がする。俺はすぐさま起きて、離れの……いや、まずはパチャの部屋に行くことにした。

「痛っっっ!」

思わず声が出てしまった。そうだ、すねとつま先まで打ち込まれ出たこと忘れてた。

だけど寝てなんかいられない。早く行かないと……!



傍に置いてあった剣を杖代わりにして、俺はあいつの部屋へと向かった。

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