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四章 かさ地蔵(五話)

あれとは・・・
(傘地蔵の能力ってどんな感じか知ってるか?)
〈んー、人格2つ出来ることしか・・・。〉
(まあそうだよな。それじゃあ教えるよ。)
傘地蔵の能力 (現時点)
・元の人格にさらに1の人格が追加される。
・1の人格は人の心に入る事が出来る。
・心を変化させる事が出来る。
(という所だ。)
〈えっ、これだけ!?〉
(そうだ、しかしこれだけでわかった事がある。)
〈うん。〉
(最後で気づいたかもしれないが、心を変化させる・・・。これ悪用したら、精神崩壊や人格崩壊を容易く出来るということだ・・・。)
〈おい、それ不味くないか!?〉
(Mr.キャットが言う限り、この能力者は俺らを含めて最低二人はいる。これがどういう事を意味するか。)
〈確実に一人は悪用者がいるということか・・・。〉
(そうだ。)
〈そのためにも早く行こうぜ!〉
(よし、わかった。)
そして、谷野達は廃墟と化した町へと入っていった。

異世界(どこか)
「よし、出来た♪」
女が笑顔でそう言った。
「これは?」
男が質問すると、
「これはね、異世界の扉。これが私の計画に必要なの。」
「計画?」
女は言った。
「それはね・・・。」

異世界(谷野達)
〈ところで進時って誰だ?〉
(んー、チート的なパラメーターがあるがその一方で催眠や呪いにかかりやすいデバフのある奴なんだが・・・。)
〈ってまさか!?〉
(そうだ。だから操られたりしている可能性が高いんだ。)
〈で、助けにいきたいと。〉
(そうだよ。)
〈なら行こう!〉
(その前に、あれしようか。)
〈あれってなんだ?〉
(あれってのは、精神分離だ!)
精神分離
傘地蔵など、能力で人格が出来た場合に分離することができる。分離した時にパラメーターを振り分けることになるが、二人のパラメーターを合わせてその後好きに取っていく。因みに割合は6-4、5-5でないといけない。因みに分離した後にまた戻ることは可能だが、パラメーターの再分配は不可能。

(こんな感じだな。)
〈わー、難し。〉
(とりあえず分配どうするかだな。)
〈どうするか・・・。ヤノ、とりあえず接近戦向きと魔法向きなので分けよ。〉
(いいなそれ。じゃあ俺接近いくわ。)
〈その方がいいな。〉
(よし、じゃあ振り分けるか。〉
〈ちょっと待って、進時って人パラメーターチートなんでしょ?〉
(そうだな。)
〈パラメーター分けたら一人あたりは減るってことは、下手したら一撃だぞ?〉
(確かに。)
〈ということは今はしない方がいいと思うぞ?〉
(そうだな。)
〈うん、覚悟は出来てるよね。〉
(おう。行くか・・・。)
二人は廃墟を歩き始めた。町には焼き崩れた建物、死体が生々しく残っていた。何があったか、よくわからないが物事の大きさを物語っていた。
〈何があったのだろうか。〉
(これ進時が操られたとして一人で出来るものなのか?)
〈いや、いくらチートでも一人では出来ないと思うよ。進時の他に何か・・・。〉
(いや、今はそんなこと考えてる場合ではない。先に進もう。)
〈そうだな。〉
また少し進むと、廃墟の中に人影が見えた。谷野達は瓦礫に身を潜めて人影を見た。
〈んー、誰だろあれ。
(・・・あれは!?)
〈ん?なんだ?〉
(メラアクだ!)
〈メラアク?〉
(メラアクはな、俺が中学生の時に森の空き家で助けた魔族だ。)
〈なるほど。〉
(よし、あいつに。)
〈待て。〉
(なんだ?)
〈後ろ!!〉
ギン!
すると、ヤノの剣と襲撃者の剣が合わさった!
(危な!?)
〈もう一発くる!〉
(よし。)
ジリリッ
ヤノは襲撃者の攻撃を受けながした。
(いくぞ!)
〈なんだ!?〉
ヤノが振り被ると剣が赤くなりだし、ヤノはそのまま襲撃者に斬りかかった。
リードパワースラッシャー+5
ヤノの剣は襲撃者に直撃し、襲撃者はそのまま倒れた。
(終わったな・・・。)
〈とりあえず相手の情報を調べる方がいいと思うよ?〉
(そうだな。)
〈こんな時こそ分離すべきか。〉
(何でだ?)
〈襲撃されたって事は俺達が狙われてる可能性だってあるから調べる時に一人は見張りに付くという感じが
良いかな。〉
(そうだな・・・、OKいくぞ。)
〈わかった・・・。〉

(聞こえるか。)
〈おう。〉
(パラメーターはもう振り分けてあるから、分離だけだ。)
〈OK。〉
ヤノは静かに目を閉じた。すると目の前が光出し、光がヤノ達を包み込んだ。そして目覚めると・・・。
「おい、何が・・・。」
谷野が辺りを見渡すと・・・。
「これ成功したのか!?」
フードを被った男がいた。谷野である。
「成功っぽいな。」
ヤノは少しホッとした。
「とりあえずボーッとしてる暇はないから早速調べよ!」
「じゃあ俺見張りいくわ。」
ヤノは見張り、谷野は調べる感じにした。ヤノは襲撃者の所持品を調べ始めた。すると、
〈剣に毒が塗ってあるな・・・危なかった。〉
そんな中谷野はある物を見つけた。
〈家族写真・・・。〉
三人の家族が笑顔で写った写真だった。谷野は襲撃者の顔を見た。
「俺がこの戦いを終わらせます。だから安らかに・・・。」
そう語りかけた。そして決意した。
〈絶対に戦いを終わらせる。〉
谷野はそしてヤノの所に戻った。しかし、そこにいたのは血を流して倒れている谷野だった・・・。

続く






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