海中戦記~いつか二人で一緒に、地上で流れ星が見たい

matsurikage

 地球温暖化と天変地異により、人類の多くは海中都市で暮らしていた。高校三年生の湊カイも海中都市Marineaに住み、軍事用人型兵器「タイダル」の養成所に通っていた。彼の恋人、潮凪星玲奈は成績優秀で、特権階級に近い父の仕事の関係で、夏休みに地上の富士に滞在し、研究所でアルバイトをしていた。
 二人は共に本物の星空に憧れており、地上で流れ星を見ることを夢見ていた。そんな中、カイは模擬戦で優勝し、約十日間の地上視察旅行の権利を得る。星玲奈も父の仕事の都合でアルプスへ行く予定だったが、カイが地上に到着する頃には富士に戻る予定だったため、二人は再会を楽しみにしていた。
 翌朝、カイは星玲奈から預かった犬・シリウスに餌を与え、家族と朝食をとる。軍司令官である父・剣は厳格で、カイに訓練の重要性を説く。母・心はカイの恋愛を微笑ましく思い、星玲奈の家族への土産を考えていた。カイは初めての地上や空に期待を膨らませながら、訓練へ向かった。
 一方、星玲奈は富士の海岸を散歩しながらカイを想い、二人でやりたいことを考えていた。しかし、母に遅くまで外にいることを叱られ、急いで帰宅する。父・星一郎は仕事を終え、酒を飲みながら彼女を迎えた。彼は、星玲奈の誕生日用に時計にメッセージを仕込んでおいたことを伝える。
 後日、カイは星玲奈の乗った水陸両用飛行艇が、ハイジャックされたことをニュースで知る。実行したのは軍の特殊部隊で、星玲奈は人質となっていた。カイは、彼女を解放するよう求め、父を探して軍の基地に行く。基地では門前払いされたが、街中に大きな父の立体映像が浮かび、海中都市マリネアは正体不明の敵の攻撃を受けており、避難するよう促される。
 そのとき母からメッセージが届き、カイは指定された場所に行った。
 地下倉庫のようなところに行くと、見たことも無い格好良いタイダルが格納されていて、運び出すから手伝え、もうすぐ注水が始まると言われて、乗り込んだ。
 父とようやく通信が繋がったが、母がスパイ罪で拘束され、星一郎おじさんが殺されたことを知る。おそらく敵であろう、正体不明の連中といないで戻って来いと言われたが、星玲奈のことがどうしても気になり、捕虜になってもいいから助けに行くとカイは告げる。

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