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ガージスは言う。
(約束の金だ、受けとれ)
バルンジは内心思った。
(当たり前だ、この野郎、俺様があの人
形を作ってやんなきゃ、誰が作れるっ
て言うんだ、けっ、感謝しろ、このば
か野郎)
と思ったが、ガージスに恐怖していた
バルンジはひたすらへいこらする。
バルンジ
(あー、ガージスサマ、本当にありがと
うございます、もしもまた用がありま
したらいつでもいってくださいヒッ、
ヒッ、ヒッ)
と言った。
バルンジは金貨の入った袋を開けると
確かに金貨がザクザクと出てきた。
そんな姿を見たガージスはだんだんバ
ルンジに対してイライラ感を覚えた。
ガージスは怒鳴りつけなから言う。
(それで、バルンジよ、完成した人形は
どこにある)
バルンジは高名な人形師であった。