バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

不幸を絵に描いた

 もう何年振りか女の中に精を吐きだしたら、信じられないほどすっきりした気持ちになった。それから検査部長にこの仕事後退職する旨を書いた。どうもこういう仕事は肌に合わない。
「あの日は泊まって何回したの?」
 3日ぶりだ。どうもぽろんのママはリエから報告を受けているようだ。あの頃の暴走族は仲間内で女を回した。今思えば不思議だがあの時はそれで仲間意識が盛り上がった。私は暴走族っではなかったのでリエが抱かれた後は不機嫌だった。
「ご両親の話聞いたよ。大変だったなあ」
「あの子は子供産んでから口が軽くなったわ」
 父親は弟の保証人になって、多額の負債を作って夫婦で自殺をして、離縁になった彼女が2年前にここに戻ってきたのだ。
「このビルも競売中よ」
「清算して残るのか?」
「借金がね。それで石田君の知り合いの弁護士と相談して相続放棄をしたよ。まあまあ踏んだり蹴ったりの人生ね」
「それならどうするんだ?」
「誰も知らない町にでも行こうかってね。でもまだ踏ん切りがつかないよ。私の両親は不良の私と違って生真面目な一生だった。どうも私の分も使ちゃったみたい」
 それでこのビルは彼女しか住んでない訳だ。
「石田が結婚を申し込んだと言うが?」
「だめ。1回だけやったらその気になって。彼では私は持たないよ」

しおり