バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

122


「どうして、水谷さんがここに?」

「瞳さんに、呼ばれました」

「瞳のやつ。
 余計なことを……」

 水谷さんは、じっと僕の方を見ている。

「あの、ごめんね」

 なんとなく僕は謝ってしまった。

「何がですか?」

「こんなことに巻き込んでしまって……」

「良いです。
 良いもの見れましたし……」

「良いもの?」

「早く着替えて下さい。
 下で瞳さんと待ってます」

「え、あ……うん」

「………寝顔、とっても可愛かったですよ」

 そう言うと、水谷さんはドアを閉めた。

「ぎゃっぁぁぁぁっぁ!
 寝顔見られたぁー
 一生お嫁に行けない……!」

 ドアが少し開く。

「どちらにせよ。
 結城くんは、男だからお嫁にはいけませんよ……」

「そ、そうだね」

 水谷さんにツッコミを入れられた。
 最近、水谷さんが瞳に似てきた気がする。

しおり